第16話 タウンクリエイター
部室に入る。
部員は8人。
みんなで1つのカードゲームをプレイしていた。
プレイしてたゲームは前に部員同士でプレイしてた「タウンクリエイター」だ。
タウンクリエイター。
いったいどんなゲームなのかが気になって、ゲームの様子を観戦することにした。
「モンスター同士で戦うゲームじゃないのか・・・」
ネット上にもないカードゲームというより、ボードゲームというべきか。
ルールは自分の場には10か所の土地がある。
毎ターン、その土地に1枚のタウンカードを置く。
タウンカードには得点があり、自分の場のタウンの得点の合計が一番高いプレイヤーの勝ちだ。
このゲームはただ自分の場にタウンを置くわけでなく、相手の土地にもタウンを置くことが出来る。
「すごいなーまた西沢さんの勝ちだね」
「ありがとうございます。すごく楽しいです!」
西沢さんも部室にいたのか。
「本田くんもやってみない?」
「そうだね。僕もやってみようかな」
実際にプレイしないと、そのライブ感は味わえないしやることにした。
デッキから5枚ドローする。
デッキ枚数は20枚と少なめだ。
「僕が最初ですね」
城を中心にカードを置いていく。
自分の王国を発展させるゲーム。
国には国民がいる。
国民の人口は得点が目安となっている。
得点は国の繁栄度。
国は建物だけでは成り立たない。
人がいるからこそ国が成り立つんだ。
そんなメッセージ性を持ったゲームかもしれない。
タウンカード。
設立することで繁栄度を一気に上げるカードや繁栄度が下がるカードもある。
森、湖、市場、神殿、遺跡などは繁栄度を上げるカードだ。
タウンカードにはそれぞれ効果がある。
例えば森カードの場合は森の後ろの列に置いたカードは裏向きにして出す。つまり、裏向きにするということは、出したカードの得点が分からないという心理戦を持ち込むことができる。
得点が下がるカード。
例えば沼カードだ。このカードは場にあるとき、このタウンカードを所有してるプレイヤーの得点が下がる。それだけでなく手札を捨てる効果もある。
「すごーい、本田君の勝ちだね」
西沢さんに褒められる。なんか照れるな。
初めてプレイしたけど、勝てるなんて僕は思ってもみなかった。
このゲームは僕を除いた部員で完成させたゲームだ。
システムもよくできてるし、何より初心者にとても優しいシンプルなゲームだ。
僕は思った。
カードゲームは世間で認められたいとか有名になりたいとか、カードゲームを作っていれば、自然と湧いてくる欲望かもしれない。ただ、本来自作カードゲームって初心者の人でもだれとでも楽しめる。みんなを笑顔にするもの。だれでもプレイして楽しめる。強いとか弱いとか、自作では気にしなくていい。どれだけの人が楽しめるものを作るか。それが大事だと。
みんなでタウンクリエイターをする中でそう感じた・・・。
「それでは今日は解散です。みんな、お疲れさま」
「「お疲れさまでした」」
僕は部室を出て、帰り道を歩く。
その途中でカードショップに立ち寄った。
「カードゲーム。なにが基準で面白さが決まっているんだろう」
分からない。
ショップで売られてるカードゲームと販売されてないけど有名なカードゲーム。
だれのカードゲームの評価で認知度が変わるんだろう。
みんなが面白いと感じるゲームとそうでないものとは何が違うんだろう・・・。
店舗で売ってるカードゲーム。
度のゲームでもそのゲームにしかない持ち味がある。
そのカードゲームのトップに存在するのがガクトが作ったユナイティアだ。
なんというか、一度でも自作カードゲームを作れば、今販売されてるカードゲームがどれだけすごいか分かってしまうんだ。
カードゲームを作りうえで、新しいカードを生みだせるカードゲームを作るのは難しい。普通の人のカードゲームでは150枚くらいが限界だろう。
10万枚。それだけのカードを作れるカードゲームは神だ。
でも世界にはそれも存在する。
「ユナイティアの新しい弾が今日発売だったな。僕も今日何パックか買っていくか・・・」
「1580円となります」
僕はレジでお金を払い終え、そのまままっすぐ家へと戻る。
僕は新しいカードでデッキを組むためだけにカードを購入したわけでない。
僕がみたかったのはカードの新しい効果。
今のユナイティアの対戦環境で何が新しくなったのか。どんな要素が追加されたのか。要するにカードの材料がほしかった。
「スキルドライブ!?なんだこれ」
スキルドライブ。
効果は味方モンスターが技を使ったとき、山札から1枚めくり、そのカードが使用した技のモンスターのコスト、または魔力以下のカードを手札に加えられる。
ついにこのカードゲームでも特技の要素が追加された。
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