自作カードゲームクリエイターでもカードゲームがしたい!

土呂

第1話 プロローグ

学校から家に戻る。


「今日もまたカードゲーム作成しないとな」


僕はカードゲームが好きだ。といってもすでに世間で有名なカードゲームをやってるわけではない。まあ、中2まではやっていたのだが。


自作のパソコンを起動すると、すぐさまエクセルを起動する


僕が自作カードゲームを作り始めたのは1年前。

ちょうど中学3年からだ。

僕は小学生の時からカードゲームをやり始めて、友達とよく遊んでいた。

そして大会も参加するときもあった。

小さな店舗の大会だったため、レベルはそこまで高くはなかった。

それで優勝も数回した。


だが、中学生となり、友達も大会の参加者のレベルも高くなり、なかなか勝てなくなった。それだけならいい、だけどそれでバカにするやつも現れ、いつのまにかカードゲームは僕にとって不愉快なものになった。


カードゲーム。

僕には向いてないのか。

僕は強くない。全く勝てなくて面白くない。


そういった強いコンプレックス故に次第にカードゲームをやらなくなった。


みっともない理由だ。

かっこ悪いのは分かってる。

でも、楽しくないんだ。


「ああ、なんか退屈だな。何か面白いことないかな」


僕は今中学3年生。

中3のこの時期は受験シーズン。

この1年はただ勉強するだけ。


もし、僕が成人になり、大人になったら、仕事だけして歳を重ねて、何の目標もなく、ただ死んでいくだけなのだろうか。そう思ってた。


受験が近い時期、教室の空気は完全に勉強ムードだ。


どいつもこいつも余裕がない。


分かってないな。勉強というのは、つねに先の内容を意識して、カリキュラムをこなすものなんだ。ぎりぎりまで頭に詰め込んだところで、その場しのぎに過ぎない。


ある日のことだった。


自室で3時間勉強した後、休憩がてらにyou tube をみていた。

you tuberは動画を載せるだけで収入が入ってくる。めっちゃ楽やん。

僕もyoutuberになるのもありかもな。

退屈な社会の歯車の一部になりたくないな。


you tubeでは音楽、RTA、ゆっくりボイス実況などのジャンルを見ている。

それ以外のものに興味がない。そう、僕にも何かあれば。


僕はyou tubeで[カードゲーム]と検索してみる。

今更カードゲームはやるきはないが、見世物としては楽しめるだろう。


「自作カードゲーム」


自作カードゲームの動画が検索に引っかかる。

その動画を再生してみる。


自作カードゲームか。

エクセルで作れるのか。

カードはA4の紙で印刷したものをスリーブにカードと印刷したカードをいれてプレイできるのか。


序盤は自作カードゲームの紹介だった。

決して再生数が高いわけでもないし、動画の質もいいわけでない。

だけど、この感じはなんだろう。

コメントもいろんな人から面白い等のメッセージがある。


僕は思った。カードゲームが好きだ。でも対戦で勝てず、次第に楽しくなくなった。でも自作カードゲームなら。


「カードゲーム作りか。面白い」


そういえば、ここから通える高校の1つにカードゲーム研究部という部活がある御蔵高校があったな。


僕たちカードゲーム研究部はカードゲーム好きの部員同士でカードゲームを遊んだり、大会にでたり、様々な活動をしています。カードが大好きな人、カードを作っている人も大歓迎です。


パンフレットの部活紹介の欄を見て僕は思った。


ここでやってみようかと。


自作カードゲーム

カードゲームは経験者だが、いざカードゲームを考えるとなると、何から作ればいいかわからない。僕はイラストは描けないから、簡単なアイコンだけにするしかないか。


となると、魔法、モンスターこの2枚で作ればいいのかな。


「せっかく自分で作るゲームだから、面白いもの作りたいな」


僕は時がたつのを忘れて、何時間もカードゲームを考えた。ノートを取り出し、モンスターの効果や魔法の効果をメモする。


だが、気づいたことがある。

深く考えれば考えるほど、僕が知ってるカードゲームと同じものになることに。


「だめだ、まったく思いつかない」


やっぱり、僕には無理なのだろうか。

僕はパソコンの電源を切り、そのまま眠りについた。










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