第13話 ユナイティア

「ユナイティアのアニメかぁ。どんなものか楽しみだな」


you tubeにあるユナイティアのアニメをipadで見ることにした。


オープニングが流れる。

カードゲーム定番の情熱って感じではない。

神秘的な不思議な感じのオープニング。


「VRMMOか・・・」


VRMMO。仮想現実大規模多人数オンライン。


主人公は記憶喪失の少年。

その少年は昔からカードゲームが好きで、いつも友達とカードゲームやボードゲームで遊んでいた。

しかし、交通事故で両親を失い、事故のショックで過去の記憶を失ってしまった。

大切なものを失った少年。

名前は優。

そんな現実から目をそむけたくなった優はVRMMOのゲーム。

ユナイティアにはまり始める。


そこには自分の愛するカードがある。

それを共感できる人がいる。


この世界を生みだしたという設定なのはガクト。

ユナイティアを生みだした彼と同じ名前だ。


そしてどんなストーリーなのか。

優は大学に通うための学費を稼ぐためにユナイティアのVRMMOの世界でシニアカテゴリーで優勝すること。

それが優の目標だった。


両親が死んだ後、彼を引き取ってくれた祖母達に恩返しがしたい。

事故で両親が死んでから、生きることに絶望してた優を支えてくれた。


失った記憶。

今死んだ両親の顔を思い出せない。

父母がどんな人だったか。

記憶がないんだ。


優が覚えている記憶。

カードゲームが大好きだったこと。

それだけはなぜか覚えていた。


これがガクトのアニメだ。

1話を見終えて、すぐ2話がみたくなった。


「なるほどね、普通の王道カードゲームのストーリーとは違うんだ・・・」


you tubeにもユナイティアのアニメの動画がたくさんアップロードされていて、再生数は50万回くらいある。


それだけでなく、対戦動画、アニメ考察、パック開封動画など、実写系の動画がたくさんある。


「すごいな、ユナイティアは大流行ってことか・・・」


アニメだけではない。

今はネットのオンラインでも対戦できるのだ。


「ちょっとやってみるか」


僕はユナイティアのオンラインゲーム「ユナイティアの守護者」をプレイすることにした。


デッキは初期は僕が勝ったスタンダートデッキと全く同じもので、ジュニア、シニア、マスターのカテゴリで選んだもののデッキが配布された。


僕はシニアカテゴリだ。

プレイしてそうそう対戦してみることにした。


「さて、お手並み拝見っと」


少しの間、対戦相手募集画面のまま待つ。


「対戦相手は・・・ガクト!?」


まさかガクト本人!?

そんなわけないか。誰かがガクトの名前をパクッているだけだ。

本人なら、こんなネット上で対戦しなくてもいいはずだし、マスターの相手と戦うはずだ。


「まずは対戦してみるか」


まずはユナイティアを配置するところからだ。

先攻をとれば速攻でパワー5000の怒りの大地を活かすのがいいだろう。後攻の場合は守り重視で鉄壁の要塞で守り重視の戦いをする。先攻と後攻はじゃんけんで決めるので、どちらをとれるかは運しだいだが、僕は初心者のため、どんな陣形が強いのかは分からない。今回は先攻を取れることを前提で陣形を組もうと思う。

運命を分けるじゃんけんだ。


「よし、先攻をとれた」


先攻は4枚、後攻は5枚を初期手札とする。


僕の先攻だ。

妖精の湖の恩恵で1枚ドロー。恵みの世界樹の効果でマナチャージ。

僕はゴブリン竜を召喚した。

1ターン目はプレイヤ―はバトルフェイズを行えない。


相手ターン。

相手は守りのドラゴンを召喚した。


守りのドラゴンには2つの効果がある。

1つ目はガーディアン+10000。

モンスターを攻撃から守るとき、

ガードとして使ったモンスターのガードを10000上げる効果だ。

さらに2つ目の効果は身代わりだ。


身代わりは敵モンスターが攻撃したとき、攻撃対象を身代わりのスキルをもったモンスターに変更できるのだ。


ゴブリン竜にはあるモンスター効果がある。

それはこのカードの攻撃が通らなかったとき、このカードは破壊される。


ゴブリン竜も守りのドラゴンも同じコスト1だが、能力は全く違う。


1ターン目は攻撃できないので、僕の2ターン目だ。


ドロー。

引いたカードは特殊魔法。

特殊魔法がこのゲームでは序盤の最強カードといわれている。


なぜならこの魔法カードは発動するのに魔力のコストが必要ないからだ。


魔法カード強サイクロン発動。

相手の手札を1枚墓地に送り、相手のユナイティア1枚にパワー5000の攻撃。

モンスターによる攻撃は前列にカードがあるとき、後列のカードには攻撃できないが、特殊魔法は前列にカードがあっても、後列のカードにも攻撃できる。


「やはりガードしてきたか」


僕の特殊魔法のカードのパワーは5000.

相手のユナイティアのガードは5000.

パワーとガードが同じ場合、攻撃した側が勝つのだけど、手札のモンスターを墓地に送ることで、モンスターのガードの数値分、味方のカード1枚のガードを上げられるのだ。


そして後半戦。

僕はマナ加速を重視し、強力なモンスターを並べた。

相手はユナイティアのガードの恩恵でモンスターの守りを固める。


相手が仕掛けてくるのはこのターンだ。


相手が出したモンスター。

それはこのゲームの上級能力の魔力解放をもつモンスターだ。


魔力解放は魔力が7以上あるとき、効果を発揮する新しく出た弾で登場したカードだ。


魔力解放の効果で、僕の全てのモンスターのガードが0になる。


「まずいな・・・」


僕は危機感を感じる。

僕のモンスターのガードが0になることで、相手のパワーが低めのモンスターも僕の上級モンスターを倒せるようになった。


「僕の負けだ・・・」


やはりオンライン対戦は甘くない。

それに初期のカードだけで勝てるほど甘くはないってことか。










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