第21話 エンシェントグレイブ

「みんな聞いてくれ。カードゲームプロジェクトから結果が来たよ」


歩さんは部員をパソコンの前に集める。


「結果は2つのゲーム両方とも賞は得られなかった」


ショックでうつむく部員たち。僕自身もせっかく作ったキャッスルモンスターズが賞をとれなくて悔しい。


大賞をとったゲームはガーディアンというカードゲームで、城を守るガーディアンたちが戦うゲームだ。


部活が終わり、家に帰った後、新しいカードゲームの開発をすることにした。


「まあ、そんなポンポンとアイデアは出ないよね」


参考になりそうなサイトを探す。


デッキ100枚のカードゲーム・・・。


「なんだこれ」


デッキ100枚のカードゲームは思い出カードがあり、1、2、3,4種類がある。プレイヤーは最初に手札を5枚ドローして、1から順番に4までカードを出せる。しして4まで出せば、エンディングカードを出せる。カードは基本的に山札を削る効果が多い。


「1から4をきれいに揃えないと、山札をたくさん削れないということか」


他にはないかな・・・。


市場戦争・・・。


このゲームは自分の場のカードが目標金額に近いプレイヤーが勝ちというゲームである。初手の手札は先攻が7枚で後攻は6枚だ。このゲームにはポイントという要素があり、自分の場のカードの価格×ポイントが目標金額に近ければ勝ち。


ネットを調べると、あちらこちらにいろんなカードゲームがある。


その中にはデッキがランクアップするゲームもあった。


「こんなゲームもあるんだ・・・」


僕は自分の本物のカードゲームを作りたい。

ネット上で自分のカードゲームを注目されるには、いろんな方法があるみたいだけど、まずはカードの種類をたくさん作れるカードゲームを作るといいらしい。


「ひらめいたかも・・・」


カードの種類はモンスターカード、魔法カード、アイテムカード、装備カード、へんげカード。ほかにもまだ思いつきそうだ。

僕はこのゲームの名前をしばらく考える。


「エンシェントグレイブ・・・」


これだ。

このゲームではエンシェントカードがあり、ゲーム開始時にプレイヤーの場に置く。エンシェント次第で初期の手札の枚数やライフが変わる。ほかにもグレイブモンスター、Gフィールドなど次々とアイデアが湧いてきた。


「うん、これならいける」


僕はエクセルでカードを作り始める。

作ったカードをブログやツイッターで公開するつもりだ。


デッキの枚数は30枚から50枚。

大体これくらいでいいだろう。


初期デッキの枚数は30枚。それを2種類だ。


ゲームシステムはモンスターや魔法にはタイムという数値とライフコストがある。

タイムは例えば2ターン目の場合、タイム2以下のモンスターや魔法を使える。ライフコストはカードを使う際に必要なライフ。強力なカードほど、ライフコストが高い。

1ターンにモンスターは1枚召喚できる。魔法カードは1ターンにタイムとライフコストの条件を満たせば、何枚でも使える。


僕はエンシェントグレイブを思いついてから、毎日カード制作に没頭した。

毎日30種類のカードを作っていた。


毎日30種類は正直そこまで楽ではなかったけど、苦ではなかった。



1か月がたった。

エンシェントグレイブで作ったカードは900種類となった。


「1000まで後100枚か・・・」


僕はブログを開くと、コメントが1つ届いていた。

その内容は僕のカードゲームを商品化したいというメールだった。


「まじか!やったー」


僕のゲームが商品化すれば、僕のカードゲームを有名にするのも不可能ではない。

僕は自分が作ったカードゲームが1つでも有名になればいいと思ってたけど、夢の成就はもうすぐだ。


その日からブログによくコメントが来るようになった。

応援メッセージもあれば、時には批判コメントもあるけど、そういったメッセージをみているとモチベーションが上がってくる。


僕のエンシェントグレイブが店舗にパックとして販売されるようになった。

第1弾のパックはナチュラルビーストとアドバンスドラゴンのカードが収録されてるパックだ。僕が最初に作ったカードだ。


しかし、カードが商品化されたからといって、売れるとは限らない。だからこそ宣伝してくことが大切だ。


ツイッターや僕のブログ、そしてyoutubeや公式サイト。様々な手段で僕のカードゲームを宣伝していく。それだけでない。オンラインゲームでエンシェントグレイブをプレイできるようにした。


そして月日は流れ・・・。


僕のカードゲームはアニメ化されるようになった。





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