第2話 覚悟

カードゲームか。


自室のカードボックスを開くと無造作にあるカードが何枚もある。

ざっと3000枚はあるだろう。


「売るのももったいないしな」


小学校1年から集めてきたカード。全部売ればいくらになるだろうか。

ざっと40000万くらいか。


僕はカードの売値は知らない。


「自作カードゲーム」

僕はそうつぶやくと、今日も自作カードゲーム用のノートを開く。


「僕はカードを作ることは素人だ。だれかネットで作っている人はいないかな」


僕はyahooで自作カードゲームを入力し、検索する。


「自作カードゲーム研究」

このタイトルが表示され、気に入ったので、クリックしてみた。


そのサイトには今までいろんな人が考えた自作カードゲームが紹介されていた。


「すごい、世の中にはこんなにもカードゲームを作る人がいたとは」


トランプで遊べる簡単なものや、tcg、ボードゲームなどのジャンルがある。


簡単なものもあれば、システムが良くできているものもある。


自作tcgの中で面白かったのは、デッキの枚数が極端に少ないゲームだ。


従来のtcgの山札の枚数は40~60枚だが、ものによっては10枚くらいなものもある。


世間は広い。


「僕が知っていたカードゲームの世界って狭かったんだな」


カードゲームはプレイするだけじゃないんだ。つくることだって楽しみの1つじゃないか。


「誠、そろそろ降りてきなさい。夕食の時間よ」

「はいはい、今行く」


母さんの声だ。

パソコンはそのままにして、階段から駆け下り、リビングに行く。


「そろそろどこの高校行くか決めたの」

「ああ、僕は御蔵高校に行くよ」

「ええ!?」


驚かれても無理はない。

そこの偏差値は高く、倍率も高い。

今の僕の偏差値では、後少し足りない。

だけど、そこじゃなければだめなんだ。

御蔵高校は唯一カードゲームの部活がある場所で、カードを作る人も募集してるんだ。


「あんた急にどうしたの。なんで水戸高校を受けず、別のところ行くの」


母さんに訳を説明した方がいいだろうか。ただ、カード研究部に入りたいだけの理由で別の高校をうけることに賛同してくれるだろうか。


「歯車か夢か」

「どうしたの誠」


「ねえ、母さん。僕は社会の歯車になって、ただ決められたことをこなすだけの人生がだめだと思っているわけじゃないんだ。社会はそう言った人がいるからこそ、成り立つと思うんだ。だけど、僕はこのままじゃダメなんだ。やってみたいんだ。自分のやりたいことを。そのためにここに行きたいんだ!」


「そう・・・」


母さんは黙ってうなずく。


「なら時間が許される限り、頑張ってみなさい。何をやりたいかは分からないけど、悔いが残らないようにね」


「母さん!」


夕食を終え、自室で勉強を始めた。

勉強とカードづくりを両立する。

カードづくりは来るべき時に備えて作っておきたい


「勉強か。後どこを補強すべきか。基礎を固めるか、それとも応用問題をするか」


後時間は半年しかない。

僕は数学、英語、理科は得意だが、国語と社会は苦手だ。


ものごとは何かしらの意味があって頭に入るものだと思う。


僕は社会の背景を覚えるのが苦手で、社会の勉強がただの暗記になってしまう。

国語はただ本を読むと頭痛がする。それだけだ。漢字はともかく文章問題がつらい。


「とにかく勉強するしかないな。なーに、落ちる気はさらさらないからね」


勉強を終わったころには夜の11時になった。

勉強で張り切ってたため、時間が経つのを忘れてた。


「睡眠時間を考えると、後1時間、カードゲームを考える時間があるな・・・」


ノートを開き、また考える。

まずはフィールドからだ。


フィールドはネットで自作カードゲームを見てて、重要だと思った。


「まずはモンスターと魔法カードの2種類のものを作ろうと思ったけど、全然わからんな・・・モンスターだけにした方がいいのかな?」


自分が考えるものが全てネットなどで公開されてるものばかりだ。


自作カードゲームって難しいな・・・








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る