第3話 初めての自作カードゲーム
僕は毎日勉強を続けながら、カードゲームのアイデアを練っていた。
2つアイデアとして思いついたものはあったが、どれもうまくまとまらなかった。
「なかなか難しいな。だけど面白い」
面白い。やってて思うのが、この感情だ。
アイデアが出るたび、このゲームが完成したらどんなゲームになるかが楽しみで、うまくいかなくても続けられる。
夜の11時から12時まではカード作成の時間だ。
「さて、どう調整しようか・・・」
なかなかうまくいかない。
ゲームの面白い要素をなかなか表現できない。
「ちょっと自作カードゲームの作り方について検索してみるか」
僕はパソコンを起動し、ネットで検索する
「なるほど、いろんな人がそれについて載せてるな」
僕は画面を眺める
自作カードゲームを作るなら、まずは簡単なものからつくろう。
例えば、トランプのオリジナルカードゲームを作るのも悪くない
「トランプか。やってみるか」
僕はタンスのトランプを取り出し、とりあえず机に並べてみる。
「トランプでカードゲームっていってもなあ」
ちょっと待てよ。1ついいのが思いついたかも
トランプにはハート、クラブ、スペード、クローバーがある
ハートはクラブに強い
クラブはスペードに強い
スペードはクローバーに強い
クローバーはハートに強い
このマークの強弱の関係と数字の強弱。
数字が大きい方が勝つ。
つまり手札からカードを出していって、強いカードを出した方の勝ちみたいな。
ゲーム名は・・・[アファニティ]
カードの相性はできた。
しかし、ここからだ・・・。
「くっそーこれをどうゲームにすればいいんだ!?」
カードの強弱は出来ても、どういう風にゲームとして成り立たせればいいんだ・・・。
「しかたない、今日は寝よう・・・明日考えるか」
僕は眠りについた。
そして夢を見た。
その夢は今日考えたカードゲームで誰かと遊んでいるビジョンを。
手札が5枚・・・。
次々とカードを出している・・・。
これは本当に夢なのか。
そして目が覚めた。
現実から帰還し、さっきのビジョンが夢だと自覚する。
顔を洗い、朝食を食べ学校に向かう。
「朝か。今日はちょっと眠いな・・・」
「おいおい誠。今日は寝不足か?」
話しかけてきたのは、僕の友達の八木京だ。
中学2年の時、カードで知り合った。
「まあな、夜は頭をめっちゃ使っているからな」
「デッキでも作ってるのか?お前もうカード辞めたんだろ」
「一応・・・そうだな」
自作カードゲームを作ってるって言ったら、なんか笑われそうでいう気にならないな・・・。
本田誠と八木京は学校へと向かう。
僕はずっと昨日ひらめいたトランプのカードゲームのアイデアを考えてた。そのため授業で当てられたとき、上の空になってたこともあった。
「ようやく帰れるな」
僕は支度をして教室から出ようとしたときだった。
「あの、本田くん。ちょっといいかな?」
「き、君は・・・」
僕に声を掛けようといたのは、同じクラスの女子西沢咲だ。
「どうしたの西沢さん。僕に何か用?」
西沢さんってどちらかというと控えめな性格で女子にもあまり話しかけようとはしないのに、どうして僕に?
「あの、あたしが作ったカードゲームをやりませんか?本田君ってカードやってたみたいだから、ちょうどいいかなって思って・・・」
まじか・・・。
この人もカードゲーム考えてたのか・・・。
とりあえず、まずはどんなゲームなのか見てみないとな。
「私のこのゲームって[ダンジョンフレンドモンスターズ]っていうんだ」
tcgでなくボードゲーム風のやつか。
見たところ使うカードは100枚近くある。
サイコロやダメ―ジカウンターを並べてるところから、かなり手が込んでいるものだと分かる。
「じゃあ、説明しながらプレイしよっか」
「そ、そうだね」
なんか、緊張するな・・・。
フィールドはダンジョンのフロアが10か所。
さいころは1ターンに1度振って、コマを進めて、止まったマスのフロアカードを入手する。
「ダンジョンで拾ったカードは売ってアイテムにしたり、モンスターに対して使えるんだよ」
「ダンジョンゲーだけあって、ダンジョン内を冒険するんだね」
ダンジョンのフロアは5層。ダンジョンは10か所。
どれか1つのダンジョンを制覇すればクリアというわけか。
「お、モンスターとの戦闘か」
「戦闘はね、戦闘時にコマンドデッキから5枚ドローして、カードを使って戦うんだ。例えば剣+1なら相手に1ダメージ、魔法カードならMPを使って使えるんだ」
「とりあえず、剣+2で一撃で倒したぞ」
「そうしたらね、20面さいころを振って、フレンドチャンスを行うんだよ」
「西沢さん、フレンドチャンスって何?」
「本田君がさいころを振って、出た目がモンスターのフレンド値より高ければ仲間にできるんだよ」
僕はサイコロを振る。
ミニラビットというモンスターのフレンド値は5だから6以上が出たら、このモンスターは僕の仲間になるということか。
「やったね。6だよ。これでミニラビットは君の仲間だね」
「まあ、あんまりつよそうじゃないけどね・・・」
僕たちはゲームをつづけた。
西沢さんと会話をしながらゲームをしてると、とても楽しかった。
いや、それ以上にこのゲームの完成度が高かったからだとも言える。
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