第6話 カードゲームプランニング

「というわけで、早速カードゲーム作りをやっていきたいというわけだが、さて、何からやろうか雄二くん」


「部長!それは部長の役割でしょう。言い出しっぺなんだから頼みますよ!」


「ははは、冗談だ」


雄二先輩と歩先輩のやりとりに苦笑いしてしまう。

それは置いといて、3人でカードゲームを考えるということだが、歩先輩の言う通り僕も何を決めればいいかわからない。


作りたいゲームの世界観は3人とも全く別だ。お互いに自分のやりたいことだけをやれば、ゲームとしては成り立たない。


「そうだな。僕は思うんだ。結局どんなゲームを作れるかは誠くん次第だと思うんだ」


「僕ですか!?」


「うん、まずは自力でカードゲームを完成させる感覚を覚えてほしいんだ。カードゲームを作るのは、経験と知識が問われるんだ。僕たちはサポートとしてやらせてもらうよ」


「分かりました」


結局は自分でカードゲームを完成させたかったんだ。やるぞ、僕。


「まずはカードの種類を決めようか」


歩さんは僕に話を振る


「僕はまずは作りやすさを重視に魔法カードとユニットカードの2枚で戦うゲームにしてみたいです」


「なるほどね。雄二君、ボードとノート持ってきて。後、パソコンも」


「了解っす」


雄二さんは一式の道具を順に僕らのところに運んできた。


部長の歩さんは席から立ち、ボードのペンを手に取る。


「魔法とモンスターで戦うゲーム。それはいいね。次はどうやってそのゲームの決着をつけるかだ!大半の場合はライフ制だけどね」


「僕はライフ制でいいです」


ライフ制、モンスターと魔法カード。これはよくある設定だ。

問題はこれをどうやってオリジナルにするかだ。


おそらくカードゲームをやったことある人間なら、この発想に至ることは不可能ではないだろう。


だが


「問題はここからだよ、誠君。ここからどうやってゲームを作るかだ。そうだな。次はモンスターゾーンを決めようか」


モンスターゾーンか・・・。

モンスターゾーンを定めるということは、例えば3マスしかない場合、基本的に最大でも3回の攻撃しかできないということだ。


モンスターゾーンを定めないのも手か・・・。

でもモンスターゾーンがなければ、モンスターの召喚条件に大きな制限がかかる・・・。


ふと思った。前に先輩たちがプレイしてた技、魔術、必殺技、あのコマンド要素を少し取り入れるのはいいかもしれない。


ならモンスターゾーンはどうする。

僕は今はモンスターの難しい召喚条件を考えるのは、経験的に無理だ・・・。なら自由にモンスターを出せるようにしたい。


「歩さん、もしモンスターの召喚条件に制限がない場合、モンスターゾーンは何枚にすればいいですか?」


歩さんは腕を組んで考え込む。

雄二先輩も考え込む。


「僕は3か4だと思うよ、ただ召喚条件がない場合、強いカードもいくらでも出せることになる」


「なら、モンスターにレベルを設けて、一定のレベルにならないと攻撃できないのはどうですか?」


あれ。なんか今、ふと思いついた。

レベルシステム。

これは面白いかもしれない。

とっさに出たアイデアだが、これで作れるかもしれない。


「レベルでカードを使えるなら、モンスターごとにレベルを定めるか」


僕はここで思ったことを口にした


「レベルにするのはモンスター自身でなく、モンスターの特技にレベルを設けるのがいいと思うのです」


「どういうことだい?」


「つまりですね。強力なモンスターは一定のレベルにならないと攻撃ができず、ただの壁しかならない。」


雄二さんが話に入る。


「ならライフ制はモンスターだけにして、勝利条件は得点制にするのはどうだい?例えばモンスターごとに得点を設けて、強いモンスターほど高い。弱いモンスターなら得点が低いみたいな感じで。こうなると問題となるのはどんな特技を使えるかだ」


そうだ。このゲームでの攻撃手段はカードによる1回のパワーによる攻撃じゃなくて、特技でダメージを与えるゲーム。ならば、モンスターの特技はモンスターのHPに対してダメージを与える。HPが0になったとき、そのモンスターは得点となる。

得点が高い方が勝ちではなくて、一定の得点を超えたら負けでゲームの筋は通る。


僕の考えを2人に述べる。


考える問題はまだまだあるが、一歩前進ということだ


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