第10話 完成

日曜日。

休日でも僕は家にこもる。


何回も自分でテストプレイしてみて思う。

特技には前列で効果があるものや、後列からしか使えないものもある。

そのシステムはいい。


ただランクごとにレベルを決めるよりも、例えばBランクでもレベル5の特技とレベル3の特技の両方を使えると面白い。

そこは改善点だ。


「何かが足りない・・・」


僕は考え込む。じっくりと。


「ヒーローロボ・・・」


視線に昔テレビでやってた戦隊ものの人形がはいった。


「ヒーローか。かっこいいよな。特に1つ1つのマシンが最後に合体するところとかさ」


・・・ちょっと待て。


合体・・・。2体を1体のモンスターにする。


「・・・これだ!」


僕は合体モンスターについて考え始めた。

合体モンスター。2体のモンスターを1体とし、2体のモンスターの特技を受け継ぐ。何レベルが合体できるようにするか・・・。1レベルでは早すぎる・・・。

なら2レベルからだな。


僕のゲームに足りなかった要素。それは展開力。カードゲームって選択肢の多さが重要な気がする。


合体モンスターを召喚する条件とすれば・・・。

まずはモンスターを2体そろえること。

2体のモンスターをレベル2にすること。

2体のモンスターが1体のモンスターとなる。


合体モンスターにランクをつけるとする。


「合体モンスターの強弱でどんな感じで召喚条件を設定するかだな」


ランクCの合体モンスターなら2体のモンスターのうち1体がCランクであればいい。

これでいいか。


僕自身がだんだんカード脳になりつつある気がする。

といってもプレイする側ではなく作る側だけど・・・。


「さて、作ったらまたテストプレイしてみよう。ああ、ゲームがしっかりできてないと作り直しだから、インク代、紙代とSAN値が減る・・・」


合体モンスターもFからAランクの6枚。サイドカードとして合体モンスターを使うことにした。サイドカードはサイドゾーンから条件を満たせば出せるカードのことだ。


「よし、できた」


僕はカードを作り終え、合体モンスターが入ったデッキでテストプレイする。


モンスターが両方とも4体そろう。

問題は2ターン目からだ。

これで最高でも合体モンスターを2体まで出せる。


「僕はこの2体のモンスターで合体召喚をする!」


という感じで合体モンスターを出すと・・・。

HPは高めに設定して、使用できる特技のレベルは高めにしておいた。


「これなら手札のモンスターが廃らずにすみそうだ」


2体合体モンスターが出れば、残るモンスターゾーンは2か所。2ターン目で新しくモンスターを2体出せば、3ターン目で3体目の合体モンスターを召喚できる。


召喚した合体モンスターはレベル1となる、こうすれば、合体モンスターを召喚すれば圧倒的有利とはならない。合体をしないモンスターは合体したモンスターよりもレベルが高くなる。


モンスターをそろえて合体で場を整えて、レベルを上げて、タイミングを計ってレベルを上げる。そして相手のモンスターを全滅させる。


僕はテストプレイを始める。

一環の流れはモンスター召喚。

合体、特技の仕様。時折魔法カードを発動。


「先攻は攻撃なしで、後攻はあまり打点はないけど攻撃が出来る、と」


攻撃するタイミングだ。相手にダメージを分散させてレベルが上がってきたところで、一気に肩をつけた方が賢いかも。ダメージカウンターとなるおはじきを1人で置くのはちょっと面倒・・・。


プレイして思うのは、いくら頭の中で完璧に作ったとしても、実際にプレイしてみないと分からない。1人でプレイする際は、経験者同士の対戦になるのと、お互いに手札を知った状態でプレイするから、ゲームのCPUみたいな立ち回りが望まれる。まあ、僕ならできなくはないが。


そしてまだ大切なことがある。

それはどれくらいの時間でゲームを終えられるかだ。

一回で1時間かかるゲームならプレイヤーの集中力が続かない。

だからといって短すぎてもいけない。


勉強で集中力が続く時間は30分ぐらいだ。

15分から30分前後で終わるゲームがいいと思う。


「ううむ・・・これはああしたほうがいいか・・・それとこれも変えた方がいいか・・・ルールも改良するところあるかな・・・」


気が付いたら、すでに日も落ちていた。

僕は明日の宿題を夜飯後、始めた。


偏差値が高い高校だけあって、勉強も力を入れないといけない。


「よし、こんなところか」


勉強を終えると、背伸びして、ベットに横になる。


「もう寝るか・・・」






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