百鬼夜行路、無理心中 by 朝研 様
この作品はどこで見つけたのだったか…。
確かどなたかのレビュー文を見て、「妖怪の話だ!」と読みに行ったのが最初だったはず…。
当時は連載中で最終話の更新がなかなかされず、「え、まさかエタってしまうの…?(;´・ω・)ソンナァ」と心配してたんですが、無事に完結されたようなので満を持して感想を書かせて頂きます!
皆さま、妖怪のお話は好きでしょうか?
私は大好きです。笑
神秘的なイケメンが出てきて主人公とわやわや、という物よりかは、どちらかというと古来から語られるようなちょっと不気味なテイストの方の妖怪話を好みます。
私もそういうの好き!って方。
おすすめですよ。笑
数多の妖怪達は月夜に浮かんだ入道雲に乗っかって、江戸から始まり東海道を通って京の都まで、百鬼夜行をしていきます。
江戸を出発した月夜の晩、妖怪の総大将ぬらりひょんはある話を口にします。
「知ってるか?満月の夜に心中したやつは来世で結ばれるのよ。」
それを聞いた付喪神やら野狐やら百目鬼は、何やらそわそわと落ち着かず、思い悩んでいる様子…。
はたして彼らの恋路は成就するのだろうか?
以上があらすじとなります。
一話毎がそれぞれの妖怪の恋路のお話になっている短編集ではあるのですが、微妙に他のお話とも関連していたりもします。
ちょっと不気味で粋を感じる文章で、読み始めはその雰囲気を楽しんでのんびり読み進めていました。
が、だんだんと雲行きが怪しくなって、気付いたらのめり込んでいましたね。
特に私は野狐の話が好きでした。もう、野狐の紺が可愛いのです。
鬼火も出せない力の弱い妖怪なのですが、彼女の不器用で抜けてる可愛さがいかんなく発揮されていて、相手役の鈴と同じタイミングで笑ったり、これはいじめてしまいたくなるよなぁと邪な事を考えてしまいました。笑
そして鈴の描写も好きですね。只者ではなさそうな雰囲気がむんむんしていて立ち回りに余裕が見えるのに、紺に毒気を抜けさせられている雰囲気が見えて好ましい。
そして話の最後まで読んで、なるほど…と頷いてしまう。
この二人だからこそ、一番心が揺さぶられたお話です。
実は、普段はあまり短編集は読みません。
お話が短いと、共感する間もなく終わってしまうのが味気ないからです。
でもこのお話は、さくさくとストーリーが進んでいくにも関わらず、ちゃんと各話に出てくるキャラクター達の立場になって想いを共有する事が出来ました。
切なかったり、ほっこりしたり。妖怪達の恋愛譚であるが故の苦悩や障害が描かれていて、とても興味深く面白い読み物でした。
ある者は共生し、ある者は傷つけあい、何気なく人間達の暮らしに入り込んでいる姿が良いなぁと思いました。
最後のぬらりひょんの台詞が、なんだか妖怪達の事を言っているようにも思えて良かったです。
ちょっと不気味な妖怪達の恋愛譚、興味ありませんか?
是非、ご覧ください~(´ω`)
【百鬼夜行路、無理心中】へのリンク
魔法の本棚 ぽち @po-chi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。魔法の本棚の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます