概要
薬草師と結界師が織りなす、まったり日常感多々の異世界ファンタジー譚
羨ましかったんだ。
灯ってさえいれば、凛々しくなるはずの目が。
若草と老草色が交互に配色されて大きく波打つ前髪の裏にある、人を呪いそうな目つきの俺にとっては至極。
けれど、ああ、何故、どうしてだ。
どうしておまえは死んだ魚の目をしているんだ!?
羨ましかったんだ。
呼吸、運動、生産、食事、排残。
億劫な必要最低限の生命維持活動をこなしつつ、一つのことを追求し続ける君が。
僕はただ薬草を護る結界縄の生産しかできないのに。
けれど、まあ。
それ以外したいとも思わないから、君の薬草への熱量が羨ましくもあり、すごく鬱陶しい時もあるんだけどね。
薬草師、浅葱(あさぎ)と結界師、史月(しづき)の永い刻をかけて、想いを紡いでいく物語のは