紅鷹の伝記 by 二条千河 様

「ドラマのある現代、異世界ファンタジーの作品」という自主企画に参加して下さった作品です。


現代、異世界ファンタジーのジャンルで立てた企画ですが、こちらの作品はどちらかというと大河ドラマを見ているような感覚で読んでいました。


あらすじとしては、四方を山で囲われた山峡国の姫様とその従者を中心に、3人称視点で話が進んでいきます。


小国の山峡国の隣には、大国の美浜国があり表面上だけの和平が執られています。


山峡国の平和が確約されないまま、山峡国の国王が病で伏せり、次の国王を誰にするかで国内で不穏な動きが暗躍し始めます。


山峡国国王の正室の娘のマツバ姫、側室の息子のシュトクとハル。

さぁ、世継ぎは誰になるかと騒がれる頃、マツバ姫は自分の従者であるアモイを呼び出します。

そして突然、「自分の婿となれ」と言い出すのです。

世継ぎの候補者にマツバ姫の婿養子まで加わり、果たして誰が次の山峡国の国王となるのか、というのがストーリーです。


小さな山峡国の中だけのお話ですが、とても濃密なお話だったなぁというのが率直な感想です。

最初と最後はナレーションが伝記を話すような語り口なんですが、

ん?本当にそういう伝承あるのかな?って検索かけてしまいました。笑

(ないですよね?)


文体はちょっと硬めですし情報量も多いので、がっつり読むぞ!って気分の時に読まないと、なかなか大変ではあるかと思います。

私はちょうど同じタイミングで大河ドラマを見てたので、登場人物達の硬い口調もそこまで苦には感じませんでしたが。


ストーリーもとても楽しく読ませて頂いたのですが、中でも一番印象的だったシーンは、マツバ姫の継母であるテイネの御方が登場するシーンです。


元々、描写の丁寧なこの作品では、双方に腹の中で何やら画策し合っている女同士の表面上の当たり障りないやり取り、ふいに投げられる相手の腹を探ろうとする言葉や視線が、妙に生々しく緊迫感が溢れていてとても好きなシーンでした。

その横で控えるアモイは、そんな2人の女性の板挟みになっているようで、

私も同じような居心地の悪さを感じていました。笑


テイネの御方はさらりと情報が書かれているだけですが、陰湿で不気味で妖艶さを感じる女性です。

実生活では、一番関わり合いになりたくない感じの女性ですね。笑

そこまで印象的だったので、私はとても良い悪役だったと思います。


主人公のアモイは男勝りな女主人であるマツバ姫をとても敬愛しています。

だからこそ、彼はとても動揺していました。

主人はどういうつもりで自分を?

夫婦とは、どこまでの意味を言っているのか?


あらすじを見て、私はついホイホイされてしまいました。笑

中身を見てみれば、

お!(`・∀・´) …あぁ〜(´・∀・`)

おぉ!?(`・∀・´) …あちゃ〜(ノД`)

とアモイと一緒に姫に振り回されておりました。笑


ちなみにこちらの作品は連載中で第一部のみ完結、第二部は今年から連載されるそうです!

2020/05 追記

現在は完結しています。読後感の余韻も素晴らしいので、是非最後まで追ってみて下さい!


濃い物語が読みたい!という方に、おすすめです!

ぜひ、ご覧下さい!!


【紅鷹の伝記】へのリンク

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885306817

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