赤髪の少年は空に笑う by りゝ 様
こちらは大分前に読んだ事のある作品で、気になりつつも作者様とコンタクトが取れなかったので寝かせてしまっていた作品です。
作者様はあまりカクヨムにログインされない方のようで、最近になって許可を頂けましたのでご紹介いたします!
あらすじは男子中学生2人を中心にしたお話です。
主人公である
理由を聞けば、夏休み明けの展覧会に出す絵を描く事を渋っているようだった。
梓は絵を描く才能を持った天才少年。でも何故か、彼は人物画を描くのが嫌いだったのです。
そして絵哉は、その絵のモデルになる事になるのですが…。
こちら、縦読み推奨作品です。
恐らく紙の本を想定して書かれた物ではないかと思います。
描写が実に細かいです。
あまりに描写が詰め込まれてるとうんざりしてしまう事もあるのですが、この作品は全然苦痛に感じませんでした。
恐らく描写が単純明解だからかと思われます。すんなりと受け入れられるような情景を書かれるのです。
「錆びた鈴が転がるような蝉の鳴き声」
「青空がぶわりと広がって、俺の上に覆い被さる」
「眼球を抉るような日の光に目を細める」
染み入るような描写を書く方だなぁ、と要所要所で感動しながら読んでいました。
風景を一つ一つ、鮮やかな絵の具で色付けられていくように感じました。
また、主人公の視線の動きに合わせて描写されるからか、流れもスムーズで凄くイメージしやすかったです。
恐らく作者様は、実際に絵を描かれた事がある方なのではないかと思います。
それもデジタルではなく、アナログの方。
梓が絵を仕上げていく過程も書かれるのですが、空のグラデーションはどう塗ればいいのか、明るい色を影色にしていくのだとか、実際に絵を描いている方だからこそ見える視点なのかなと思いました。
青を青と見ないところとか。
今まで読んだ絵描きのお話の中で、この作品が1番鮮やかに感じるお話でした。
恐らくこちらの作品は、web小説向けな物ではないと思います。
でも今回の紹介の為にも再読してみたのですが、やはり何か心に染み入る作品だなぁと思いました。
何というか、この作品を読んでいると、中学生の頃の気持ちを思い出すんですよね。
中学生の頃って、どうしてこうも立ち行かなくなってしまうんだろうな、と思います。
自分の気持ちを分かって欲しい、分かってくれないって怒るのに、いつも孤独に感じて寂しかったような気がします。
それがこの作品の細かい描写の中で、ウジウジ、モヤモヤ、イライラする感じにとても合っていると思いました。
クライマックスは何だか不思議な感じがします。
悲しいけど、美しい。
色々な色の混じった印象深い作品でした。
少年達の目から見える、美しい世界を覗いてみませんか?
是非、ご覧下さい!
【赤髪の少年は空に笑う】へのリンク
※現在は非公開となっています。
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