概要
月面での最初の死因は、食中毒。
手放した月への切符。それを手にした先輩は月面で死亡した。
死因は食中毒だった。
『私』は娘をあやしながらそれを知った。
Twitterでのワンライ企画(#文字書き版深夜の真剣文字書き60分一本勝負)より、連作に挑戦中。
死因は食中毒だった。
『私』は娘をあやしながらそれを知った。
Twitterでのワンライ企画(#文字書き版深夜の真剣文字書き60分一本勝負)より、連作に挑戦中。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!テーマに最初から最後まで忠実な、芯の通った一作
世界観こそちょっと先に辿り着きそうな未来でありながら、その生活感は現代に通じるものがあるものでした。
地下都市という清潔さの保たれた空間において、多少価値観の変動はあれど、やはり人の認識はなかなか変わらないもの……。
そういった生々しい人間模様はありつつ、随所に救いが用意されていて、葛藤や山などを乗り越える上でも節々でホッとできて読みやすかったです。
特に実家でのやりとりのラストはスカッとできました。主人公にとって一番頼りになって欲しい存在が本当に寄り添える間柄なのが素晴らしい……。
たくさんの山場を越えた先のラストを読んだ時は、図らずも近所でその成長を見守ってきたおじさんのような心境に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!長い地下鉄のエスカレータ上で思い出すような、「今」と地続きのSF。
SFについて「リアルさ」を問う時、通常最初に考えるのは科学的考証でしょうか。ですがこの作品の「リアル」は似ているようで少し違う。もし「今、この時代、ここに」地下都市と月面基地があったなら。それを想像させるような空気が魅力の作品です。
その「リアル」を構築しているのは、とても細やかで、失礼な言い方をすれば「地味」な描写の積み重ねです。主人公の「母親」としての小さな悩みや、小さく擦れあう完璧でない人間関係、益体も無い噂や風評。私たちの「日常」に聞こえてくる細かなノイズが丁寧に拾われています。
そして、現実には存在しない「月面基地」や「地下都市」という巨大な構造体。これは大きな「フィクショ…続きを読む