あとがき

最後に

 読者の皆様方、最後まで読んでいただきありがとうございます。この文をもってアニゴジエッセイは完結となります。

 どうぞ最後までお楽しみにしていただければ幸いです。




《あとがき的な物》




 さて、アニゴジはこれまでのゴジラとは全くかけ離れたストーリーになっている。


 テーマこそ幾ばくか従来の要素を含んでいるのは、エッセイをご覧になったら分かるはずだ。そのかけ離れているというのはビジュアル的な所である。


 植物で構成され、300メートルも巨大化した山の如きゴジラ。怪獣型から要塞都市の姿に変化したメカゴジラ、そして外なる神としか言いようがないギドラ。

 明確な怪獣バトルがほぼ存在しない代わりに、メカゴジラのような怪獣の再解釈、怪獣を交えたドラマや哲学が用意されていた。これらは従来のゴジラにはなかった物であり、どちらかと言えばガンダムとかのロボットアニメ的な物を感じる。


 これは従来のゴジラから新しく変えようという制作者の狙いもあった事だろう。怪獣バトルや怪獣との攻防はとっくにシンゴジやレジェゴジでやっている。アニメ版だからこそ、それらの二番煎じにならないよう一線を画した作風にしたのかもしれない。


 この作品はガンダムで言うGガンダム、仮面ライダーで言う龍騎だ。それまでのゴジラの設定を一から解体し、そして新たな作風を取り入れる。かの有名なシンゴジでも同様の事を行っていたが(蒲田くんとか)、アニゴジの再構成はそれ以上かもしれない。


 それゆえにというか、そういった新機軸を好まないゴジラ&特撮ファンも多い。色々とあるだろうが、やはり意図的に『ファンサービス』を避けている作風をしているからか。

 言わばアニゴジは、『異世界転生もの』で溢れたWEB小説界隈にある『非転生作品』だ。この場合『異世界転生もの』は上記のファンサービスに例える事が出来る。皆、異世界転生(ファンサービス)が好きだから、それがないとそっぽを向く。


 現に今放送しているファンサービス満載な某円谷ヒーロー作品の方が素晴らしいという人もいる。もちろん筆者もそっちの作品も好きだから、あっちの方が面白いとかこっちがつまらないとかそんな事を言うつもりはない(余談ながら両作品のクロスオーバーを考えているほどだ)。

 そもそもアニゴジは先述の通り新機軸な作風で、あちらは従来の特撮の再現と、コンセプトからして別物である。比べて優劣付けるのはお門違いという物だ。


 ファンサービスがないからアニゴジは駄目とか聞いた事がある。あまり言いたくはないが、これは「ファンに媚びた作風にしないと駄目だ」と言っているようで複雑な気分をさせる。ファンに対して媚びないと何故駄目なのか。


 ゴジラファンとして、筆者はこういった新しい作風を入れるのは大歓迎だ。これによりゴジラに新たな可能性が生まれ、より自由な発想が出来るようになったはずだ。

 上記でアニゴジを非転生作品に例えたが、その作品は名作で、WEB小説界隈になくてはならない存在。このアニゴジも長く続くゴジラシリーズの中でなくてはならない作品だ。


 だからアニゴジファンはもっと誇らしげに思ってもいい。こんな素晴らしい作品に出会えたと。

 それを否定したり馬鹿にする人がネットとかで出てくるだろうが、そもそも全く仲良しじゃない赤の他人なんだから耳を貸す必要もない。アンチやアニゴジが嫌いな人とは住み分け……というよりは隔離はした方が賢明だ。価値観の違う人と話しても解決しないのは、メカゴジラの件で揉めたハルオとガルグ達で明白なのだから。


 ……だいぶ話が長くなってしまったが、このアニゴジはゴジラシリーズの中で刻まれる事だろう。

 この後のゴジラがどうなるのかを思いにふけつつ、このアニゴジエッセイは終わりとさせていただく。読者の皆様方、ありがとうございました!

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