これまでのまとめ

『決戦機動増殖都市』でも異色の要素があったものの、今回はそれ以上に異色だ。


『怪獣惑星』がゴジラとの攻防という従来のゴジラ映画要素を含んでおり、『決戦機動増殖都市』はそれらに加えて怪獣の概念について語り出していた。そして『星を喰う者』では怪獣を交えた哲学が表現されている。


 怪獣と人間の因果関係、怪獣という宇宙の終焉、そしてその終焉の中で答えを見つけるハルオ達。単に怪獣が現れたから倒そうではなく、『怪獣という終焉の前で、人々はどう生きていくのか』というのが『星を喰う者』(ひいてはアニゴジ全体)のテーマだったのだろう。


 そう考えると宇宙熱的死の申し子であるギドラは、このアニゴジのラスボスにピッタリと言える。そして劇中でメトフィエスの言っていた「文明の果てにゴジラとギドラが現れる」というのはまさしく文明批判をテーマにしていた従来のゴジラを彷彿とさせる。ハルオの最後の決断も、かつてゴジラを殺した芹沢博士と似ている所もあるといえよう。


 ハルオという人間のドラマ。ゴジラとは? 怪獣とは? という問題提起。それを我々に投げかける壮大なハードSFストーリー。まさしくアニゴジ最後の作品として相応しいに違いない。


 さて、アニゴジエッセイはこの後のページで完結する事にする。

 ここから主観を交えた感想があって割と尖っているかもしれない。ご覧になる際はその辺もご注意していただきたい。

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