③登場怪獣『ゴジラ・アース』

《悠久の時を過ごした神》

 

 突如として地から這い上がる山の如き姿。その大きさは何と約300メートル……300メートル!


 それは山のように巨大化したゴジラだったのである。実は先ほどハルオが倒した個体は細胞分裂によって生まれたクローンで『ゴジラ・フィリウス』と呼ぶという。

 そして山のようなゴジラこそが、かつて人類を破滅に追いやった後、二万年に及ぶ年月を掛けて巨大化したオリジナルだったのだ。


 そのオリジナルの名は『ゴジラ・アース』。前ページに書いたように、ゴジラは同質の植物を使って地球と一体化している。まさに地球その物になったこのゴジラに相応しい物だ。また上記のフィリウスがキリスト教で『神の子』と意味しているので、つまりはそういう事なんだと思う。


 このゴジラアースの身長である300メートル(諸説あり。ジャストの時もあれば、300以上とされる場合もある)は、歴代ゴジラ最大である。読者の記憶に新しいだろうシンゴジラが118.5メートルなので、それの約三倍……何それ怖い。


 ゲームが好きな読者諸君ならばモンハンワールドをやっている事だろう。それに出てきたゾラ・マグダラオスという古龍種は約257メートル……つまりあれよりデカイという訳だ。いやはや恐ろしい……。


 さてここまで大きくなった理由は、徐々に大きくなる植物の性質をゴジラが持っているからである。ではメタ的になぜ大きくしたのか。


 それはゴジラに山を投影させているのではと言われている。


 山は植物の宝庫であり、大自然の象徴。はるか昔から、人々は山を神として崇めていた。

 大自然の象徴である山。それをゴジラに照らし合わせ、あれほどの巨体を与えた。よく歴代制作者がゴジラを『神』として神聖視しているが、ゴジラアースの大きさはその神聖視の表れなのだろう。


 かくしてゴジラアースの出現により、ハルオ達は「逃げるんだよォ!」と緊急退避。しかし人類を敵視するゴジラアースがそれを見逃すはずもなく、咆哮によるゴモラばりの超振動波、尻尾からのプラズマエネルギーで一掃。


 ここで『怪獣惑星』は幕を閉じたのだった。

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