これまでのまとめ

 第二作目『決戦機動増殖都市』はかなり冒険をしているとも言ってもいい。


 ゴジラと言えば怪獣バトルがお決まりであり、公開直前は「ゴジラと(怪獣の姿としての)メカゴジラが戦うのだろう」と思っていた視聴者も多かった(まぁ予告編とかの影響もあったけど)。そうして実際公開してみると、何とメカゴジラが要塞都市になっていたという訳だ。


 ただ深く探ってみれば、様々な発見が生まれてきたのだ。


 今までメカゴジラは、ゴジラの形状と戦闘能力を模した似姿としてデザインされていた。『増殖都市』のメカゴジラもゴジラと似てはいるのだが、それよりも「ゴジラと同じ存在になる」という概念にも似た存在意義、そしてナノメタル侵食というアース如き性質が強調されている。

「ゴジラ型メカだから『メカゴジラ』ではなく、その本質や概念がゴジラと同じだから『メカゴジラ』」というのは新鮮だと思った。


 また整理するとメカゴジラは希望でも守護者でも何でもなく、全てを取り込む『悪役』というべき存在なのが分かる。思えば『プロジェクト・メカゴジラ』においてナノメタルを埋め込まれて苦しむ怪獣がいたので、この辺からそういう危険な存在的な要素があったのだろう。


 この機械仕掛けの化け物の為に力を入れ、そして命を賭けた兵士達が何とも憐れである……。ゴジラによって破壊されたのが唯一の救いか……。


 またゴジラシリーズにおいて「本当の怪獣は人間」という台詞があるのだが、今回のビルサルドの件はまさしくその発展系とも言ってもいい。つまり『増殖都市』におけるテーマは、今までのゴジラと何ら大差がない……というかアニメ版らしくリスペクトをしていると筆者は思う。


 賛否両論が飛び交う作品ではあるが、改めて探ると光る部分が存在するのだ。長い事やっているシリーズなので、こういった作品もあってもいいのではないだろうか。




《もうすぐで完結編!》




 さて、このアニゴジシリーズは次回の『星を喰う者』で終わりを迎えようとしている。また重要キーワードであるギドラらしきメインビジュアルも公開されている。


 その姿は「規則的に束ねられた光り輝く三体の龍」といった神々しくも怪しい姿だ。これを見た時、筆者は「えっ? これがアニゴジ版ギドラ?」と呆然とした物である。

 なお『怪獣惑星』の『これまでのまとめ』において、ゴジラは敵への備えとしてフィリウスを増やしているのではという仮説を出した。その説が正しいとなると、ゴジラの仮想敵はこのギドラという事になる。


 あのゴジラアースの最後の敵になるのだから、相応の脅威として描かれるのは間違いないはず。星を喰うなんて書いてある位だから、文字通り星を喰えるくらいの超巨大サイズになっていたり……。


 さらにキャッチコピーの『伏して拝むがいい 黄金の終焉を』という言葉も不穏だ。あのメトフィエスが言うのだから余計にである(あいつ胡散臭いし)。


 そのメトフィエスだが『増殖都市』の中盤、妙なマークが書かれた小さい石板を作っていたのだ。妙なマークとは五芒星の線を増やしたような物で、何らかの宗教的な意味合いがあるのではないかとされる。


 『伏して拝むがいい』とは誰に向けてなのか、この石板の意味とは、果たしてハルオとゴジラはどうなっていくのか。

 全ては『星を喰う者』を見てからのお楽しみという事だろう。




《追記》




 この文を完成した後にポスターが発表されたようである。もちろんその辺についてもご紹介します。


 まずふつくしい! これに尽きる。ゴジラアースとそれを取り囲む光龍と言うべきギドラ。そしてその怪獣バトルの最中に、寝そべっているハルオとそれを支えるメトフィエス(ホモォ)。


 意外なのはギドラが惑星サイズではなく、ゴジラアースよりもとてつもなく長いといった所か(それでもおかしいサイズだけど)。しかしそのギドラに繋がっているように、奥に謎の黒い穴が映っているのがきな臭い。


 最初惑星かなと思っていたら、どうやら三つ首に対応するように三つも存在する。ふと「ギドラはエクシフの母星と同化して、それごと地球にやって来た」と早とちりしたけど、三つもあるのでその線はなさそうだ。

 ギドラは《虚空の神》《高次元怪獣》と評されている。もしやあの黒い穴は別の次元に繋がる物で、ギドラの本体はそこに潜んでいるのかも。それで龍の首はその一部でしかないという恐ろしい説が……。


 まぁともかく中央のホモォなハルオ達と相まって、まるで宗教画を彷彿とさせるのも中々いい。アニゴジ最後の作品として相応しい絵であると感じる。


 こうなるとますます『星を喰う者』への期待が高まってくるではないか。なお見ない事には考察を描けないので、『星の喰う者』(あるいは第三作目の小説版)が出るまでこのエッセイは保留となる。

 

 それまで一応の休止になるのだが、必ず投稿はしたい。では読者の皆様、次は映画館で!

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