②登場怪獣『メカゴジラ』
かつてゴジラが人類文明への蹂躙をしていた時、ビルサルドがすんごいプロジェクトを発足するのだった。
それは巨大怪獣型兵器を造り出し、ゴジラに戦わせようという……ある意味では狂った作戦。それでも人類はこのプロジェクトに賭け、犠牲を払いながらも巨大兵器の完成を間に合わせようとした。
その名こそ『プロジェクト・メカゴジラ』。そう、造っていたのはあの有名なゴジラ型ロボット『メカゴジラ』なのである。
《都市へと生まれ変わった決戦兵器》
富士山麓の地下で完成されたメカゴジラだが、そこで起動が出来ないというアクシデントが発生。直後にゴジラの熱線によって破壊され、『プロジェクト・メカゴジラ』はオジャン。
それから『増殖都市』の中盤、ビルサルドの『ガルグ』と『ベルベ』がある事に気付く。前ページで紹介したフツアが妙な弓矢を使っていたのだ。
その弓矢の矢じりを調べた所、『ナノメタル』を使っているという事が判明。この事実にガルグ達が全裸で阿波踊り……する訳がない。
なお『ナノメタル』とは文字通りナノサイズの金属で、金属粒子一つ一つに人工知能が備わっているという。そしてあのメカゴジラの構成素材でもある。
この事実を知ったガルグ達は、フツアにナノメタルの出所を聞く事に。そうしてハルオ達と共にその場所へと行くと、恐るべき光景が広がっていた。
かつてメカゴジラが破壊された場所に、巨大な都市が広がっていたのだ! さらに中に入ったら失われたはずのメカゴジラの頭部が……。
そう、辛うじて残った頭部からナノメタルが侵食。かつて自身を製造した工場をモデルに巨大都市を造り上げたのだ。
もはやメカゴジラではなく『メカゴジラシティ』というべき存在。ゴジラが自然の象徴である山の如き存在になったのなら、メカゴジラは文明(そして文明を支える機械)の象徴である都市へと生まれ変わったというべきか。
しかもメカゴジラのシステム自体も生きており、ナノメタルの力を使って即席の指令室とかも造ってしまう。これをうまく活用すれば娯楽施設も寝床も何のその、さらにはナノメタル製の美少女だって出来る!
ともあれメカゴジラその物ではないのだが、ナノメタルの力が使えると知った途端、ガルグ達は狂喜乱舞。今にして思えば、彼らにとって重要なのはメカゴジラというより、その素材であるナノメタルだったかもしれない。
何せこれほどの巨大な都市を造り上げ、果ては色んな事が出来る。それは我々でいう神の所業。科学を重視するビルサルドにとってナノメタルは神の物質……簡単に言えば「何でも出来ちゃう便利物質」と思っている事だろう。
これはある意味で宗教を重んじるエクシフと、神の卵を祀っていたフツアとよく似ている。もっともビルサルドはこの二種族を見下していた節もあったのだが。
ただそれとは裏腹にエクシフから「禍々しい物」、フツアから「毒」とナノメタルを危険視されてしまう。ゴジラへの決戦兵器であるメカゴジラが何故そう言われるのか。
それは皮肉にも、ビルサルド自身が明かしてしまうのだった。
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