③登場怪獣『ヴァルチャー』『〇〇〇』

《超音速のリアルロボット》


 


 メカゴジラシティの存在に最高にハイになったガルグ達。そこで彼らは対ゴジラ新兵器を製造……というか改修する事にした。


 ハルオ陣営には『パワードスーツ』という約3メートルのロボットを保有しているが、これを何でも出来るナノメタルの力で強化改造。結果として翼を生やした鳥人のような姿へと変わっていった。


 名称は『ヴァルチャー』。英語でハゲタカを意味しているとか。


 皆大好きリアルロボの登場には筆者も興奮したもんだ。しかも音速ばりに飛行するし、その際に出るSE(サウンドエフェクト)がかっこいいし、デスティニーのように光の翼を出すし……もう最高でヤバい……! 早くプラモデルかロボット魂で欲しい物だ!

 

 なお鳥の名を持つ機体は、これまでのゴジラシリーズにも登場していた。『ゴジラVSメカゴジラ』に登場した巨大戦闘機『ガルーダ』、『ゴジラXメカゴジラ』に出てきた輸送機『しらさぎ』。そのどれもがメカゴジラの随伴機として登場している事から、ヴァルチャーもそれらへのオマージュを込められているのだろう。


『偉人や神とお供する鳥』というのは神話において数多く存在する。神武天皇を導いた三本足のカラス『八咫烏ヤタガラス』、ノアの箱舟においてオリーブの葉を持ってきたハト、オーディンに付き添う二羽のワタリガラス『フギン』と『ムニン』。


 メカゴジラは『機械仕掛けの神』『人造神』とも呼べる存在なのだから、それに随伴する機体に鳥の名前を付けた……そう思うとロマンではないだろうか。




《星を喰う者》


 

 

 ヴァルチャーを作ったのはいいが、本当にゴジラに勝てるのかと不安に陥るハルオイ。


 そこで彼は彼氏……ではなく相談者である『メトフィエス』にその事を打ち明ける。このメトフィエスは前ページで語ったエクシフの神官であり、ハルオの協力者でもある。『怪獣惑星』において対ゴジラ戦術に必要なデータをリークさせたのも彼である。


 メトフィエスは不安になるハルオに対してこう言ってきた。「かつてエクシフの母星を滅ぼした怪獣がいる」「それと比べればゴジラなど恐れるに足りない」と。

 前回でゴジラアースの脅威を見てきたのにこの台詞である。それほどその怪獣は色んな意味でヤバいという事なのか……。


 なおその怪獣はエクシフにとってのタブーで、安易に名前を言ってはいけないとどこぞの闇の魔法使いのような扱いを受けている。しかしハルオには特別だと彼に接近し(腐女子大歓喜……!)、




「『ギドラ』だ」


 


 と口にするのだった。


 ギドラもとい『キングギドラ』はゴジラシリーズの怪獣で、ゴジラ最大のライバルである。龍のような三つ首に巨大な翼、二本の尻尾を持ち、全身を金色の鱗で埋め尽くしている。

 山のように巨大化したゴジラに見習って、こちらもスケールアップされたようだ。一体どういった存在なのか、今段階で知っているのはメトフィエス(とエクシフ)だけとなっている。


 ちなみにネット上において「何で『キング』が抜かれているのか」という声もある。SF寄りのアニメに似つかわしくないというのもあるが、個人的に


『タブーな存在だから付ける訳がない』


 という説を推してみる。

 

 上に描いたように、ギドラはエクシフの母星を滅ぼした怪獣とされている。つまりエクシフにとっては忌むべき存在。

 宗教を重んじる彼らにとって、ギドラは『神』や『キング』ではなく、その対極に位置する『悪魔』……単純に言うと『侵略! ドラゴン怪獣』的な奴なんだろう。そんな存在にキングの名を付けていたらちょっと変かもしれない。


『だったら侵略者だった歴代ギドラに同じ事が言えんじゃないか』という声も出てくるだろう。確かにそうだが、この辺になると後は製作スタッフのみぞ知ると言った所か。


 いずれにしても、その名を聞いたハルオは「何それこわぁ……」とドン引きするのだった。

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