③登場怪獣『黄金の終焉』
ハルオがフツアの姉妹と慰め(物理)をしている間、メトフィエスと信者による儀式が執り行われていた。
目的は神によるゴジラの死。そうしてメトフィエス達の儀式が成功し、信者全員が生贄。同時に移民船『アラトラム号』付近に特異点(ブラックホールの中心)が発生する。
ついにそこから、神がこの世に降臨をしたのだ。
《来たれ金色の王、その名はギドラ!》
さて、お待ちかねのギドラの紹介だ。
メトフィエスや同族のエンダルフが崇拝する『神』。『黄金の終焉』『虚空の王』『終焉の翼』と称され、宇宙において最も超越した存在。
まず初めに言おう。こいつは間違いなく神である……というかそうとしか言いようがない。本物の神であるモスラを除けばだが、『原始生態系の頂点に君臨する、言わば神』と言われたレジェゴジといった神格化された怪獣は幾度も登場していた。
しかしこいつは神格化された怪獣ではない、正真正銘の神そのもの。宣伝などで言われた事は全くの誇張表現ではなかったのだ。
メトフィエスによる儀式、生贄、召喚……完全にファンタジーの神のそれである。こいつは全く別宇宙から来た存在とも言われているが、その別宇宙はもはや異世界としか表現できない。こいつはメトフィエスによって異世界からやって来た神なんだと感じたものだ。
召喚されたギドラは、手始めにとばかりに『アラトラム号』を襲撃。こいつには計り知れない重力の歪みが発生しており、その影響で時間と事象が狂ってしまう。
四十秒前に破壊されたエリアからの通信。生体反応が消えた(つまり死んでる)のにまだ生きている……宇宙の 法則が 乱れる!
ここが巷で「ギドラが怖い」と言われる由縁だ。こいつの存在自体が事象を狂わせてしまう……これを神の力と言わないで何と言う?
この『怖い』とは神に対する『畏怖』。視聴者はこのギドラに神を見出し、畏怖していた事だろう。
なお、このギドラは従来と違い大蛇を思わせる姿をしているが、宇宙に存在する大蛇というのは割と神話に存在する。有名なのは亀と蛇で構成されたインドの宇宙図だろう。
明言はされていないが、ギドラはこの宇宙を取り囲む大蛇がモデルかもしれない。
《余談》
このギドラに関して筆者は様々な憶測をしていた。
それで星を喰う者を見た結果、
・ゴジラアースはギドラに備えてフィリウスを量産していた=真偽不明。むしろ逆に「ギドラがゴジラの誕生を虎視眈々と待っていた」の方が正しいか。
・エクシフにオカルトの要素があるから、星を喰う者はファンタジーやオカルトがメインかもしれない=正解だった。
・ギドラに『キング』が付かないのは忌むべき存在だから=全く真逆。エクシフはギドラを神として崇拝していた。
という事が分かった。
この三個目についてだが、メトフィエスが言っていた「みだりに口にしてはならない」ってのは忌むべき存在だからではなく、逆に神聖な存在だから言ってはならないという意味だっただろう。聖書の神も同じ理由で名前を言われず『主』と呼ばれたりしている。
じゃあ何故キングが付かないのかという事に関して新たな推測が出来た。これは特撮ファンを不快にされるかもしれないので聞き流す感じで……。
多分だが、ギドラという名前はエクシフ語なのだろう。そこにキングを付けたら『英語』+『エクシフ語』になって世界観的に違和感が生じる。
またキングと付けると特撮の感じが出る(レッドキングとかキングジョーとかキングの名を持つ怪獣がいるし)。アニゴジは特撮とは全くかけ離れたストーリーだから、キングギドラにすると特撮の匂いが付いてしまうと制作者が思った。こんな所だろう。
この言い方だと「キングギドラの名を馬鹿にしているのか」と思われても仕方がない。もしそう思ってしまったら申し訳ありません……。決して貶している訳ではない故に。
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