第32話 アシノコの魔物
シンゴテンバサービスエリアに戻った私たちはアシノコサービスエリアに向かった。
ヨコハマ王国にもそちらに行くことは連絡しておいた。
センゴクバラパーキングエリアで監査業務を行い、少し走るとミオさんが言った。
「この右手がアシノコです」
そこに広がるのは草原。
いや、湿原だった。
「湖はどこ?」
「湖はありません。ここはアシノコ湿原といいます。災害前は湖でしたが災害で崩れた外輪山の土砂が入り、大きな湿原になりました」
「だから首長竜がいないと断言したのか」
「はい、ですからいるとしたら大型化した蛙やサンショウウオや亀の魔物。それを見間違えたのではないでしょうか」
「ユミさん、何か探知できませんか」
「うーん。いくつかの魔物がいるみたいだけど未知のものではないみたい。蛙やサンショウウオや亀の魔物いるけど魔物としては通常サイズだしね」
「そうですか。未知の魔物って何でしょう」
「もうすぐアシノコサービスエリアです。まずはメンテナンス作業を行いましょう」
「そうですね」
アシノコサービスエロアに到着し、ミオさんは監査、私はメンテナンスの作業を行う。
メンテナンスの方は特に問題はなかった。
順調に終了した。
メンテナンスをしていて気が付いたが『賢者のハイウェイ』の監視カメラに映っていないかな。
この画像は宿泊施設の書斎で見ることが可能だ。
街の方へ出かけて未知の魔物について聞いてみることにした。
出現した地点と特徴などを。
調べた地点の中に『賢者のハイウェイ』の監視カメラが向いている方向が含まれることが分かった。
聞き出した時間とその地点ということで宿泊施設の書斎で監視カメラの画像を調べてみる。
小さいけど画面の端に映っているのを見つけた。
拡大してみる。
その結果は、
「蛇のように長細くて前から見ると円形の断面ね」
「ミミズのようだね」
「ミミズの魔物ですね」
「それも数は多そうだね。10匹はいるか」
「まあ、拡大したものだからわかりにくいですけどね」
「えーと、ミミズって動物は食べませんよね」
「でもここで襲っているのは蛙の魔物だよ」
「肉食性ミミズですか」
「それが地中にいるから厄介だな」
「代官所を通してヨコハマ王国に通報しておきましょう。データをこちらにいただきます」
「それでは頼むね、ミオさん」
地中も表面ならユミさんの探知が及ぶが少し深くなると無理だ。
まあ、湿原に人が入り込まなければ被害は出ないであろう。
魔物がいるのは賢者のハイウェイの副結界から離れているからあとは地元の専門家に任せよう。
しかしミミズがいるということはここの湿原かなり乾燥しているということかな?
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