第24話 ヌマヅ
順調に南下してシンフジのジャンクションからは東に向かう。
まず初めにスルガサービスエリアに到着した。
ここで結界維持設備のメンテナンス作業を行う。
慣れてきたのでスムーズだ。
この周辺の副結界はトウメイハイウェイの副結界とシントウメイハイウェイの副結界が重なっている。
副結界内にもいくつかの集落があるらしいが側道がシンフジやヌマヅで街道に接続していたり街道までの道も結界が施されており集落が孤立するということはない。
トウメイハイウェイの副結界とシントウメイハイウェイの副結界が重なった状態はゴテンバジャンクションまでつながっている。
メンテナンス作業と監査も問題なく終了して次はナガイズミインターチェンジにあるパーキングエリアだ。
「ナガイズミインターチェンジはイズジュウカンハイウェイとのジャンクションになっておりこの道はトウメイハイウェイのヌマヅインターチェンジと繋がっています。
ヌマズインターチェンジにはサービスエリアはありますのでナガイズミインターチェンジのパーキングエリアで監査後そちらにも向かいたいと思います。昼食はヌマヅの町でと思っていますがいかがでしょう」
「それではそうしましょう」
ナガイスミパーキングエリアの監査、ヌマヅサービスエリアでの結界維持設備のメンテナンスと監査も無事終了した。
車はヌマヅサービスエリアの駐車場に置き、サービスエリアの魔力車でヌマヅの町に行くことになった。
ここはシミズ自由都市国家の東端に近い重要都市で港もあり、海の結界がここから外洋へと向かっている。
「ヌマヅサービスエリアの結界維持設備には海の結界が表示されていなかったけど」
「シモダ町にあるシモダインターチェンジのサービスエリアの結界維持設備から管理しています」
「遠くありませんか」
「東西と南を一括で管理することで効率化できるのです」
「シモダ町もシミズ自由都市国家なのですか?」
「いいえ、イズ王国です。他の国に比べたら小さな国ですよ。半島一つが国ですが。主な町はアタミ町・イトウ町・王都イズ・シモダ町ですね。ハイウェイはイズズジュウカンハイウェイがシミズ自由都市国家の東端のミシマ町からイズ王国王都イズを通ってシモダ町まで行っています」
ヌマヅの町に向かう道は街道を横切り線路の高架のような建造物を横切った。
「これは?」
「高速鉄道の遺跡ですね。確かシンカンセン。例の災害で破壊されました。賢者様は結界を施したかったようなのですが」
「鉄道は残っているのですか」
「トウキョウに4路線の地下鉄が動いています」
「そうですか」
ヌマヅの町に入り海の幸を楽しんだ。
新鮮な魚介類はシミズに負けないくらい美味しかった。
さて、ヌマヅサービスエリアに戻り先に進むか。
後パーキングエリアが2つと目的地のアシガラサービスエリアだ。
「タカシ様、申し訳ありません。港に向かっていただきます」
「どうしたのですか」
「海の結界に異常が出たようです。ここの港にもメンテナンスはできなくても結界の状況を調べられる施設はあります。そこに向かい状況を把握します」
ミオさんに連れられた港の一角にある警備の厳しい港湾関係施設に案内された。
何重にものチェックされた後、控室のようなところでナツさんとユミさんとハルさんは待つことになった。
その先は『賢者システム』のものでなければ入れない。
腕輪のセキュリティを使って中に入る。
港湾関係者には伝言的にしか情報が伝えられていないので中に入りたそうだったがそれはできない。
中で働いているオートマタから説明を受け、確認もした。
シモダ沖20km付近で問題が起きたようだ。
シモダ町にある結界維持設備のオートマタとも連絡を取った。
まずシモダ町にある結界維持設備で作業をしてから現場に向かう必要があるということだ。
これらの作業が終わるまでは一部海域の侵入を制限することになった。
「悪い知らせがあります。イズ王国ではシモダ町の代官が自分たちで修理するから手出し無用と言ってきたようです。これではイズ王国に入れなくなりそうです」
「それで大丈夫なのでしょうか」
「大丈夫ではありません。故障の範囲を拡げる恐れがあります。これまでにも似たようなことを行い、そのために世界中に侵入できなくなっている海域があります。それらはタカシさんでなければ作業できません」
「何故作業をしようとするのでしょう」
「航路を自分の管理下に入れ、航路を使う船舶から通行税を得ようと考えているのでしょう。技術系の魔術師がそそのかしたのだと思います。根気よくイズ王国に説明して入国できるようにしましょう。ただ『賢者のハイウェイ』内と言えどもイズ王国の領域に入ると話がこじれますからヌマヅサービスエリアに今日は滞在して連絡を待つことにします」
今日はアシガラサービスエリアまで行く予定がヌマヅサービスエリア泊になってしまった。
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