②「アリスドリームストーリー」 作:K・Sメッセ

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054885568883


 企画「ファンタジー・SF批評大会」より論評者としてまいりました、ハティです。

 企画に参加された以上は、厳しい意見も受け入れる用意があるとは思いますが、今回あえて強めに書かせてもらいます。


 現状では、最初の数話でほとんどの人が読むのをやめてしまいます。

 原因は、文体がきちんと整えられておらず、スムーズに読み進むことができないためです。


 スムーズに読み進められる、とはどういうことか。それは、声に出して朗読しても違和感がない、ということです。

 私たちは文章を読むとき、ただ文字の意味を読み取って理解するだけではありません。例えば会話文の場合、人物に声優や俳優を当てて、その声で喋らせながら読んだりしませんか? 地の文でもナレーターを置いて朗読させるなど、やったことがあると思います。

 よく言う「文章のリズム感」などは、この『頭の中の音読』で生まれてくるものです。言ってみれば、「声に出して読みたい日本語」であるほど、文章として洗練されているということです。(もちろん一概ではありませんが)


 残念ながらK・Sメッセの今の文体では、『音読』ができない状態です。このままでは、文章を増やしていってもその大半に目を通してもらえません。

 連れていきたい場所へ道を作り続けているけれど、きちんと舗装ができておらずに、入った人がすぐに引き返してしまう。それと同じです。


 改善する案として、地の文にも仮想のナレーターを配置して、具体的にどんなトーンで音読しているかイメージしましょう。好きな俳優でもいいので一人、想像の中でもぶれない声を明確に決めておくのです。

 仮想のナレーターだったらこんな風にしゃべるだろう、という感じで自分のイメージを一度その人のフィルターにかける。そうすることで、一貫した文体が生まれてきます。


 参考として、ラジオドラマを聴いてみるのがいいでしょう。現在は唯一NHKだけになってしまいましたが、配信サイト「らじるらじる」の聴き逃しサービスでいつでも楽しめます。(ジャンルからドラマカテゴリーを選ぶとあります。青春アドベンチャーがおすすめです)


 まずは「声に出して読みたい」文章を目指しましょう。自分で口に出して繰り返し音読していくと、単純な誤字脱字はすぐに発見できますし、文の違和感を減らしていけます。

 厳しい意見ではありますが、丁寧に道筋を舗装していくことが、あなたの見せたい景色へ読者を連れていける唯一の方法です。



[以下:作者からの返信]


 長文のコメントありがとうございます。


 音読ができない状態。気をつけているはずが、そうではなかった、というこですね。

 アドバイス、ありがとうございました。


論評URLはこちら:https://kakuyomu.jp/works/1177354054885568883/episodes/1177354054885568889

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