1500年前の真相

そもそも1500年前、いや正確に言うと1526年前は魔界の国は1つだけであった」


サキュバスが聞いた


「つまりはその3人が謀反を起こし新国を作ったと?」


「そうじゃ、当時の魔王はサタン様、儂、アザゼル、ベリアル、ハーデス、そして時期魔王にルシファー様を就任させる予定のため1人は空席だった、この時ルシファー様は6歳ほどでしたね」


ベルゼブブが不思議そうに聞いた


「6人か、その時は魔王6人で国を回してたのか?」


「いや当時も7人であった、ルシファー様少々お辛いでしょうがお許しください」


「大丈夫だよ、マモン辛いのはベルフェゴールも同じだから」


「すみませぬ、当時のもう1人の魔王はルシファー様の母君ルシフェル様であった」


「マモン様それってつまり」


「あぁ恐らくメデューサの考えてる通りであろう、1500年前のある日ハーデス、アザゼル、ベリアルは謀反を起こした、その時にベリアルによりルシフェル様は殺されてしまった」


ジルはルシファーが泣きそうなのを耐えてるのを見ていた。


「ルシファー辛かったらこの話は1回辞めよう、母親が死んだ事を思い出すのは誰でも辛いよ」


ルシファーは首を横に振り言った


「大丈夫、これは皆にしっかりと話さないといけないから続けてマモン」


「はい、そして3人は国を起こした。それまでもサタン様の考えを良しと思ってなかった者は一定数居た、恐らくは前々からその者らを集って機会を伺って居たのであろう」


ベルゼブブが険しい顔で聞いた


「そんな事が有ったんだな、1つ気になるがサタン様はベリアルに復讐しに行かなかったのか?」


「いやされなかった、当時は国に残っていた者達は皆ルシフェル様を母のように慕っていた、ルシフェル様もサタン様同様、民に手を差し伸べたり奴隷を解放したりしていた。故に皆玉砕覚悟でベリアルの首を取ろうとした、がそれはサタン様がお許しにならなかった」


「なんでだ?」


「それは追って説明する、その前に私とベルフェゴールの事を知ってほしい、私はかつてアザゼルの師であった、そしてベルフェゴールはハーデスの子供だったのだ」


サキュバスが驚いた顔で言った


「つまり2人は逆賊と親密な関係に有ったのね」


「あぁそれを踏まえて今から皆に映像を見せる、これは反逆後のサタン様の行動の1部だ」


とマモンが言うとマモンは魔法で映像を映し出した。


「サタン様謀反です!ハーデス、ベリアル、そしてアザゼルが我が国の1部を支配し反逆致しました、」


と伝令が伝えるとサタンは立ち上がり声を荒らげた


「なんだと!詳細を調査せよ」


「はっ!」


伝令は部屋から走りさって言った


しばらく経ち違う伝令が入ってきた


「サタン様サタン様急報です」


「お主はルシフェルの側近ナギでは無いかどうした」


「ルシフェル様がアザゼルに殺害されました、お守り出来ずに申し訳ございませんでした、どんな罰でも覚悟しています」


と大声で叫んだ


サタンはその場に膝をガクンと落とし力の入らない声で言った


「ナギよ、マモンとルシファーとベルフェゴールを今すぐ連れて来てはくれぬか」


ここでマモンが補足した


「ベルフェゴールは魔王の息子ということで攫われて人質などにされてはいけないという理由で常にこの魔王城にいたのだ」


「はっ!」


それから10分ほどたち3人がやってきた。


マモンが言った


「サタン様私は取り返しのつかない失敗を犯しました、私は責任をとりz」


「バカ者!お前が死んだところで何も変わらぬ、確かにお主の弟子が裏切りはしたがお主は精一杯の教育をしていた事を私は知っている、あまり思い詰めるでない、それに責任を感じているならこれからこき使うゆえ覚悟しておけ」


マモンはサタンの寛大な対応に涙を流していた


「そしてルシファー、ベルフェゴールお主らはまだ何が何だか分かってないであろう。

まずはルシファー母さんが殺された

ごめんなルシファー」


ルシファーは泣きながら答えた


「うんうん父様は何も悪くないよ、それにね私は大丈夫だよ、だって母様と約束したんだもん

母様が死んでも私は魔王2人の子供なんだからしっかりするって」


「そうか、ルシファー大きくなったな。

次にベルフェゴールよお主の父ハーデスが謀反を起こした」


「えっ父様が?嘘だ」


この時のベルフェゴールは何があったか分からないといった表情をしていた


「いいや本当だ、お前には現在2つの選択肢が有る、1つは今からハーデスの元へ行く、もう一つはここに残りハーデスと決別する。私はどっちを選んでもお前を悪いようにはしない、確かにハーデスは裏切ったがそれはお前は悪くない、お前の意思を尊重する」


「サタン様、俺は本当にここに残って良い人間なの?だってあんなに優しかったルシフェル様を殺したも同然な事をした人の子供なんだよ」


「私は人が犯した過ちの責任を家族や師には問わん」


「俺はサタン様の考え方好きだよ、他種族とも仲良くして平和な世界を作り色んな種族と共存する、父様は時々こんなの間違ってるって言ってたけど俺はそうは思はない、だって人が死ぬのは見たくないし殺したくない」


「ではここに残るか?」


「うんサタン様や皆が許してくれるならここに居たい」


「だがいずれハーデス、お主の父と戦う事になるかも知れぬがその時は大丈夫か?恐らくハーデスは2国と連携してこの国を攻めるだろう、その時は闘う他ない」


「大丈夫です、俺はもうあんな人を父とは思いません」


「ベルフェゴール、お主に辛い思いをさせてごめんな

お主にはいずれ魔王になってもらいキビキビ働いて貰うぞ」


ベルフェゴールは覚悟を決めた覚悟をしていた。

ベルフェゴールはこの時5歳とても辛い思いであっただろう


「では2人隣の部屋に居てくれるか?少し大事な話をするから」


2人は頷き移動した


「マモン、現在我々の残っている領地の城主を至急集めろ、恐らくまだ3人は攻めてこない」


「はっ!」


マモンが言った


「それから30分程後に飛ぶ」


次に映された映像は各城の城主が集まり話し合っている所だ


とある城主が言った


「サタン様至急ベリアルを滅ぼしましょう!許せません」


それに皆が同意している


「確かに皆の気持ちは分かる、私もベリアルはにくい、だがな攻めたところで恐らくベリアルの首は取れぬ」


「ですがそれではルシf」


「バカもの、状況をよく理解せよ。現在我々の領地は前までの4分の1程度、ここに残されてる兵力では攻めたところで他の二国からの攻撃を受けてお終いだ」


「ですがそれは攻めなくても同じです」


マモンが口を開いた


「いいやそれは違う、恐らく奴らは我々が攻めないと攻めてこない」


「何故ですか?」


「それは新体制になりまだ統率が取れていないからだ、統率が取れずに攻める程奴らは愚かではない、だが我らが攻めれば奴らも生死が掛かっておる。そんな時は統率されてない軍であれどとてつもない力を発揮するそんなのに手間取ってる間にハーデスとアザゼルの軍に挟撃にあい全滅だ」


「確かにそうですね、出過ぎた真似をお許しください」


サタンが言った


「何も気にするな、皆の気持ちは理解しておる」


今度は違う城主が言った


「サタン様一つだけ納得出来ないことがあります」


「なんだ?」


「マモン様はともかく何故ベルフェゴールを生かしておくのですか、ここは反乱者共の見せしめのためにも処刑すべきです」


皆うなずいている


「確かにお主の言うことにも一理ある、だがなベルフェゴールはまだ5つ、何も分からず親に捨てる同然な扱いを受けたのだ、それにあいつは何もしてないではないか、そもそも息子を捨てるようにして反乱した者達が子供を殺された程度で怖気付くとは思えん」


「確かにそうですがそれでは示しが付きません」


「では少し考えてみよ、ベルフェゴールは反乱した者のとは言え魔王の息子だ、恐らく潜在能力はルシファーにも匹敵するであろう、そのような者を殺すより、成長させ我が国の戦力にした方が良いのではないか?」


「ですが成長してから裏切るという可能性も」


するとベルフェゴールが扉を力強く開けて入ってきた


「わたしはサタン様やルシフェル様に受けた優しさを返すためにここにいます。その恩を無下には絶対にしません、いずれとてつもない力をつけ父をこの手で討伐します。故にそれまで私を見張っててもいい、私を信じなくてもいい。ですが私がここで死ぬより父を倒すことが1番の恩返しと考えていますどうかその時まで私を生かすことをお許しください」


「ということだ、僅か5歳の子供がこのような覚悟を決めたのだ、私はベルフェゴールを処刑するのは到底許せぬ、これよりベルフェゴールを処刑すると言った者は私が許さぬ、わかったな」


城主達はベルフェゴールの覚悟に胸を打たれて居た為これには口答えしなかった。

無理もない、わずか5歳の子供が自ら父を殺すと言っているのだ、それに何より親に捨てられるという事にみな少なからず同情していたりベルフェゴールを殺すのは不本意であったからだ


ここで映像は切れた


「これがあの日の1部始終だ、そしてサタン様や我々一同は国力を向上させるために全力を尽くした」


「なるほどな、そして俺達3人が運良く見つかり魔王はサタン様 マモン ルシファー様 ベルフェゴール メデューサ サキュバス 俺になったのか」


「あぁ当時はまだベルフェゴールとルシファー様は幼かったゆえ次期魔王という立場だったがな」


ベルフェゴールがメデューサの元へ行き物凄い勢いで頭を下げた


「今回は俺の愚かな親のせいでメデューサの部下を傷つけてしまってすまない、これは必ず償う」


「なにを言っておるのだベルフェゴールよ、お主は何も悪くないであろう」


「そうだな、ったくやって来た時は闇の深そうなガキ2人だとは思ったがまさかこんな過去が有ったとはな、なぁに今までどうりで構わんぞ、気にするな、なぁサキュバス」


「勿論よ、しかしあの小さくて私をサキュねぇとか呼んでた坊屋がいつの間にか大きくなったわねふふ」


メデューサが笑いながら言った


「確かに当時は言ってたな、私のこともメデュねぇ、って呼んでたな。ベルゼブブもブブにぃって呼ばれてたな」


「懐かしいな、いつの間にか態度がでかくなったなベルフェゴールは」


マモンも笑いながら言った


「懐かしいものじゃな、儂もじぃと呼ばれてたわい」


4人はにこやかだったがベルフェゴールは物凄く顔が赤くなっていた


「そんな昔の話しないでよ!もう」


ベルゼブブが笑いながら言った


「まぁこんな具合に俺たちはお前を仲間だと思ってるから気にするな、

メデューサそう言えばもう1人同じように呼んでた奴いたな」


「えぇ、当時まだちっさくてわたし達を見ると走って来たのを覚えている」


そんな事を言いながら4人はルシファーに目を向けた。


するとルシファーの顔はみるみる赤くなっていく


「うるさい!そんなの覚えてない!」


ジルが微笑みながら言った


「昔はルシファーもベルフェゴールもそんな感じだったんだね」


「ジルってば、もう知らない」


サキュバスが冷やかすように言った


「あーあ姫様がお怒りだ」


「その呼び名懐かしいな、ルシファーは姫って呼ばれてたな」


「もうほんとに知らない」(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい)


「これこれそれぐらいにしておけ、ではこれからの事を話し合おう」


場が一気に真剣な空気になった。


「この国の軍略家として言う、まずあの3国が全力で攻めて来れば今のこの国ではもたん、故にこれからすることは2つ、一つは兵の質を上げること、もう一つはジル殿の覚醒だ。お主にはいず起こる戦乱の前に我々と同等の力を、得てもらは無いと困る」


「マモン様勿論です。」


「魔法の使い方は今日見た限り完璧だ。ここからは種類を増やすだけゆえ私から教えることはない」


ルシファーがびっくりして聞いた


「えっもうジル魔法完璧なの?」


「えぇ、魔力コントロールはもうSランクです、恐らく元々Aだったのでそこまでは楽に行き短時間でSになれたのはジル殿の才能と行った所でしょう」


「流石だね、じゃあ次はベルゼブブの所で身体能力上げたり武術スキル身につけようか」


「構わんぜ、俺との鍛錬は辛いぞ、ジル」


「望む所です」


「恐らく奴らが攻めてくるまでは最低でも3年、長くて5年といった所でしょう、それまでにジル殿は覚醒してもらわなければいけない」


「マモン様、本当に3年も時間有るのでしょうか?」


「ジル殿私に、様はつけなくて良いぞ、あぁ恐らくはな今回実力を確かめて勝てると考え奴らは恐らく3国で同時に攻める為の作戦と連携を取り合うだろう、そのための期間が恐らく3年程度だ」


「わかりました、全力でやらせて頂きます」


ルシファーが口を開いた


「さぁて会議は終わり終わり、隣で宴会でもしましょ、メデュ姉はまだご飯食べてないしブブ兄とサキュ姉はお酒飲みたいだろうしね」


この言葉で一同が笑ったのは言わなくても分かるであろう


そんなこんなで宴会は深夜まで続きお開きになりジルは部屋に帰ってきた


「3年で皆と同じぐらいの強さか、無理そうだけどやるしかないか、絶対に強くなる」


この日を境にジルは波乱の歴史に身を投げ入れる事になる

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