パーチェに幸あれ

ジルはナギの軍の元へと着いたら


「みんなお疲れ様、もうそんなに急がなくていいよ」


ナギが驚いた顔をしながら口を開いた


「ジル様何故ここに!?もしや」


「えっ、あうんもうあいつら撤退しちゃったよ。生きてる兵士40万人ぐらいでそのうち無事なのは5万人ぐらいで後は負傷兵ってところかな」


カルアが膝まづき喋り出した


「まさか貴方がそれほどまでの実力者とは思いませんでした。それに何より民、兵のことを誰よりも考えておられる。数々の無礼をお許しください」


それに続き軍長5人も膝まづいた


「いやいや、別に怒ってないから、取り敢えず敵の指揮官城に捕らえてあるからそいつらから情報引き出そう」


「この短時間でそこまでしたのですか!ジル殿」


「んーまぁ頑張ったのよ」


ジルは苦笑いしている


「さぁーて、みんかこっからはゆっくりでいいからアシッド城まで行こう」


ジルがそう言うと全軍城に向かい進み始めた。




そんなこんなで20分ほどで城につき、流石に全軍は入城できるほどの広さは無いので、ナギが兵のための休息地を土魔法で、作りそこに待機させた。


「じゃあ軍長5人とカルアとナギは一緒に行こうか」


といい7人はギルド達を捕らえてるところに向かった。


すると、道中でラルクに会った


「じ、ジル様。大至急ギルドの元へおお向かい下さい」


「今向かってるけどそんなに慌ててどうしたよ」


「い行けばわ分かります」


「おおう、取り敢えずラルクも着いてきて」


ジルは不思議に思いつつギルドの元へ向かった。道中ラルクはオドオドしていた



ギルド達を拘束していた場所へと来るとそこには、他の魔王6人が集結していた。それを見るなりジルに同行していた7人は一斉に膝を着いた。


「あらこれはみんな揃ってどうしたのさ」


「無事か、ジルよ。実はなこんな書が届いたのだ」


マモンがジルに1枚の紙を渡した


「んなになに


我が名はベリアル、お主達の国であの忌まわしきサタンの席を埋めるようだな。中々に面白いことをするではないか。ならば就任祝いに我が兵たちを送り込もうとする。楽しみに待っておれ」


ジルは怒りで手がワナワナ震えていた。そして酷く冷たい口調で言った


「メデューサ、他の2国に動きはあるか」


「安心せよ、何もないぞ」


「そうか、それは良かった。ラルク今回の戦いで死者、負傷者何人出た」


「負傷者が2万人ほど、死者が5000人ほどです」


「約すな!ちゃんと端数までしっかり教えろ!」


「す、すいません。死者が5268人負傷者が21936人です」


「そうか、俺のせいで俺のせいでクソっ!」


ジルは持っていた書を地面に叩きつけた。


「お言葉ですがジル様、貴方のおかげで助けられた命は沢山います。現に貴方が戦場に来てからは誰一人と死んでおりませぬ。貴方が思い詰められることではないと存じます」


「でも俺が魔王に就任してなかったら、この数の死人も怪我人も出なかっただろうが!」


ベルゼブブが口を開いた


「あぁ確かにそうかもな」


ルシファーが必死に言った。


「そんなこと言わないでベルゼブブ!」


サキュバスも口を開いた


「確かにそうかもしれないわね」


「サキュバスまで!」


ベルフェゴールも口を開いた


「ジルの言ってることは合ってるかもね」


「もう辞めて、それ以上ジルを· · ·」


「やっぱりそうだよな、取り敢えず話は後にしてこいつらの尋問を終わらそう。俺の魔法でスキルは封印してあるから、メデューサの魔法で記憶は覗けるはずだ」


「あぁ

無属性魔法 記憶読みバックトゥザメモリー


五分ほど経った後メデューサが口を開いた。


「こやつらから得られた情報はほとんどありませぬ、恐らくベリアルはこうなることを予想して、記憶をあらかじめ消していたのでしょう」


「そうかメデューサ、ありがとう。ギルドと言ったなお前ら、今回のことでおめぇらには殺意が抑えられねぇ、楽に死ねると思うなよ」


「ハッハッハ、我が死など怖くわない!ベリアル様は我々の夢をいつの日か叶えてくれる!」


ジルは無言で結界の中に入り蹴り飛ばした。ギルドは気絶してしまった


「はなからベリアルは勝つ気なんて無かったんだな、俺の力を試したかっただけなんだな。クソっ!」


「そうだろうなジル殿、私も同じ立場であればやる可能性は高い」


「メデューサももうほんとに辞めて· · ·ジルは何も悪くないじゃない」


「俺はやっぱり魔王の器じゃねぇのかもなぁ」


ジルがぼそっと言うとベルゼブブがジルに、回し蹴りを当てた。勢いが凄すぎてジルは結界まで吹っ飛ばされた。


「いってぇな、何すんだよ。ベルゼブブ」


「てめぇがそんなこと考えてる内は少なくとも魔王の器じゃねぇよ!ちょっとこい」


ベルゼブブはジルの腕を掴みある場所へと向かった。他の皆も後を追った。


着いたのは負傷兵の治療所だ。



負傷兵たちは魔王達に口々にこう言った


「我々はジル様が来てくれたおかげで助かりました!ジル様はもう我々の主です!」


このようなことを会う人会う人から言われた。


「おめぇにはこの声が聞こえねぇのか。おめぇを慕う声、お前に感謝する声。ここにお前に対する怒りがあるか?」


「嫌でもそれは、事情を知らないからかもしれないだろ」


「じゃあもう1箇所行くぞ!」



次に来たのは死んだ兵の慰安所だ。一人一人の兵の元に遺族であろうか、兵のもとで泣いてる


遺族達が一向に気づいた


ジルは会わせる顔がなく直視出来ていない。


「魔王様方、どうしてこられたのです?」


ジルが答えた


「遺族の人達一人一人に謝罪をしに来たんです、俺が未熟なばっかりに皆さんの大事な人を失わせてしまった、ほんとに会わせる顔をがない」


「何を言っているんですか!我々はジル様が最前線で誰よりも勇敢に戦っているのを見ました!正直言って主人を亡くしたのは辛いです!ですけど、私はあんなに死人を出さないよう戦っていた、魔王様いやジル様を責める術は持っておりません。どうか自分を責めないでください!」


一人の女性がそう叫ぶと他の者達も私も!や僕も!等と後に続いた。


メデューサが、口を開いた。


「急に失礼した。後ほどまた来る。今回はすまなかった」


とメデューサが頭を下げ、あげると同時に一行は最初に居たギルドた達の元へとテレポートした。


「ジル聞こえたわね?あの民の声、あなたはあんなことを言われても、自分は魔王に向いていないとでも言うのかしら?」


ジルは皆に背を向け何も言わない


「前にも言ったわよね?まだ17の子供なんだから無理するんじゃないって、今回に関しては無理はしてないかもしれない。だけど1人でまた、背負い込みすぎよ。貴方の命令は、私は現地で聞いてたけど、何一つ間違っていなく、適切だった。」


「あのなジル、誰も仲間の死を悲しむなとは言ってねぇんだよ、今回の5268人の死者の思い、その遺族の思いをどう受け止めて、そのものらの死を乗り越えて強くなれるかだ、これから先仲間なんか大勢死んでいくぞ、現に俺は何万人何十万人いや何百万人の死を見てきてる。もしかしたら次死ぬのは俺たち魔王の誰かかもしれない。誰も悲しむなとは言わん、むしろ仲間の死で悲しまんやつなどクズだ。だけどそれを乗り越えて強くなるのが男だ」


「わがってるわがってんだよ、二人とも。だけどだけど、もう少しもう少し俺がしっかりしていれば!」


「ジルさ、じゃあ次からはもっと救えるように強くなろう、僕もジルのことは心配なんだよ?」


「そうだね、俺はもっとづよぐなるよ」


ジルがそう言い終わると背中に衝撃を感じた。ルシファーが抱きついてきたのだ


「もうジルってば!そうやっていつも私を不安にする。大丈夫ジルは強いよ。私だっていつも仲間が死んだら悲しむし引きずる、だからだから自分をあまり責めないで、ジルは間違ってながったよぉ」


ジルは振り向きル左手をルシファーの背中へ右手を頭に回した。


「いっつも心配かけてごめんなルシファー。大丈夫もう、大丈夫だから、だからもう泣くなって」


「そう言うジル殿もさっきまで泣いていたであろう?」


「そそんなことねぇよメデューサ」


「ジルの嘘つき、私知ってるもんだってジルの手濡れてるんだかr」


ジルはルシファーにキスをした。


ルシファーは急なその行為にびっくりし固まっている。顔はみるみる赤くなっていく。


「心配かけたな、ルシファー。いつもありがとう、愛してる」


「ももう、ジルったら急なんだから!当たり前じゃない!私だって愛してるもん」


「あのーお二人さん?私達の前ではともかく部下の前でイチャつくのはどうかと思うわ。特にジル?」


ジルはすっかり忘れていたのか、慌てている。


カルアたちは何かを察したようだ。


「おおい、カルア、ラズラ、ヘイジ、アント、マーリン、デルガード違う違うんだ」


6人はジルとルシファーが恋仲だったのに驚愕している。


「ジル殿、貴方ルシファー様とそういう関係だったのですか」


「カルア違うんだ、そういうんじゃ」


「ハッハッハジルもう隠すのは無理だな、この際もう結婚式でも上げっか?」


「おいベルゼブブ流石にそれはまだ速い」


「早くなんか無いわよ貴方が魔界に来てからずっと2人でイチャイチャしてるじゃない」


「そんなことは無い、いちゃつき出したのはここ半年とか1年だあっ」


「ちょジル余計な事言わないの!」


「ごめんルシファー口が滑った」


「じゃあルシファーはどう思うの?」


ベルフェゴールがいつになくニコニコしながら言っている


「えっわ私はう嬉しいかな」


「だってさぁージル」


「ちょちょっとルシファーまで!せめて結婚は18になってからにしよう?俺が魔王になれてからの方が良いだろうし」


「皆もそこまでにしておけ、どーれメデューサよ、2人の結婚式はジル殿の誕生日に、行うとするか。これは腕がなるわい」


「ですな、楽しみです」


「ちょっそんな」


「こうなった以上後戻りは出来ないわね?そもそも貴方が18で結婚するって言ったんだしね。さぁてやることが有るんじゃないかしら?」


「いやっちょっ!まぁ良いか。ルシファー」


「どうしたのジル?」


「順番すっ飛ばしたり、逆転したり色々おかしくなってる気がするけど、許してね。俺はルシファーとこれからずっと一緒に笑いあったり、たまには怒りあったり、何か合った時には一緒に悲しんで生きていきたい。まだまだ未熟で心配ばっかりかけてるけど、俺はルシファーが好きだし愛してる、俺と結婚してくれないか?」


ルシファーは満面の笑みを浮かべて言った


「はい!こんな私だけど宜しくね!」


「あれほど小さかったルシファー様がいよいよ婚約ですか、天国でルシフェル様とサタン様もお喜びですね」


「そうであろうな、ナギお主も感慨深いじゃろうなぁ」


「私も歳を取ったものです」


「さぁてみんな、この城の民達に色々説明しなきゃね」


「ついでにジルと、ルシファーの、婚約も国中に広めましょう」


「えっサキュバスまだ速くない?それにこんな時にそんな発表しちゃダメじゃない?」


「何言ってんだ、こんな時だからこそやるんだろ、なぁに民たちもあれほどお前を慕っているんだ。誰も文句は言わないさ」


「そうだな、そうと決まれば行きますぞ」


メデューサが一行を城の上空へとテレポートさせた。


ジルが城外の兵たちにも聞こえるような大きな声で言った。ちなみにこの様子はメデューサの魔法でパーチェ国中に中継されている。


「みんな今回の戦いは頑張ってくれてありがとう!負傷者のみんなや亡くなった方達には心から申し訳ないと思ってる。どうやら今回の戦いはベリアルの俺の力試しだったみたいだ。俺のせいでみんなを巻き込んでしまって本当にすまない。結果的には大金星だ、相手の出鼻をくじき、何より俺の実力を敵に知らしめた。これで暫くは簡単に手は出して来ないと思う。だけど俺はみんなの犠牲を良いとなんかちっとも思ってない。俺は亡くなった者達の思いを背負いこれからも民を国を守っていく!俺はまだまだ未熟だけどよろしく頼む!」


辺り一帯から歓声が湧き上がった。


やはり皆真実を知ってもジルを、責めようとはしなかった。これは遺族も同じだった


「そして私からももう1つ報告がある」


すると、サキュバスが突っ込んだ


「ルシファー貴方まだそのスタイル貫くの?もういいんじゃない?無理しなくても」


「えっいやちょっ」


「だねーみんな薄々勘づいてるよぉー」


「あーもう、しーらない、ごめんみんな私今まで無理してあんな厳しい態度取ってたけど素はこんな感じなんだ、それで報告って言うのはね、こんな時に本当はダメかもしれないけど、これから大戦争を控えてたり、こんな戦いがあったりして、国が重い空気だから発表しようってなったんだ。許してね私と魔王ジルは結婚するんだ、来年ね。まぁさっき決まったんだけど」


するとやはり辺り一帯から大歓声があがった。


「そんなこんなで色々バタバタするけど、これからもみんな宜しくお願いするね、私たちからはこれだけだよ!じゃあみんなゆっくり休んでね!」


そう言うとメデューサは魔法を解除し、一行は城の中に降りた。


すると、沢山の民や、兵が寄ってきて口々に祝いの言葉を述べた。


「ありがとうみんな、取り敢えずわかったから、ゆっくりしてね。俺達は少しやらなきゃ行けないことがあるから、また今度聞くよ」


そういいジル達は逃げるようにして、とある場所へとテレポートした

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魔王の手下になったと思えば、、、 Land @Ban0517

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