慰安旅行後編
ジルは目をゆっくりと開いた。
「じゃあルシファー夜風にでも当たりに行こうか、夕食まではまだ時間があるしね」
「そうだね、少し熱覚ましに行こう」
2人はそういい風呂場を後にした
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別館外にて
「来た時には気づかなかったけど裏に山が有るんだね、そこから少し夜景でも眺めようか、ルシファー」
「大賛成、行きましょ」
ルシファーはそういい背中から翼を出し、ジルは闇魔法を応用させ擬似的翼を作り山の頂上へと向かった。
2人は山の頂上へとやってきた。
「こんな所にベンチが有るんだね」
「私達が知らないだけでもしかしたらこの山は観光名所なのかもね」
2人はそんなことを言いながらベンチへと腰を下ろした。
「ルシファー空を見てみて、なんて綺麗な夜空なんだろうね」
「とっても綺麗だよね、昔から変わらずにこの綺麗な夜景なんだろうね」
「ルシファーの両親はこの空をみんなで見て綺麗と言えるような平和な国を作りたかったんだろうね、平和じゃないとそんな余裕ないからね」
「だと思う、父様と母様は誰よりも優しい人だったから、今度は私達が守る番なんだよね」
「そうだね、でもねルシファー、あんまり無理しないでね。誰にだって忘れられない過去やトラウマは、有るから。」
ルシファーは何がおかしかったのか笑っている
「何がおかしいんだよルシファー」
「こめんごめん、ジルには言われたくないなぁーってね?」
「ぐぬぬ」
「ありがとうジル、私もジルやみんなをちゃんと頼って無理しないから、ジルも私達を頼ってね?」
「分かったよ、ごめんね心配掛けて」
ルシファーは首を振りながら言った
「うんうん、大丈夫だよ。好きな人の心配するのは当たり前だもん」
最後の方は心の声が漏れてしまったのかほぼ聞こえないような声で言っていた
「ルシファー大丈夫だよ、の後が聞こえなかったもう1回お願いしてもいい?」
「へっ?ななな何も言ってないよ。気のせいだよ、そう気のせい」(もしかして心の声漏れてた、恥ずかしい恥ずかしい)
ルシファーの頬が赤くなっていたのは言わずもがなであろう
そんなこんなしていると魔王5人がワープで飛んできた。
「お二人さん、イチャイチャ中に悪いわね、夕食の時間が来たみたいよ」
「イチャイチャなんてしてないからな、サキュバス」
「そうだよ、のぼせちゃったから夜風に当たりに来ただけだよ!」
「なぁジル、そういうのはなもうちょいバレずに隠れてやれよ。」
「だーかーら、夜風に当たって話してただけだっつーの」
「ふぁぁあ、2人が楽しそうなのは何よりだけどお腹すいたからご飯食べに行こ?」
「あのね、ベルフェゴール、あなた特有のを発動させながら私達をいじるんじゃないの」
「まぁ皆そこまでにしておけ、いい事なんじゃからな」
「もうマモンまで!」
「ふふ、久しぶりに面白いな、まぁここら辺にして食堂に移動しますぞ」
と言い魔法でで食堂へとテレポートした
食堂の大扉の前にテレポートすると、女将が待っていた。
「お待ちしておりました、どうぞ中へお入りください、食事の方はただいまお持ちします」
「急な客なのにありがとう、それにお風呂も良かったわ」
「サキュバス様からそんなお言葉を頂けるとは私共感無量でございます」
「私はそんな大層な者ではないわよ」
サキュバスが、笑いながら中へと入りそれに続くようにみんな中に入った。
中に入ると半径10メートル程の円卓があり、7つの椅子が置かれていた。
そこに、このような席順で7人は座った。
ルシファー、ジル、ベルゼブブ、サキュバス、マモン、ベルフェゴール、メデューサ
一同が席に着いたと、ほぼ同時に扉から大量の料理が運ばれてきた。
メニュー
松茸の炊き込みご飯
採れたて山菜の天ぷらの盛り合わせ
鯛 鯵 マグロ イカ など様々な魚介の刺身盛り合わせ
牛を余すことなく使った様々な部位のステーキ(7頭分)
刺身に使った魚のかま等を使ったあら汁
等沢山の料理が並べられた。
「以上が料理になります、もし足りなければまたお呼びください。お酒やジュースなどはルシファー様の後方に樽で置いてありますのでご自由にお飲みください、これにて私たちは失礼します」
といい女将たちは一礼して部屋から去っていった。
「流石老舗旅館の女将ね、普通なら魔王達に付きっきりで世話をする所なの(、私達がしてもらいたいことを分かっている」
「ありがたい話だよ、じゃあみんなグラスに飲み物入れて乾杯して冷めないうちに料理を食べようか」
「じゃあ俺近いからみんなの飲むもの入れてくるから、何飲む?」
「ビールに決まってるだろ」
「もちろんビールよ」
「儂は焼酎ロックで頼む」
「私はワインで頼む」
「僕はウィスキーロックで」
「ルシファーは?」
「うーんせっかくだし私もワインで」
「はいよー」
ジルは皆の酒を次それぞれの席へと運んだ、ちなみにジルは焼酎を飲むようだ
「さぁて、みんなの飲み物も来たし、乾杯ブブ兄頼んだ」
「おう、取り敢えずまぁ、ジルのこれからの成長とパーチェがいつまでも平和でいられることを願いかんぱーい」
「「「「「「かんぱーい」」」」」」
「ベルゼブブ意外とそんなこと出来るんだねぇー」
「お前なぁ、俺だって魔王やって結構長いんだから、それぐらいの常識はあるぞ」
「へー」
そんなこんなで食事を少ししていると、マモンが思い出したように話し出した。
「そうじゃ、いかんいかん儂とした事が、皆の酔いが深くなる前に、ジルお主に話がある」
「ん?どうしたの?」
「お主には明日から正式に魔王になってもらう」
「ついに明日から魔王かーーーってあしたぁぁぁぁ!!」
「これは前々から話していてな、お主が荒れている時に6人で話し合っていたのじゃ、軍を率いたりするには、部下との信頼関係は何よりも大切だからな、それにお主が着火剤になりナギたちも良い方向へ向かうと思うからな」
「だといいけど、流石に急すぎない?」
「それならば問題ない、明日国中一斉に魔法でお主の映像を映し出し、就任式を行うからな。ナギには事前に話してある」
「俺のいない所で、準備進みすぎでしょ、まぁこうなった以上やるっきゃないか。てかすごい反発くらいそう」
「それなら恐らく大丈夫じゃろう、お主はサタン様にそっくりじゃから、皆多分納得するだろうな、まぁナギはともかくナギの側近たちからは少しきつく当たられるかもだが、それぐらいどうにも出来んようじゃ魔王は務まらぬ、まぁジルなら大丈夫だろう」
「なんつうアバウトな、まぁいいや反発受けるのは元より分かってたからね。じゃあ明日1日メデューサかサキュバスに付き合ってほしいことがあるんだけど、どっちか手空いてる?」
「私は明日少々外せぬ用事があってな、すまぬ」
「私は大丈夫よ、ジルの頼みとあらばお姉さん断れないもの」
「危険な香りがするが、まぁいいか」
「では決まりじゃな、難しい話しはここら辺にして食事を楽しもうではないか」
ジルの魔王就任が無事に決まり、皆羽目を外し始めた
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2時間後
この2時間色々な事があった、まずいつもの如く例のふたりが勝負しだした。結果は察しの通りであろう。が予想外なことにここにメデューサが混じったのである。本人曰くたまには私だって混じっていいだろうとのことだ。これにより普段以上に火がついた2人が、いつもの3倍ぐらいの速度で飲み始め、メデューサも同じペースで飲んでいたのだが、あろう事か例のふたりがまさかのダウンしいまとなってはぐっすり寝ている。メデューサは平然と未だに飲んでいる。
次にルシファーだが、元々余り酒を飲まず、そもそもあんまり強くないのに、飲んでしまったためか先程寝てしまった。ベルフェゴールもお腹いっぱいになり寝ている
「みんな寝すぎでしょ、てかメデューサ酒強すぎ。あのねお酒は楽しく適量飲もうよ」
「何を言っておるのだ、私が妖精会に居る時は毎日これぐらい飲んでいたのだぞ」
「あーなるほどね」(いや、やばいすぎでしょ)
「もう皆寝てしまったしお開きにしようか、儂はベルフェゴールを部屋まで運ぶゆえ、メデューサはサキュバスとベルゼブブを頼む。ジルはルシファー様を頼んだぞ」
マモンはそういい、ベルフェゴールと共にテレポートしてしまった。
「やれやれ、仕方ない」
と言いながらメデューサも2人を連れてテレポートしてしまった。
「どーれ俺も運ぶかな」
ルシファーを背負い部屋へと向かい歩きだした。
しばらく歩いていると、ルシファーが喋りだした。
「ねぇジル?」
「起こしちゃった?ごめんね」
「んーんいーのいーの、たまにはこういうのもいいね」
「そうだね、たまには休息も必要だよ、ルシファーが酒飲むの久しぶりに見たしね」(サキュバスとベルゼブブに至っては毎日やってるような気もするが)
「私さジルのこと大好きだよ」
「なに酔ってんだよ、まぁ俺もだな」
「にへへ、ジルこれから大変になるけど、頑張ってね。応援してるから」
「あぁ、勿論だよ。それで俺が1人前になってお前を安心させれるぐらいになった時にちゃんと迎えに行くよ」
「喋らねぇなって思ったら寝てんのかよ、ふふ俺もなんだかんだ酔ってんな、まぁ本心だからいいか」
そんなこんなでルシファーを部屋まで運び布団に寝かしつけて居るとふと気づいたことがある。
何故か布団が2枚あるのだ。
「おいあいつら、絶対わざとだろ。サキュバス辺りが女将に仕込みやがったな。あの野郎ども5人でいた時に示し合わせたな、あの3人絶対寝てねぇだろ」
ジルは色々なピースがハマり謎が解けた
「まぁいいや、めんどくさいからここで寝よう。どうせ俺の部屋に布団ないんだろうし」
ジルは諦めルシファーの隣で寝た
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