概要
男性は日置総一郎と言い、自分は幽霊だと説明する。
戸惑う琴葉に、総一郎は、「心残りはただひとつ。恋愛経験が無いことです。僕のことが見えたのも何かの縁だと思って、僕と付き合って下さい」と交際を申し込む。
困惑する琴葉だが、「自分以外、総一郎が見えない」、「総一郎は幽霊のせいか、自分にさわれない」ということを確認するにおよび、「実害はないのでは」と、総一郎の申し出を受けた。
そうして。
総一郎が姿を消すまで。
琴葉と総一郎の、『恋愛ごっこ』が始まった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『恋愛ごっこ』が終わっても……。二人の行く先を見守らずにはいられません
駅前で琴葉が出逢ったのは、「幽霊」の男性、総一郎。
恋愛したことがないのが未練で、成仏できないという彼の「つきあってください」という申し出を琴葉は受け入れ、幽霊との同居が始まるが……。
のっけから心を鷲掴みにされる冒頭。
しかも、「幽霊」なので、ふれあえないのです、この二人。
もう、この設定の妙に、悶えること間違いなしです!
それぞれに事情を抱える琴葉と総一郎。
お互いに寄り添う二人の『恋愛ごっこ』が、『ごっこ』じゃなくなったとき……。
見守らずにはいられない二人の想いの行く末、ぜひともお読みください!
素敵な番外編までついて、ラストは感涙間違いなしです!
(途中でも何度も泣きまし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!幽霊だって恋愛したい!
仮に自分が幽霊だとして、成仏できないままこの世にとり残されたとして、そして恋愛未経験だったとしたら、どうするだろうか? たぶんカワイイ女の子にこっそりついていったり、女湯を覗いたりはすぐに頭をよぎるけど、実際はしないと思うんですよね。透明人間以下の存在として何もできない身では不毛だし。
(注:今作の幽霊はそんなことはしません)
だけどそんな状況で自分(幽霊、無色透明、男)を見ることができる女性(フリー、けっこうカワイイ)がいたら、やっぱりナンパすると思うんですよ、間違いなく。
「君変わってるね~、僕のことがわかる女なんてそうそういないよ? え? きもい? そんなことないよ! 人畜無害だよ!…続きを読む - ★★★ Excellent!!!寄り添う、という愛情表現の尊さ
ヒロインの菅原琴葉と、幽霊である日置総一郎の「恋愛ごっこ」。
一方は未練を解消するために、もう一方は生活環境の都合で、この奇妙な関係が始まります。
ラブコメから始まってホラーっぽい雰囲気を挟み、優しくも切ない感動の物語へと昇華していく構成は凄い。
すらすらと読んでいける文章も非常に上手でストレスがありません。
さて、彼氏役が幽霊ということで、当然肉体的な接触はない(ちょっとは感じ取れる)。
だからずっと一緒にいるだけ。
その寄り添うという行為が、ただそばにいて話を聞いてくれるという姿勢が、なによりも人を安心させるのだと気づかせてくれる。
どこか近くて遠い関係性が二人の心を救うことになったの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!喜怒哀楽、全て感じさせられるストーリー
喜怒哀楽! 人間の感情! そしてこれらを感じさせる物語を人は名作という! そしてこの作品ではそれら全てを感じた! 詳しいことを今の俺は凄く語りたい! でも語ってしまうとシャレにならないレベルのネタバレになってしまうため言えない! だが俺はコトちゃんと総君が織りなす恋愛に喜び、途中出てくる奴らに殺意さえ抱かせるほどに怒り、途中経過に悲しみを覚えたし、本編最後まで読んで「読んでよかった!」と言えるくらいに楽しかった! 意味不明のレビューですまねえ! でもきっと読み終わった時俺のレビューは「はあ?」から「だよね!」に変わると思うんだ!
失礼しました。
私事なのですがこの作品、読むとき大体が電車…続きを読む - ★★★ Excellent!!!幽霊と恋愛。だからこそのヒューマンドラマ。
幽霊と恋愛するので「恋愛ごっこ」です。
これはネタバレではありません。この作品の凄味は人間関係をリアルに鮮明に描かれた感動作だからです。
「人物象は人物そのものが表現するのではなく、周りの人達がその人物を表す」
某有名漫画家が言っていた言葉です。
この作品はそれを体現したような自然な面白みを感じました。
読んでいて違和感がまったくないのです。
物語の進行に無理がなくスラスラと読めてしまう。その上、背後関係や社会の仕組みなどがしっかりと描かれているのが印象的でした。
一つ一つのファクターに意味があり、それが自然と読めてしまう面白さ。このキャラだからこうなる。このキャラだから……とすべ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!アラサー女子、恋愛経験ゼロの男子(幽霊)と同棲を始める
ヒロインの菅原琴葉は、ある日、駅前で「困っている男性」に声をかける。彼・日置総一郎は幽霊。その姿は琴葉にしか見えない。総一郎の心残りは「恋愛経験がないこと」。そのために成仏できないという。
「僕が見えたのも何かの縁だと思って、付き合ってください」
その申し出に、琴葉は困惑しながらも「私でいいのなら、いいわ。カノジョの振りをしてあげる」と承諾する。そして、アラサー女子と彼女いない歴=年齢の男子(幽霊)の奇妙な「恋愛ごっこ」が始まった。
1話1分ほどでサクサクと読んでいけるラブストーリーです。
序盤はコメディ感強めですが、少しずつシリアスな展開になり、じわじわと切なさが募ってきます。
恋…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『恋愛ごっこ』のその先で
ヒロインは菅原琴葉、29歳。ヒーローは日置総一郎──基本的に琴葉の目にしか見えない、幽霊。
総一郎を成仏させるため、2人は『恋愛ごっこ』を始めます。
「総君」「コトちゃん」と呼び合って、仕事帰りに待ち合わせてデートをして……確かに『ごっこ』ですが、決してごっこ遊びではありません。血の通った人間同士の交流が真摯に描かれています。
いえ、片方は幽霊なのですが、そこにも実は秘密があるのです。
物語のリアリティを支える地に足のついた描写がとても魅力的です。
仕事、過去の恋、家族、そして、人間の悪意と、なによりも愛情。
つらいシーンもありますが、作品に込められたメッセージが、そっと読み手の背中を押…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『ごっこ』が終わった、その時に。
アラサー女子に彼氏ができたよ!でもそれは幽霊で……しかも、「僕と『恋愛ごっこ』をしてください」だぁーーー!!??
……って、あらすじを見て、荒唐無稽なファンタジーだと思うでしょ?
思うでしょ??
違うのよ、これが!!
な、なんだ……なんなんだこのリアリティは!
同じアラサーの身にグサグサ刺さるぞ!?
ぐ、ぐあぁ……アラサー読者のHPは残りわずかだ!どうする?……どうする!?
と、なったりもするのですが。
彼らの、『恋愛ごっこ』が終わった、その時に。
読者は必ず、前を向いて歩いていける。
どうぞ、最後まで読んでください。
甘い夢だけでは終われないけれど。
夢物語では、いられないけれど。…続きを読む