駅前で琴葉が出逢ったのは、「幽霊」の男性、総一郎。
恋愛したことがないのが未練で、成仏できないという彼の「つきあってください」という申し出を琴葉は受け入れ、幽霊との同居が始まるが……。
のっけから心を鷲掴みにされる冒頭。
しかも、「幽霊」なので、ふれあえないのです、この二人。
もう、この設定の妙に、悶えること間違いなしです!
それぞれに事情を抱える琴葉と総一郎。
お互いに寄り添う二人の『恋愛ごっこ』が、『ごっこ』じゃなくなったとき……。
見守らずにはいられない二人の想いの行く末、ぜひともお読みください!
素敵な番外編までついて、ラストは感涙間違いなしです!
(途中でも何度も泣きました……)
仮に自分が幽霊だとして、成仏できないままこの世にとり残されたとして、そして恋愛未経験だったとしたら、どうするだろうか? たぶんカワイイ女の子にこっそりついていったり、女湯を覗いたりはすぐに頭をよぎるけど、実際はしないと思うんですよね。透明人間以下の存在として何もできない身では不毛だし。
(注:今作の幽霊はそんなことはしません)
だけどそんな状況で自分(幽霊、無色透明、男)を見ることができる女性(フリー、けっこうカワイイ)がいたら、やっぱりナンパすると思うんですよ、間違いなく。
「君変わってるね~、僕のことがわかる女なんてそうそういないよ? え? きもい? そんなことないよ! 人畜無害だよ! 僕の事触ってみ? ぞっとするから。 あ、ちょっと待って! 逃げないで~」
そんな「お巡りさんこの人です」事案寸前のところで何とか話をつなげ、相手の女性の家に転がり込むことに成功したものの、その女性もわけありらしいと。
そうやって互いのことを理解し合いながら、深まっていく恋愛ごっこ。果たして僕は無事に成仏できるのだろうか?
ヒロインの菅原琴葉と、幽霊である日置総一郎の「恋愛ごっこ」。
一方は未練を解消するために、もう一方は生活環境の都合で、この奇妙な関係が始まります。
ラブコメから始まってホラーっぽい雰囲気を挟み、優しくも切ない感動の物語へと昇華していく構成は凄い。
すらすらと読んでいける文章も非常に上手でストレスがありません。
さて、彼氏役が幽霊ということで、当然肉体的な接触はない(ちょっとは感じ取れる)。
だからずっと一緒にいるだけ。
その寄り添うという行為が、ただそばにいて話を聞いてくれるという姿勢が、なによりも人を安心させるのだと気づかせてくれる。
どこか近くて遠い関係性が二人の心を救うことになったのなら、この出会いは必然だったのだろうなと感じます。
物語後半ではまた別の関係性へと変化しますが、そばにいて支えることの大切さというか、一緒にいようよ!という心の叫びがガツンと伝わってくる。ここは是非最後まで読み進めて感動しちゃってください。
福祉の話も非常にリアリティがあって考えさせられますし、読んで損のない物語です。お薦めですよ!
喜怒哀楽! 人間の感情! そしてこれらを感じさせる物語を人は名作という! そしてこの作品ではそれら全てを感じた! 詳しいことを今の俺は凄く語りたい! でも語ってしまうとシャレにならないレベルのネタバレになってしまうため言えない! だが俺はコトちゃんと総君が織りなす恋愛に喜び、途中出てくる奴らに殺意さえ抱かせるほどに怒り、途中経過に悲しみを覚えたし、本編最後まで読んで「読んでよかった!」と言えるくらいに楽しかった! 意味不明のレビューですまねえ! でもきっと読み終わった時俺のレビューは「はあ?」から「だよね!」に変わると思うんだ!
失礼しました。
私事なのですがこの作品、読むとき大体が電車の中で読んでいましたが、正直後悔しています。何といってもコトちゃんと総君2人のやり取りににやつきますし、2人のラブラブシーンでは「いかん、こっから先を電車の中でみていたら! ああ、しかも隣女性じゃないか! これ最高にダメなパターンだ!」と思いましたし、それになにより、とあるシーンでは思わず涙が出てきました……こういうシーンに私は一際弱いと自覚してますが、それでも感動したシーンでした。話数は209話と長いですが1話1話がとても読みやすいため全く苦を感じないと思います。素敵な喜怒哀楽を感じられるストーリー、どうか皆さまも見てくだされ。電車の中で読むのだけはお勧めしませんが(笑)
幽霊と恋愛するので「恋愛ごっこ」です。
これはネタバレではありません。この作品の凄味は人間関係をリアルに鮮明に描かれた感動作だからです。
「人物象は人物そのものが表現するのではなく、周りの人達がその人物を表す」
某有名漫画家が言っていた言葉です。
この作品はそれを体現したような自然な面白みを感じました。
読んでいて違和感がまったくないのです。
物語の進行に無理がなくスラスラと読めてしまう。その上、背後関係や社会の仕組みなどがしっかりと描かれているのが印象的でした。
一つ一つのファクターに意味があり、それが自然と読めてしまう面白さ。このキャラだからこうなる。このキャラだから……とすべて納得がいくリアルさが本作の魅力でしょう。
異常なまでのリアルさっと言っても過言はないです。
作者様が訴え掛けたいテーマも痛いほど伝わりました。
これは只の恋愛小説ではない。
そう、人間ドラマと現代社会への挑戦でもある作品。
「幸せ」とは? 「恋愛」とは? 「家族」とは?
数々の願いがこもった物語。
読後、あなた様が心に残った事はとても大切な感情のはずです。
ヒロインの菅原琴葉は、ある日、駅前で「困っている男性」に声をかける。彼・日置総一郎は幽霊。その姿は琴葉にしか見えない。総一郎の心残りは「恋愛経験がないこと」。そのために成仏できないという。
「僕が見えたのも何かの縁だと思って、付き合ってください」
その申し出に、琴葉は困惑しながらも「私でいいのなら、いいわ。カノジョの振りをしてあげる」と承諾する。そして、アラサー女子と彼女いない歴=年齢の男子(幽霊)の奇妙な「恋愛ごっこ」が始まった。
1話1分ほどでサクサクと読んでいけるラブストーリーです。
序盤はコメディ感強めですが、少しずつシリアスな展開になり、じわじわと切なさが募ってきます。
恋愛経験ゼロであるがゆえに不器用な総一郎。でも、本当は琴葉も……。恋愛に臆病になっている彼女の心の傷を、総一郎がぎこちなく、優しく癒やしていく。次第に「恋愛ごっこ」の域を超えて、真剣に惹かれ合っていく2人。でも、お互いの体に触れることができない、人目のあるところで会話することもできない。
そして、ついに「恋愛ごっこ」は終わりを迎えるのですが……。
その「終わり方」の意外さは、ぜひ読んで体験してみてください。ラブコメに笑い、不器用な2人の恋愛にほっこりし、切なくなり、最後は考えさせられる(でも素晴らしい)ハッピーエンドが待っています。
ヒロインは菅原琴葉、29歳。ヒーローは日置総一郎──基本的に琴葉の目にしか見えない、幽霊。
総一郎を成仏させるため、2人は『恋愛ごっこ』を始めます。
「総君」「コトちゃん」と呼び合って、仕事帰りに待ち合わせてデートをして……確かに『ごっこ』ですが、決してごっこ遊びではありません。血の通った人間同士の交流が真摯に描かれています。
いえ、片方は幽霊なのですが、そこにも実は秘密があるのです。
物語のリアリティを支える地に足のついた描写がとても魅力的です。
仕事、過去の恋、家族、そして、人間の悪意と、なによりも愛情。
つらいシーンもありますが、作品に込められたメッセージが、そっと読み手の背中を押してくれます。
膨大な応援コメントを通して、他の読者の皆様と共に一喜一憂しながら読めるのも大長編の魅力だと思いました。
どうぞ、番外編まで読んでください。幸せな気持ちになれます。
アラサー女子に彼氏ができたよ!でもそれは幽霊で……しかも、「僕と『恋愛ごっこ』をしてください」だぁーーー!!??
……って、あらすじを見て、荒唐無稽なファンタジーだと思うでしょ?
思うでしょ??
違うのよ、これが!!
な、なんだ……なんなんだこのリアリティは!
同じアラサーの身にグサグサ刺さるぞ!?
ぐ、ぐあぁ……アラサー読者のHPは残りわずかだ!どうする?……どうする!?
と、なったりもするのですが。
彼らの、『恋愛ごっこ』が終わった、その時に。
読者は必ず、前を向いて歩いていける。
どうぞ、最後まで読んでください。
甘い夢だけでは終われないけれど。
夢物語では、いられないけれど。
幸せな物語の幸せな主人公に、きっと、誰もがなれるから。
アラサー女子と年下ワンコ系男子のもどかしい恋愛模様を主軸に、彼らを取り巻く厳しい環境の様々が描かれた作品です。
仕事上から生まれる様々なトラブルと、過去の恋愛のトラウマを一人で抱え込んでいるヒロイン・琴葉。
そんな彼女に『付き合って下さい』と言ってついてきたのは、年下ワンコ系男子……の幽霊。
この幽霊、総くんにも実は様々な秘密が隠されています。
想い合っているのにすれ違うもどかしさ、幽霊以上の悪意で襲いかかる生きている人間こその恐ろしさ、そして二人の『恋愛ごっこ』に訪れる分岐点……どこまでも目が離せない展開の連続です。
また個性的で魅力的なサブキャラにも注目。
特に、ヒロインが迷った時に叱咤激励してくれる先輩上司のカッコ良さに女子なら誰でも痺れてしまうはず。
伝えたいことが多すぎて取り留めのないレビューになってしまいましたが、胸に仄かな余韻を残すラストまで一気読み必至のラブストーリーです!
タイトルにある『恋愛ごっこ』。
最初は、ヒーローである総君が幽霊で、彼の女性と付き合った経験がなく死んでしまったという未練を解消させて成仏を促すための、本当は恋人同士になるはずではなかった二人の物語だから、『ごっこ』なのかな、と思っていました。
いえ、たぶん私だけではなく、読者はみんなそう思って読み始めたのではないでしょうか。
それに、きっと、冒頭のそういうやり取りのことも織り込んで、そういうタイトルをつけられたのでしょう。
でも、物語が進んでいって、総君の正体が、本心が明らかになった時、そういうことだったのか、と得心がいって。
最後の最後、実は、『ごっこ』の部分にはもうひとつの意味も込められていた、ということも明らかになって。
この『恋愛ごっこ』が終わって、本当によかった。と、読者の私はとても安心しました。
触れ合えることは奇跡で、とても温かいことで、優しいことなのだ、と。
読み終わると、誰かと手をつなぎたくなります。
過去の悲しかった出来事、現在の悲しい出来事、すべてを乗り越えて、二人で手を取って前に進む。
きっと琴葉の未来にはまだまだつらいこと苦しいことが待っていることでしょう。『恋愛ごっこ』が終わって、始まった本番。これから先の人生の方がまだまだ長く厳しいものでしょう。
だけど、大丈夫。
彼女は強くなれた。
だって――以下ネタバレのため割愛します、ぜひ本文を読んでください!
それにしても、毎日更新してくださって本当にありがとうございました。
一日に何度もカクヨムを開いて更新をチェックしていました。連載を追い掛ける喜びをめいっぱい味わいました。
今完結まで一緒に駆け抜けられたような気がしてとても幸せな気持ちです。
幽霊が恋人なんて摩訶不思議なことですが、そんな不思議な体験を経て一組の男女が幸せをつかむ物語です。
主人公の女性は29歳で恋愛経験もあるものの、その度に傷ついてきた心の傷を癒せずにいます。そんな彼女に幽霊が恋人になってくれませんかと声をかける。そんな幻想的な出だしから物語は始まります。
そこからのあらすじは作者様の書かれている通りなのですが、二人の距離感と主人公琴葉ちゃんの気持ちがほぐれていく様子が、読んでいて幸せを感じます。相手が幽霊なのに、自分に触ることも出来ないのにキスをするのにドキドキしたり、手をつなごうと思っても繋げなかったり、微妙な心の動きが読み手の心をくすぐります。
さて幽霊との恋ですが、幽霊の彼、総一郎君がある日を境に消えてしまいます。琴葉ちゃんが幽霊に本当に恋をしていた感情、心の喪失、このあたりは読んでいても辛いところなのに、もっと辛い物語の波状攻撃がはじまるのです。
この終盤の波状攻撃はジャンル的に「武州作品」と名付けることにしましたけれど、いったいどうなるのか、最後に二人は幸せになるのか、ぜひ最後をご自身で読んでみて下さい。きっと幸せな気持ちになれると思います。
(今月見つけたハッピーエンド1選/文=ハッピーエンド教・教主)
OLのコトちゃんが「人」助けのつもりで声をかけたのは、まさかの「幽霊」でした…。
幽霊の総くんは自称童貞の頼りなさげな気の良い青年。
OLのコトちゃんは、頑張り屋で、芯が強い女性。
だと最初は思ってたのですが、いい意味で完結した今、印象が変わりました。(ここではネタバレになりそうなので言いません)
ただ1つ言うなれば、どんな展開でも安心してください。
この物語は、ハッピーエンドです。
コトちゃんも、総くんも(総くんが幽霊であることを除けば)至って普通の若者です。
「わかるわかる、この気持ち」
私も読んでいるうちに何度思ったでしょうか。
コトちゃんの不安も、総くんの葛藤も、コトママの心配も全て、とてもリアルで、コトちゃんと総くんの生活を垣間見ているような気分になります。
ほんわかした幸せが見たい方、現実にありそうな恋模様が見たい方。
ぜひ読んでみてください。
「自分は重い」
そう思ったことはありませんか。
仕事で失敗してへこんだ時も、誰かと喧嘩して引きずる時も。誰かの笑い声が、一人ぼっちで過ごす自分の存在を塗りつぶしていくような気持ちになる時も。筋が通らない悪意をぶつけられ、恐怖で萎縮する時も。
何か言わないと、誰かに伝わらない。
でも、言葉が見つからない。
考えて考えて、思考の渦にはまって、「結局自分が悪いんだ」と、自己嫌悪に走ったり。「言っても、相手にはわからない。相手にとって迷惑なだけ」「悩んでいることを否定されたら立ち直れない」。
そう思って、過去に置き去りにした気持ち、ありませんか?
これは、そんな過去の気持ちを、主人公のコトちゃんと、幽霊の総君が代弁してくれるような物語です。
重苦しいわけでも、ましてや悲しい物語でもありません。人の弱い部分にそっと寄り添う、あるいは力強く励ましてくれる、優しい物語です。
二人が名前を呼ぶだけで、言葉を交わすだけで、抱きしめて触れ合うだけで、本当に嬉しくなるハッピーエンド・ラブストーリー。どうぞ、笑顔でお読みください。