過去に置き去りにした想いを、代弁してくれる物語です。


「自分は重い」

 そう思ったことはありませんか。

 仕事で失敗してへこんだ時も、誰かと喧嘩して引きずる時も。誰かの笑い声が、一人ぼっちで過ごす自分の存在を塗りつぶしていくような気持ちになる時も。筋が通らない悪意をぶつけられ、恐怖で萎縮する時も。
 何か言わないと、誰かに伝わらない。
 でも、言葉が見つからない。
 考えて考えて、思考の渦にはまって、「結局自分が悪いんだ」と、自己嫌悪に走ったり。「言っても、相手にはわからない。相手にとって迷惑なだけ」「悩んでいることを否定されたら立ち直れない」。
 そう思って、過去に置き去りにした気持ち、ありませんか?

 これは、そんな過去の気持ちを、主人公のコトちゃんと、幽霊の総君が代弁してくれるような物語です。
 重苦しいわけでも、ましてや悲しい物語でもありません。人の弱い部分にそっと寄り添う、あるいは力強く励ましてくれる、優しい物語です。
 二人が名前を呼ぶだけで、言葉を交わすだけで、抱きしめて触れ合うだけで、本当に嬉しくなるハッピーエンド・ラブストーリー。どうぞ、笑顔でお読みください。

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