「私が主人公の、私が幸せになる物語」を読みました

タイトルにある『恋愛ごっこ』。
最初は、ヒーローである総君が幽霊で、彼の女性と付き合った経験がなく死んでしまったという未練を解消させて成仏を促すための、本当は恋人同士になるはずではなかった二人の物語だから、『ごっこ』なのかな、と思っていました。
いえ、たぶん私だけではなく、読者はみんなそう思って読み始めたのではないでしょうか。
それに、きっと、冒頭のそういうやり取りのことも織り込んで、そういうタイトルをつけられたのでしょう。
でも、物語が進んでいって、総君の正体が、本心が明らかになった時、そういうことだったのか、と得心がいって。
最後の最後、実は、『ごっこ』の部分にはもうひとつの意味も込められていた、ということも明らかになって。
この『恋愛ごっこ』が終わって、本当によかった。と、読者の私はとても安心しました。
触れ合えることは奇跡で、とても温かいことで、優しいことなのだ、と。
読み終わると、誰かと手をつなぎたくなります。
過去の悲しかった出来事、現在の悲しい出来事、すべてを乗り越えて、二人で手を取って前に進む。
きっと琴葉の未来にはまだまだつらいこと苦しいことが待っていることでしょう。『恋愛ごっこ』が終わって、始まった本番。これから先の人生の方がまだまだ長く厳しいものでしょう。
だけど、大丈夫。
彼女は強くなれた。
だって――以下ネタバレのため割愛します、ぜひ本文を読んでください!

それにしても、毎日更新してくださって本当にありがとうございました。
一日に何度もカクヨムを開いて更新をチェックしていました。連載を追い掛ける喜びをめいっぱい味わいました。
今完結まで一緒に駆け抜けられたような気がしてとても幸せな気持ちです。

その他のおすすめレビュー

日崎アユム/丹羽夏子さんの他のおすすめレビュー341