第一章 7俺達の能力

 

 ______


 ダーク・ゴッド。


 仲間は探せたかね。

 ま、早速なのだが明日第一回戦を開催する。

 トーナメント方式、全10チーム(2チームシード権)計50名

 団体戦方式で行う事にしている。


 先鋒、次鋒、中堅、副将、大将


 3勝したチームの勝ちだ。

 尚、一回戦目で負けた4チーム計20名は能力剥奪とする。

 シード権チームは準決勝からの参加とする。


 ダーク・ゴッドのチームはシード権無し一回戦からの参加とします。


 対戦チーム


 武石蘭たけだらんlv.88

 エリーlv.70

 世界最強の俺様にひれ伏せろlv.3

 セドナlv.90

 ウムガルナlv.80



 以上、明日正午自動的に戦闘エリアに転移します。

 尚、この大会に出場していない50名は異世界にてドラゴン退治をしてもらってます。


 _____




 この紙が空から降ってきた。


「あぁ、なんかツッコミどころ満載だな」

「せやなぁ……」


 明日の正午、俺はバイトの時間ではない。

 いや、むしろ俺にとっては寝てる時間だ。


「あの、この先鋒とか決めませんか?」


 メリージュの提案だ。


「そうだな、まず能力って全員違うのか?」

「ええ、恐らく……」


「全員能力発表でもしようぜ」

「うぃーーっっしゃーーす!!」


 ……エル・クラスが分からねえ。

 どういう精神状態なんだろう。

 ま、俺達は公園で円になり話し合う事にした。



「俺はバイト休憩中にのみチート能力解放だ!!」

「へ?」

「はい??」


 ショコラとエル・クラスが響めいた。


「あ、いや、だから、バイト休憩中のみチート能力解放だ!!」


「それ使えんやん」

「そーーっっっれれれなぁぁぁぁあ!!フゥゥッッ!」


 ショコラとエル・クラスは何も分かっていない。俺の最強さに。



「催眠術をいつでも使える セータンは我が奴隷だ」


「何でやねん!可笑しいやろ!」

「ショコラ、本当だ 我は奴隷」


 少し話しずらい空気になり、ショコラから冷たい視線が来る。


「それは凄いねーーえええっっいいっ!!」


「ま、俺の能力はこんなもんだ エル・クラスの番だ」


 エル・クラスのナイスフォローなのかは分からないが、彼のおかげてこの空気は少し良くなった。

 だが、ショコラからの視線は相変わらず冷たい。


「オレっちは格闘技専門よぉぉぉっっ!!見ててくれーーっっっい!!」


 そう言うと、エル・クラスは立ち上がり、ナックルを手に装備した。

 少し重そうだが、コンパクトな形をしている。


「麗襲砕れいしゅうほう!!」


 トイレの壁に向かって攻撃をし、トイレが砕けた。


「ばか!こんな所でやるなよ!!」

「どーっっっっ……だ!!」


 まあ、こいつは頭のネジが吹っ飛んでる奴だが、実力は確かだ。

 俺みたいにバイト休憩だけ、ではなくいつでも使えそう。


「ちなみにオレっちはレベル50!しくよろーーっっっつ!」

「50とか話にならんわ」


「ダーク……」


 ショコラがエル・クラスにレベルの事で弱い弱い言っている所、セータンが声をかけてきた。


「ん、どした?」

「私先鋒になる」


「あら、そうなのですね」


 それを聞いていたメリージュも会話に入ってくる。

 そういや、今はどんな能力があるか、よりも順番を決める方が先だ。


「うちは中堅あたりで出させてな」

「オレっちは次鋒でぇぇぇええ!!」


 なんか勝手に決まってきた。


「じゃあ、私は副将を致します」


 そして、俺は必然的に大将になった。


 ってか、魔王と女神が居る時点で一回戦とか楽勝だろ。

 って言う前に相手がメンバー集めてなかったら不戦勝出来るしな、良いか。


「よし、なら俺は大将だ よろしくな」


「ああ!」


 チームとして、まとまってきた。




 だが、俺はこの時気づけてなかった。

 何故俺達がチームになったのか……

 そして、何故能力を保持しているのか……




 その日、俺達は公園で爆睡した。



「うぅぁぁ……よう寝たわ……」

「あ、ショコラさん おはようございます」


 ショコラとメリージュが起床する。


「あんたいつから起きてたん?」

「いえ、私は元々寝ていません」

「え?大丈夫なん?」

「私なんて……」


「うううーーっっわーーっしょおおおおい!!」


 エル・クラスが物凄いハイテンションで跳ね起きた。


「おはよーーっっふぅぅぅー!」

「相変わらずなテンションやな」


 今日が第一回戦の日だ。

 俺とセータンはまだ夢の中にいた。



「え!?まって!ちょ、クラス!見て!メリージュも!!」

「うぉぁぁぁぁあっっっ!!」

「あら……」


 ショコラの誘導に二人は少し驚いていた。


「この二人どんな関係なん?!」

「オレっちには分からねえぜーっっ!」


 俺とセータンは向かい合って手を繋ぎながら寝ていた。


「恐らく付き合ってるのかと……」

「嘘やん!嘘やろ!?メリージュ!!」


 メリージュとショコラが何か話している。


「うぅ、どうしたんだ?」

 俺は目覚めた。

 まあ、耳元で騒がれたら嫌でも起きるわ……


「あ、いや何でも無い」

「イチャイチャしてんじゃねええええーーっっっって言いてえんだーーぜ!!」


 何やらショコラとメリージュの様子がおかしい。そして、エル・クラスの言っている意味が全く分からない。


「ふにゃ……ダークおはよ……ぅぅ」


 眠たげな表情でセータンは目覚めた。

 俺は何故かセータンと手を繋いでいるのだが、普段から繋いでいる為離さなかった。



(エリア0001戦闘場へワープ)


「なんや!?」

「分からねえ!セータン離すなよ!!」

「うむっ!」

「うおおおぁぁぁぁぁーーっっっしょーーい!!」


「……またですか」


 メリージュ以外大パニックだ。




 …………





 目が開くとそこには大きなリング場があり、扉はどこにも見当たらない、まるで箱の中だ。


「ダーク……」

「セータン!!怪我してないか?!」

「我は平気だ、それより……」



『第一回戦 先鋒戦開始致します 先鋒メンバーはリングへお上がり下さい』



 周りを見渡すと俺達チームの5人と、見知らぬ5人が居た。

 敵チームなのだろうか。



「ダーク、行ってくる」

「あぁ、無理するなよ!」



 ってか、この対戦何が基準で勝敗が付くんだろうか?

 見た所審判員の様な人は見当たらない。


『早くお上がり下さい』


 この声、ステータス見る時に毎回聞こえる声と一致している。



「ふっ……やってやろうじゃん」


 超絶イケメンなのに服装がパンツ一丁で、そのパンツが虹色という最悪な奴がリングに上がった。


『では、ルールを説明致します 死亡或いは意識を無くならせた方の勝利 リングから落ちたら敗北 リタイアは可能です』


(え、今……)

 あれ、声が出せねえ……


『対戦中以外の方は声が出せません これは第三者による戦術や相手の能力を教えると言う事を避ける為です』


 そうか、俺らは相手の能力が分からない。

 この勝負、結構楽しくなってきそうだな……

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