第一章 10殺人鬼と呼ばれたあの日
(次鋒戦開始致します)
始まりましたね……
「やぁぁぁぁぁぁあ!!」
目にも留まらぬ速さで殴りにかかるエリー
「うぐぁぁぁぁっっっしょーーっ!!」
危ない、リングから落ちそうになった。
にしても、ただ殴られただけなのに致命傷レベルの強さがある。
相手の身体能力が高い?
いや、開始前とは別人だ……どういう事だ?
「おおおおおりゃぁぁぁぁあ!!」
とりあえず避けないと死ぬ。
「おおおおおおおおー!!!」
「うりゃぁぁぁぁがぁぁぁ!」
奇跡的に避けたが、別に相手は銃の弾丸ではなく、人だ。ストレートのパンチを交わしたところでアッパーやフック、或いはキックが来る。
「おわぁぁぁぁぁっっやーーっしょ!!」
少しまずい……
☆☆
なかなか能力出して来ませんわね。
私の能力はステータスを百倍にする能力ですわ。
早く倒したいですのに……
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うーーーーわっっっぁぁあ!!っしょい!」
あれ?読んでますのん!?
連続でやっているのに当たらない……
少し本気で行きましょう。
「うぉぉぉぉぉぉおお!!」
「あ、ぁぁぁぉそっちにきたぃぁぁぁぁあ!っっっしゃーーーす!!」
エル・クラスをリング外へ飛ばした。
(次鋒戦勝者 エリー)
「オレっっち負けたぜよぉぉぉぉお!!」
なんだ、ただの雑魚だったのね。
☆☆
これ、勝てます。
相手は自身のステータスや身体能力を倍以上にする能力でしょうね。
もう目は慣れました。
勝てる試合なのですが、ここは負けないといけません。
先鋒戦、セータンさんが勝利を収めた今、僕が負けてもまだ後はあります。
僕は負けないといけない。
それは、みんなの為でもあるのですが、僕の為でもある。
僕の能力がこんなシステムだから……
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うーーーーわっっっぁぁあ!!っしょい!」
あ、完全に避けてしまった。
敢えて当たりにいかないといけないのに……
あまり早くないから避けてしまう。
「うぉぉぉぉぉぉおお!!」
これは左フックから前蹴りが来ますね、ならば敢えて当たりに……
「あ、ぁぁぁぉそっちにきたぃぁぁぁぁあ!っっっしゃーーーす!!」
(次鋒戦勝者エリー)
「オレっっち負けたぜよぉぉぉぉお!!」
これで良いんです。
第二回戦に行く頃には…………
☆☆
「オレっっち負けたぜよぉぉぉぉお!!」
いやいやいや!!
何これ。
今回も2分で決着着いたんだが。
え、能力使ったらこんなもんなのか?
呆気ないというか、面白みがないというか。なんだろうか。
「あ、もう話せるんだな」
「ダーク……」
セータンは俺の手を握りしめながら俺の名前を呼んだ。
「ん、どうした」
「呼んでみただけ……」
「う、うむ」
「うーーーーっっわーっしょーーううう?」
メリージュが怒っている。
何故かは分からないが、オーラで伝わってきた。
エル・クラスもそれを察知している様子だ。
「何故能力を使わなかったのです」
「え?!使わなかったこととかありえませーーんよ!?」
「使わんかったん?なんでなん!?」
明らかにエル・クラスの様子が可笑しい。
確かに、エリーに攻撃されるだけで終わった気がする。
(中堅戦 開始致します)
変な空気のまま、俺達は会話禁止になった。
何か手が痛い。
「……」
セータンが少し怖がっている。
話せないこの状況が怖いのか……?
「ほな、行ってくるで」
俺は頷いた。
ショコラには勝ってもらいたい。
☆☆
うちが勝たんとキツなるさかい頑張らな。
うちはリングに上がった。
(中堅戦 開始致します)
「久しいな しの」
「え……」
中学の時剣道部で同じやった武田蘭がおった。
「やはりな、あの紙を読んで しのの名前があった時に確信したよ しのと戦うことになるってな」
「……」
「どうした?しのちゃん いや、殺人鬼」
「……」
「殺人鬼さん無視か」
武田蘭は大きく笑った。
「黙れや!!」
「あらあら、やっと話したわ」
「ぁぁぁぁぁぁ!!無双波動むそうはどう!!」
二刀流になり、武田の心臓を狙った。
「鈍いねえ 雪剣技スノー・テクニック!!」
見破られ、弾き出される。
「くっ……あんたに負けるんか……」
…………
剣道の府大会……
うちは人を殺した。
これ勝てばベスト4になれるって試合やったんや。
うちは今やってる、この戦いと同じ中堅として出場した。
けど……
うちは負けたか勝ったか鮮明に覚えとらん。
中堅戦が終わって、相手の選手が暴れ出したんや。
「しのぉぉぉぉお!!そんなやり方でええんか!!」
そう。うちに対して感情を膨らませてた。
相手の選手は日本刀を何故か持ってて襲いかかってきたん。
そこまでは覚えてる。
そこからは覚えてないんやけどな。
その暴れた選手は死亡した。
何故死んだのか。うちに分かるわけが無かった。
うちは日本刀を抜き付けられた時逃げてる勢いで足滑らせ、審査委員の机に頭ぶつけて記憶が飛んだ。
「しのっち」
「らん!」
うちと武田は親友やったんや。
いや、親友とうちが思い込んでただけやな。
病室にお見舞いに来てくれた。
「ありがとうな」
「ええよ、気にせんで」
うちはこの時まで暴れた選手が死んだ事は分からんかった。
でも、らんの口から出た言葉に衝撃を受けた。
「あんたは人を殺した」
うちは、否定する事も出来ひんかった。
だって、覚えとらんから。
見てた人は大勢いたはずやけど、実際結構パニックになって、暴れてる選手を色んな人が止めに入ってな。
誰が誰やか分からんかったらしいねん。
実際、マスコミにも取り上げられて、殺した人は分からない。事故死や。って事で終わったんやけど、うちは終わらんかった。
「黙っててやるから、私の事言う事に従ってもらう」
うちは、頷く事しか出来んかった。
うちと蘭だけしか居ない部室。
「来てええよー」
欄が人を呼んだ。
男子が3人入ってきたんや。
今、うちはロリっ子って呼ばれるけど、当時中1の時は身長あったんやで。
「うほほ、やってええんやな」
「マジでええん?!」
男子達は興奮していた。
「ええよ」
武田がそう言うと、うちは服を脱がされて、手足を抑えられて……
……犯された。
うちは親友に裏切られた上に処女を奪われた。
「いやぁ、妊娠してても知らんからな」
「誰の子供か分からんかったら大丈夫やろ」
「せやな」
男子達は好き放題やるだけやって帰った。
「これ、毎日してもらうからよろしくやで」
武田は部室を去った。
うちは服を着る気力もなくて、ただただ絶望した。
もう精神的にうちは殺された……
その日以来不登校になった。
あんな酷い犯され方をした。
あんなやり方で脱がされた。
こんなの可笑しい……
うちは、人間不信になってた。
当然、親は学校に行けって言うんやけど、行かれへん理由なんか言えるわけない。
うちには死ぬ選択肢しか無かった。
中1のうちは死ぬ事を決めた。
近所の道場にある日本刀で死んでやる……
切腹してやる……
犯された4日後……
家を出て、近所の道場に忍び込んだ。
せめて初めては自分が望んだ人とが良かった。
日本刀……かっこええな。
この刀は色んな人を昔殺してきたんやろうか。
日本刀を抜いて心臓に向けた。
ちょっと怖いけど、死にたい……
「あぁぁぁぁぁぁ!!」
ん?うちの心臓に日本刀が触れへん。
なんでや?
『貴方には死なれては困るのです』
「だ、だれや!?」
『私はメリージュ この世界の女神をしています』
「悪いけど、あんな仕打ち受けて生きるのは無理やわ」
『大丈夫 今は辛いかも知れませんが』
「何が大丈夫やねん!!」
うちは涙が溢れ出した。
死ぬより嫌な事をさせられたんやから。
それを知らん声が大丈夫って無責任すぎやろ。
『生まれ変わりませんか?うふふ』
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