第一章 9 エル・クラスの目的
我は、学校のトイレの中で絶望した。
カッターで心臓や手の脈を切ろうとすると弾かれる。
死ぬ事も許されない……
精神が狂いそう。
「やあ、せいな」
小さな小動物のような、モンスターみたいな生物が空を飛んで我に語りかけてきた。
「あなたは……?」
「僕はセータン 君の味方さ」
我は生まれて初めてかもしれない。
自分の味方と言ってもらえる幸せ、気持ちが楽になった。
「私の味方……?」
「そうさ もう大丈夫 せいなには別世界で僕と一緒にやって貰いたい事があるんだ」
「あなたと一緒に……?」
嬉しかった。
この時は、何を言われているのかサッパリだったけど、我を見てくれている、我を必要としてくれている。
人ではないけど、充分だった。
「魔界を助けて欲しい」
「魔界?怖い……」
「魔界は怖い所ではなくてね、結構良い所なんだ 僕達からしたらこの世界の方が怖いくらいだよ」
「本当……?」
こうして、我は魔界に転移した。
それから1年後、我が下界では小学校6年生になっている頃。
「我が領地……誰にも渡さん!!」
「せいな、やったね!」
魔界の魔王になった……
「せいな 僕をせいなの人格に入れて欲しいんだ」
「ん?どういう事?」
そう言うと、セータンは消え、我に力が漲ってきた。我はこの時、二重人格になった。
下界であったイジメられた過去は忘れもしないが、今はこっちの世界で楽しんでいた。
そして、我には心強い味方がいる。
体の中にいるセータンだ。
我の体は二人で一つ……
魔界で生活して約6年。
下界でいう所の高校三年生、17歳になった時、人生の転機が起きた。
☆☆
バイトの休憩中のみにしか発動出来ねえんだよなぁ……
召喚魔法ってやつ手にしたんだが、これどうやって使うんだろ。
魔王とか美少女とか出てきたりしねえかなぁ……
魔王で美少女、悪くないな。
「ん!?」
「きゃぁぁぁぁあ!!」
上に魔法陣が出来、人が降ってきた。
「だ、誰!?え!?だれぇぇぇえ!?」
「我が名はセータン!魔界で魔王をしている!こ、ここどこだ!?」
☆☆
これが我とダークの出会いだ。
今、こうして下界に舞い降りたわけだが、悪くない。ダークがいて、みんながいて……
セータンも居て、楽しいからな。
………………
この能力が剥奪されると言うことはセータンも消えるという事になる。
だから我は先鋒戦で最初に勝っておこう。と思ったわけなのだが……
この世界最強の俺にひれ伏せろって相手がなかなか強い。
ダークや他のチームメンバーの人達も真剣に我を見ている。
必ず勝たないといけない。
「レーディランス!!」
「レーディランスーっっぁと!」
小さな槍が沢山生まれ、両者叩きつける。
「いいっった……」
「ぐっ……やべ」
HPが残り1万6000だ。
相手のHPは1万6000……お、同じか。
相手のMPまでは表示されない。
セータンの為にもこの戦いに負ける訳にはいかない……
あの時、我が追い詰められた時助けてくれた唯一の味方、セータン。
☆☆
やべぇぇぇぇえ!!精霊結界ってやつが邪魔だ!!視野が狭すぎるわ!!
何か魔法きたらやべえ!!どうすんだ私!
「レーディランス!!」
ぁぁぁぁぁあ!!やべ!やべえ!!
「レーディランスーっっぁと!」
め、めっちゃ余裕な感じ出てたよね!?ね!?
「いいっった……」
「ぐっ……やべ」
やべえ、口に出てしまった!!
ってか、これ私勝ち目あるの!?ねえ!?
ある?!
ん?あの子何か真剣に見てる……
私のステータス!?まずいまずいまずい!
バレる!!
☆☆
私の攻撃は一応通用しているみたいね。
なら追い込みをかけていくしかない。
「黒き翼をこの混沌なる世界に宿さん!我が名はセータン!冥魔力第十節第一条……タイム・・ワールド!!」
「く、黒き……え、えと、翼?が、えーっと…おおおぁぁぁぁぁぁががぁぁあ!!」
リング場が真っ黒に包まれ黒い翼が数え切れない数落ちてくる、世界最強の俺にひれ伏せろはその羽に飲み込まれる。
「や、やべえ、死ぬ……あ、り、リタイア、降参で!降参!!降参ぁぁぁぁあ!!」
(先鋒戦勝者セータン)
な、なんで降参したのか良く分からないけど、勝てた……
「ダーク!やったよ!!」
「良くやった!」
今はセータンの他にもう一人味方ができた。
これからも一緒に居たい。
☆☆
(先鋒戦勝者 セータン)
え、はや。
呆気なく終わるもんなんだな。
「ダーク!やったよ!!」
「良くやった!」
え、世界最強の俺にひれ伏せろとか言う名前付けた奴がこれかよ。
「よう勝ったなぁセータン」
「っっっしゃーーーーぃぃいぇーーい!」
ちなみに、制限時間が設けられているらしいんだが、表示は12:31だ。
つまり2分半でこの試合が終わった。
「……」
「どした?」
メリージュは昨日からボーッとしてる。
「いえ、何も」
「ダーークーーー!!」
メリージュと話しているとセータンが近付いてきた。
俺の手を握っている。
「ん、どうした」
「これからもよろしくね」
「お、おう」
いや、どした?!
この2分半で何があった!?
乙女心ってのがまるで分からねえわ。
(次鋒戦開始致します リングへお上がり下さい)
「やっっっっほーーーーっっい!!ってきまーーふ!!」
「あぁ、いってらっ……」
(他メンバーの会話を制限します)
あぁ、また話せないのか。
結構辛いんだよなぁ……これ。
ま、エル・クラスがんばれ。
☆☆
「わーーっしょーーーううううい!!」
っていうキャラを作り上げている僕ですが。
これは飽くまでも能力の為……
僕の能力は決して格闘技だけではありません。
正直、僕より強い格闘家は幾らでもいる事でしょう。
僕の能力は…………
「あ、このうるさいのが敵ですのん?」
「うるさいぜーーっっ!ふぅぅぅっっ!」
相手はエリー、確かレベルは70……
能力不明、性別女性、足が長いのでストロークがありそうですね。
性格は少し強気とまで。
髪の毛が長い金髪、この髪は戦闘の邪魔になると断定。
「何ジロシロ私の胸見てんの!?」
「おおおおっっぱーーっっいさいこーーー!!」
誰が胸なんか見るものか。
まあ、キャラに合わせ、適当に食いついてやったものの。
少し自意識過剰が見受けられますね。
「さいてー!!」
罵る言葉が最低、という小学生レベルの言葉を使ってくる点では分析するタイプではなく、強さで勝負してくるタイプなのか。
なら序盤少し警戒した方が良いですね。
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