第一章 6ようやく集まり始める
「おはよー」
「ん、おは」
こいつとシフト入ると毎回疲れる。
昨日はレジの下に布団を敷いて寝るという誰もなし得ない偉業を果たした。
この前はコンビニの入口を閉鎖して事務室で寝ていたし、その前は店内を無人にして家に帰った事もある。
「おほっ……ごほっ……君た、たち、お疲れ、う、様っ」
「あ、店長お疲れっす!」
店長は帰っていったが、疲れる要素はダークにとって無かった。店長はただ12時間だけしか勤務してないからだ。
「じゃあ、頑張りますか!」
「黒沢、昨日から思ってたんだけどさ、手繋いでる子誰?」
「え?」
唯一のバイトで極端にアホなこいつがセータンを指さしながら興味津々に聞いてくる。
「我はダークの彼女だ!」
「ダーク?え、こいつの?!え」
「まてまてまてまて!!彼女じゃねえ!」
「ダーク、おやすみ」
「イキナリだな!!」
事務室でセータンは寝た。
何とか誤魔化せたようだが、確かにダークにとって、セータンの関係が良く分かっていなかった。
……
朝の三時になり、ダークは休憩を取ることにした。やっと休憩時間だ……。
「セータン、休憩だ」
「ふぇ……」
「行くぞ」
ダークは、結界に残してきたあの子を助けねばならないのだが、睡魔が彼を襲う。夜勤の時休憩は寝ないとやってられないのだ。
そう考えながらも、やっぱり公園に移動していた。
「ねえ、ダーク メリージュを召喚して」
「え、あぁ……召喚魔法か」
召喚魔法の条件。
それは、想像した人物が実在する事だ。
「やってみるかぁ……」
「召喚します 我が名はダーク・ゴッド……メリージュよ、今ここに舞い降りれ!」
辺りが一瞬にして明るくなる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「そこからぁぁぁぁあ!!?!」
ダークが上を見るとメリージュの足があった。メリージュはシトラスを着ている為、パンチライベントは起きない。
「うぁぁぁっっ!!」
メリージュは空から落ちてきたが無傷だ。
何故ならダークの頭が衝撃を和らげている。
「くっ……貴様が第939代魔王か……」
「いえ、魔王制度はありません 天界ですから」
「魔界を天界にしたとでも言うのか!?!」
このチーム大丈夫かよ。
ま、合流出来たから良いか……と思いながら眠りにつく。
☆☆
くっ……うちの立ち回りに隙あるわ
「陰陽進退いんようしんたい!!陰陽進退替技いんようしんたいかえわざ!!」
「横雲!虎一足とらいっそく!!浮雲!颪やまおろし!」
この結界なかなかええな、練習になる。
そこからうちは練習を続けた。
「連煉獄陣れんごくごくれん!!」
「滅剣ゼロ・ブレイド」
やっぱり相手おらんとイメージ湧かへんわ。なんか喉乾いたなぁ……ここから出るか。
「こっから出れるんやんな」
少女はこの前結界作り出した二人が逃げた時に押したボタンの前に着いた。
「え、え、えええー!!」
少女はワープした。
そこには昨日おった2人とメリージュがおった。
☆☆
「あー!!あの子!!あの子だ!!」
結界に取り残してきたロリっ子が公園に転移してきた。
「くっ……プログラムとやらは所詮プログラム 雑魚やわ」
「は!?我の結界が雑魚だと!?」
「まあまあまあ、まて、一人で出れたということは、あんた能力持ってるのか?」
ダークはこのロリ少女に問いかけた。
セータンの結界は弱くは無いはずだ、少なくとも一般人があのプログラムを破れるわけがない。
「ん?まてや、もう勝負始まってるんかいな」
「あ?」
何やら俺達は敵対視されているらしい。
「で、相手は誰や?」
「我だ!」
セータンが話を合わせてノリノリだ。
「……余計な事を」
ダークはため息を付いた瞬間、この公園は戦場になった。
セータンは武器無し、このロリは日本刀を一本手にし、もう1本を腰に巻いている。
「……」
メリージュは少し考え事をしているのか?
ロリっ子を見つめていた。が、ダークに心配している余地は無かった。
「やっと人と戦えるさかい頑張らな……
霞……」
セータンのこめかみに刀が向かうがそれを避けるが、第二撃目、上段より切り裂く。
「おおおっと!!危ないな」
「な……我の霞を しかしこれは囮だ
連煉獄陣れんごくごくれんぉぉぉぉぉぉお!!」
目にも留まらぬ速さで刀が動く。
それをセータンは避けているのか、喰らっているのかも見えない。
「百連撃!!」
「この程度で良く我に挑もうと思ったな」
ロリっ子の連撃をすべて避けていたのはセータン。人間とはいえ、魔王をやってただけの事はある。
「ねえ、貴女 レベルは?」
「聞いて驚くなや うちは76や」
「驚いたよ 我の方が上だということに」
二人の強さに唖然する。
ダークはあんなに残業して59レベだ。
「あんた レベルなんぼなん」
「レベル90、これ以上上がらないわ」
「嘘やわ!!」
レベル90がMAXなのか?
それとも人によって上限が違うのか……?
ま、今のダークはこうして考察する事しか出来ない。止めれる力が無いからだ。
「なら受けてみて 天地万物よ、我が気流となりて現滅せよ!!」
この公園に嵐のような風が吹き荒れる。
その風は全てセータンに集まっている。
「フェニックス!!」
風がまるで鳳凰になり、ロリっ子に襲いかかる。
「ええで 受けて立つわ……」
ロリっ子は腰に巻いている剣を持ち、二刀流になる。
「うぉぉぁぁぁぁ!!追双波ついそうは!!」
ロリの周りにゾーンのような物が見える。バリアみたいな物なのだろうか……?
「その程度の気じゃ我には敵わない」
「うぐっぁぁ!!」
フェニックスがロリに直撃した。
かなりダメージを受けている様子。
「おいおい、セータンやり過ぎだぞ」
「ダーク……」
「え?」
この会話を聞いたロリが驚いているが何故だか分からない。
ロリは紙を胸ポケットから取り出す。
「あ、その紙俺らにも届いたやつだ」
ダークはこいつ、敵チームなんじゃね?と考え始める。
「まって、味方やん!!」
「は!?」
「えええ!!!!?!」
ロリの発言にダーク達は驚きを隠せない。
だって、味方なら今のこの戦いの意味ってなんだ?
「あ、うちはショコラって名前でやっとるんやけど 本名ちゃうで」
「お、お、俺はダーク・ゴッド!」
「だっさ」
ショコラはメリージュを少しの間見つめる。が何もしない。
ダークの名前を侮辱するロリっ子ショコラ。ダーク・ゴッドよりカッコイイ名前ってこの世に存在しないと本気で思っているらしい。
「あの、さっきから誰が見てます」
「ん、どこから?」
メリージュが俺達に伝えてくる。
何かこのやり取り、前にやった様なやらなかった様な……
「うーーっっわーーっっしょーーい!!」
「なんやなんや!?」
「おわわわわわわわーー!!」
上からDJしてる人みたいなチャラ男がショコラの上に降ってきた。
「うーーっわ!足滑らしてしまったぁぁあ!!」
ーーテンションたけえ。誰だよこいつ。
「待たせたなぁぁぁぁあっっしょーーっい!」
「え、なんなん?こいつ」
ちょっとショコラがキレている。
ま、上から落ちてきて謝罪もないのだから、当然だろう。
「俺っちの名ぅは!エル・クラスッッッアーー!!」
「エル・クラス?誰やねんな」
「俺も分からねえ」
ショコラの意見に俺は同意した。
「あ、この人同じチームですわね」
「そ〜なんデスよぉぉぉっっふぅぅー!!」
メリージュの言葉に反応するエル・クラス。少しうるさい奴だ。
「やっほーーっっい!!オレっちは格闘家だ・・ぜーーぃぃぃい!!」
朝の三時から近所迷惑もいい所だ。
「あ、ぁ……そうなん」
ショコラが反応する。
「あれ?君達また紙降って来ましたねぇぇっっー!!」
「あ?」
ダークは上を見上げた。
紙が5枚舞い降りてきた。
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