第一章 2世界を創る

 


 ダークは母に報告する。


「俺、セータンっていう友達と住むことになったんだ」

「やすくん セータンさんって?」


 ダークこのチート能力やセータンの事を人には伝えていない。両親にも教えるつもりは無かった。


「セータンってのは、そうだな、うむ」


 あぁ、言い訳考えるの完全に忘れていて、言葉を探っている所へセータンが現れた。


「我のことだ」


「おおおおおおいい!!出てくんな!!」

「ぎょええええええ!!?」

「どうかしたか?」


 約21年間ずっと暮らしてきた母だが、こんな奇声を発するとは思わなかった。


「え、美人、え、え、どんな関係!?」

「いや、我はダークの奴隷だ」

「奴隷?ダーク?!」

「あ、ダークってのは やすくんの事なのですよ」


 母が凍り付く。


「セータン黙れ!」

 って言うのは手遅れだ。

 魔王であるセータンも特殊能力を保持してる為、転移魔法や追跡スキルなどでダークを監視してて何かあるとすぐ転移してくる。


「母さん、じ、じつは、そのですな、ね 俺達、付き合ってるんだ!!!!」


 投げやりに嘘を付いてしまうダークだが、正直嘘だって気付いて貰えると思っていた。


「え、え!?あんたに彼女!?!え、まって?え、嘘よね?本当なの?へ?!ま……え!?」


こうなった母とは冷静に会話する事が出来ない。催眠術かけることも出来るが、親にやりたくない。



「セータン行くぞ」

「あ、あぅ……」


 セータンも何か冷静ではない。

 ダークも恥ずかしさを内面に秘めながら、家を飛び出す。



「あ、行くって何処に行くんだ」

「う、うぅ、」


 ダークと魔王は今まで実家で暮らしていた。魔王には自分の姿を4次元にする能力があり、親には見つかってなかった。


「セータン、世界作れるか?」

「我に出来ない事は無い しかしここ下界で我が力を使うと言うことは世界の因果との関わりを作る事になり、それは軈て天界や魔界との関係が深くなるという事にも繋がり兼ねない、更にこの能力は原子と量子つまり量子物理学や……」


 長い、とにかく長い……中二病設定なのか本当の能力についてなのか判別が出来ない。


「……更に我魔界……いえ、元魔界魔王からすればこの下界は我が領地!!」


 話が終わったようだ。


「あれ、俺何の話してたんだ?」

「我がどこまで魔界魔王とし業績を成し遂げたか でしょ!」

「あぁ、そうだっけか」


 完全に本末転倒してしまい、ダークとセータンは歩き始める。気が付くとバイト先のコンビニに着いていた。やっぱりダークにはここしか無いんだろう。


 この場所、まあ厳密にはコンビニの裏にある公園なのだが。


「どうするんだよ……」



 ダークが何故魔王と二人だけで住もうと考えているのかについてだが、


 まず一つの理由は部屋に結界を貼り、能力を試す為だ。外で結界を貼ることも可能なのだが、結界を作った際、人間に見られる可能性が高い。


 二つ目は物理的な問題だ。

 ここ半年、セータンはダークの狭い部屋で暮らしてきた為、プライベート空間がない。



 まあ、最悪誰もいない森とかで結界貼れば良いのだが……




「ダーク……」







 ☆☆






 我はこう見えても魔界の魔王をしていた。

 つまり世界を一つ支配していたという事になる。

 今、我が領地魔界は天界に回っている……

 奴隷にされてる今、魔界に帰る事は不可能、ならば下界の世界を侵略してやろう。


「セータン?」


 しかし、それは不可能な話に近い。

 我はダーク・ゴッドの催眠術で動きが制限されている。


「おい、セータン!」


「あ、ダーク すまない」


 更に我の現人格は別人格だ。

 いずれ、この催眠が解かれた時……魔界諸共下界も征服する事になるだろう。


「我がこの公園に結界を作る」

「え!?今か?!」


 こう見えても我は魔界で序列一位だった……結界ぐらい楽に創れる。


「我が神域よ、現下の刹那を催す……インフェルノ!!」


 公園が灼熱の焔に包まれる。


「あ、いや待て!待て!!」


 神術により上空に螺旋が出来る。


「コアよ!!顕現せよ!!」


 その渦は膨大になっていく。


「ま、まて、まて!やべえぞこれ!!なんだ!?まて、まてえええ!!!!」


「魔界魔導書第9節第1章……結界術における最大魔術及び結界術に対する世界の理を適用致す」



 上空の螺旋は光を放ちながら消えた。





「……何あれ」


 木の影からこの光景を見ていた人物が居た。

 我々は気付いていない。


「面白そうやな」





 ……


「ダーク、結界が完成した 先に入った生命体が結界の支配者となる では、入るか」


「おいおい、それは良いけど、誰にも見られてねえだろうな」




 ☆☆

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