第二章 3それはイキナリやってきた
目を開けると公園の地面が見えた。
……ん、俺は何を。
寝返りを打とうとした。
「お、おいまじか……」
俺はまた膝枕して貰っていたらしいのだが、今はそこじゃない。
寝返りの弾みでセータンの谷間に俺の顔が触れている。
……ごめん、こんな状況だが、俺は限界だ。
俺は二度寝を取った。
多分凄い寝方をしている事だろう……警察に通報されても可笑しくは無いかも知れない。
朝になり、光が入ってくる。朝日は無く、雨雲が広がっていた。
その光で俺は目覚める。
「あぅ……ぅ、おはよ……」
「おは……うわぁぁぁぁあ!!」
俺はなんてことを……
セータンの真っ白いパンツを手に握りしめ、おっぱいを触っていた。
「あ、あの、う、ごめん……」
「はぅぅ……」
俺はとりあえず、パンツを返す。セータンは頬を赤らめながらも嬉しそうだった。
「あの映画みたいだったね」
「え?あ、え?」
昨日、俺は色んな事が一気にあった。
どれが夢でどれが現実だったのか、俺の中でごちゃごちゃになっている。
「あれ、俺らだけか?」
「何が?」
「いや、セドラとか……」
公園が本拠地になってたのだが、チームのメンバーが居ない。
「我も少し気になっていたのだが、来るね 第二回戦が」
「え?」
「転移魔法の前兆である魔力を感知してる 」
「マジかぁぁぁあ!!今かよ!!メンバー決めてなくね!?」
「おわぁぁぉぁぁまじかぁぁよおおお!!」
話している途端に転移が来た。
休ませろよ…………という思いは届かない。
転移した。
部屋への扉だろうか?
それが沢山あり、今回は密室では無さそうだ。
もう流石に転移させられる事になれてきているのだが、この毎回連れて来られる空間は一体何なんだ……?
『では、開始しまーす』
人間の声が聞こえてきた。
周りを見回すと俺達のチームメンバーはしっかり揃っており、相手は3名しか居ない。
『あ、ルールの紙落としまーす』
声の主が言うと、紙が降ってきた。
ちなみに、今俺達は声を発する事が出来ない。
______
二回戦へようこそっと。
団体戦で3回勝負ねー
ルール
両チーム6名に黒と白と赤のカードを配ります。1枚選んで、カードに名前を書き、投票を行ます。
より多く票が集まったカードの中でチームメンバーの多さにより決着をつけます。
例として
Aチーム、Bチーム、各3名
黒のカードに3名が投票
白のカードに2名が投票
赤のカードに1名が投票
この場合、一番投票された黒のカードの人数を見ます。
黒のカードにAチーム2名、Bチーム1名
の投票の場合、Aチームの勝利になります。
ただ単に運だけで行うわけではありません。
3回勝負で、3回とも投票前に一言発言権を設けます。
「私は○色に投票します」
このカミングアウトが6人分終われば投票開始となり、嘘をついた方は変更可能です。
カミングアウトですが、
3回中1回は本当の投票先、2回は嘘の投票先をカミングアウトします。
原則、投票は誰にも見られない能力の使用を遮断している場所で行います。
各回の結果発表と同時に全員の投票先を公開します。
基本ルールは以上です。
追加ルール、
黒のカードは1.5人分
赤のカードは0.9人分
白のカードは1.0人分
引き分けのシーンにて適用します。
頑張ってねー
あ、参加メンバーはね、
ダーク・ゴッド
セータン
エル・クラスでよろしくー
______
ま、まさかの心理戦きたか……
ん?まって?相手って…………
一回戦の奴らじゃねぇぇぇぇえ!!?
確か、第一回戦を突破するには、まずメンバーを集めるという条件があった。
何故3人しか居ないんだ?と思ったら、
ウムガルナが死に、セドラがこっちに来たからなのか。
いやいやいやいや、俺ら勝ったよな!?
何でまたこいつらと戦うんだ!?
『じゃ、フィールドにどぞ』
俺とセータンは相変わらず手を繋ぎながら歩いて向かう。
エル・クラスも同じくフィールドと呼ばれてる場所へ歩く。
何故か、無口なエル・クラス少し知的に見える。
『ちなみに、カードは個室で渡すからねえ』
個室か、不正はあんまり出来ねえみたいだな。ってか、俺とセータンは揺るがぬ愛があるが、エル・クラスとの連携大丈夫か?これ。
『じゃ、全員一旦カード選びに行ってねえ』
そう言われると6つの扉が開いた。
一回戦で闘った三人が各自個室に入る。
俺達も入りにいく。
『セータンくんとダークくん近すぎね』
警告を受けたからセータンが俺の手を離す。
一応ルール上禁止じゃないはずなのだが、何れにしても個室に1人で入るのには変わりなかった。
個室に入るとドアが自動で閉まった。
(カードを一枚選んでください)
んー、黒行っとくか……
俺は黒を指さした。
(分かりました カミングアウト嘘残り2回本当残り1回となっております 本当の投票先を言うと変更不可)
うむ、なら俺が黒に投票した。と言えば、変更出来ないんだな……
ただ、これ投票先出るんだよな。
なら最初から本当の事言ったという事を伝えて、後2回は俺は嘘しか付けないと言う事をアピールするか……?
いや、どうしよう。
(フィールドへどうぞ)
ドアが開く。
個室を出ると全員出てきていた。
『お、決めたみたいだねえー じゃ、カミングアウトどうぞ』
「オレっちは赤だっしょーーーーい!!」
……赤か、もしこれが本当なら票割れてるな。
「私も赤に入れましたわ」
相手チーム、エリーが発言した。
正直、初っ端から考えても分からない。
『ゴッドくんの番ですよ』
「あ、すまない 黒に入れた」
俺は始めから本当の事を言った。
これで俺は変更権が無くなった。
「赤に入れました」
武田蘭はそう言いながら
ハッ、ハ……ハッ!シロッ……とクシャミをした。
なんて言うセコ技だ。
その後、セータンは黒、世界最強の俺にひれ伏せろは白をカミングアウトした。
『ほーい、部屋戻ってねー』
この声誰なんだよ。
俺は個室に入ったが、本当の事を言ったから修正が効かない。
☆☆
なかなか勝てそうですね。
私のチーム、ダーク・ゴッド。
恐らく黒に入れてます。
これは推測になりますが、ダークという単語は黒を連想させます。
そう言った名前の印象を理由に票を入れるのは最初だけでしょう。
多分2回目は黒を使わないと見ました。
セータンさんですが、投票前までダーク・ゴッドと手を繋いでいるぐらいダークさんの事を気にかけている。
恐らく黒>白>赤で来ると思われますね。
白で来る要因としては、武田蘭のクシャミでの誘導……
今回、ダーク・ゴッドとセータンは本当の投票先を明かしたと見ます。
ならば、僕は敢えて外していきます。
実はカミングアウトは嘘で赤を言いました。
相手次第……という事になってきますね。
☆☆
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