概要
ある日、桃弥の家に大崎時正と名乗る男子が現れる。
時正は1945年の広島に住んでいたと語り、時正の話を信じた2人は時正と共に平和記念公園へ出掛け、雷に打たれ1945年8月2日にタイムスリップしてしまう。
刻一刻と迫る原爆投下。
桃弥と音々は……。
(戦争だけではなく、戦後の家族の絆も描いています。)
※作品は2016年の設定となっています。
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第5回カクヨムWebコン
朝読小説賞一次審査通過。
ありがとうございました。
第6回角川つばさ文庫小説賞
一般部門一次選考通過しました。
(二次選考通過ならず、応援ありがとうございました。)
メディアワークス文庫×3つのお
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!本作のモノクロームの意味を知った時、誰もが過去の凄惨な事実に涙する…。
――舞台は広島。時は、2016年から1945年夏へ少年少女がタイムスリップする物語――
ある日、桃弥の家に大崎時正と名乗る男子が現れ、物語は大きく動き始める。
時正は1945年の広島に住んでいたと語り、時正の話を信じた桃弥と音々は時正と共に平和記念公園へ出掛ける。そこで三人は雷に打たれ、1945年8月2日にタイムスリップしてしまう。
――刻一刻と迫る原爆投下の前に、とった彼らの行動とは一体?
戦時中の内容はとてもシリアス。事実として、もしかして、あったかも知れない内容に涙します。
信用と信頼。愛情と友情。繋がり深まっていく絆。理不尽な戦時中の世界観。失われた記憶と、思い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!過去の誰かの悲劇から、確かに生きていたあの人の体験へと変わる作品。
引き込まれるように本編+SSまで一気に読破し、SS12話で堪えていた涙腺が決壊して大号泣しておりました。
広島のお話ですが、ただ悲惨で残酷なお話しではなく、血も心も通った個々の人生を描いていて、それは資料として知る広島よりももっとクリアにもっとリアルに感じ取れるものでした。
本編では恐らく未完で、時正sideのSSを補完することでこの作品は完成するのだろうと思います。
時正くんの想いが切なくて優しくてそして温かくて、思い出すだけでこうしてレビューをしたためている時もまた涙がつたいます。
美しくも切ない素晴らしいラストでした。
こんな素敵な作品を書いて公開してくださった作者様に心から感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あの悲劇に対して何ができようか? それでも足掻きもがく様は圧巻!
アメリカ大統領が平和記念公園に訪れた年。
現代に生きるごく普通の学生、桃弥と音々。
二人は原爆投下数日前の広島にタイムスリップしてしまう。
その先を知っている二人は何とか被害を最小限に抑えようとするが……。
扱っているテーマはとてもシリアスですが、様々な人の情けや頑張りが主題のようです。
原爆投下の凄惨さ、平和の尊さをこれでもか、と強調する作品ではありません。
ゆえに、不思議な爽やかさえ感じます。
そしてタイトルにあるモノクロームの夏という意味。
これを知ったときにタイトルの重さに気づくはずです。
読めば当たり前の日常の有り難さを感じられますので、ぜひご一読を。 - ★★★ Excellent!!!変えたい未来があるのではなく、守りたい未来があるのです。
過去の人が現代へ、未来の高校生が過去へタイムスリップする物語は数あれど、この物語の最大の特長は、皆、優しく、素直だという点に尽きると思いました。
タイムスリップものでは、多かれ少なかれ、過去から来た人が現代の生きたかに絶望したり、過去へ行った人が当時の役人、軍人に憤る展開がありますが、本作の時正、音々、桃弥に怒りという感情は皆無です。
素直で正直で、ただ一杯のカレー、ただ1個のおにぎりに感謝できる、こんなものがと粗末にしない佳き人たちです。
そんな彼らが真剣に挑むのは、避難させる事。
原爆投下を止めたいのではなく、皆を避難させたいと行動するのです。
これは、奇跡や魔法の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!感動で、鳥肌が立ちました!!
1945年、広島に原爆が投下された瞬間、1人の少年が現代へとタイムスリップした。
2016年、広島に住む高校生・音々と桃弥の前に現れたのは、2人の祖父達と深い関わりのある時正という少年だった。
更に今度は、音々と桃弥が、時正と共に原爆投下のあの広島にタイムスリップしてしまい……。
時正は、なぜタイムスリップしてきたのか!
音々と桃弥は、なぜ何度もタイムスリップを繰り返すのか!
そこには、犠牲者だけでは終わらせられない、家族や仲間達とのあたたかいドラマがあった。
当たり前にある現在の平和で美しい国は、私達の祖先や過去の人間達が創りあげてきた尊いもの………。
戦争を知らない私達が二…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日本に原爆が落とされる日、少年たちと少女は運命と向かいあう
広島に住む高校生の「桃弥」と「音々」は幼馴染同士だったのですが、アメリカ大統領が広島を訪問した日、不思議な少年「時正」と出会います。
どことなく古めかしい格好をしていた彼は一九四五年八月からタイムスリップしてきたのです。
そして桃弥たちと時正の間に縁があることがわかり始めた直後に、今度は三人が終戦間近の広島にタイムスリップしてしまい……。
明るい物語ではありませんが、その底辺には「平和への願い」「家族愛」「命と向き合う大切さ」などいくつものテーマが描かれており、同時に「桃弥」と「音々」の青春物語でもあります。
戦時中でも懸命に生きようとする人々、原爆に人生を狂わされながらも家族を思いや…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あの日、あの時、あの場所に私たちがいたのなら。
1945年 8月2日にタイムスリップした幼馴染同士の桃弥さんと音々さん。そこで目にしたのはーー。
戦争、原爆の悲惨さを決して忘れてはいけない。風化させてはいけない。
今の平和が有るのは過去の過ちが有るから。
何度、警鐘しても繰り返されてしまう過ちは、何時になったらなくなるのでしょうか。そう、考えられずにはいられませんでした。
消えることの無い心の深い傷痕に、悲鳴に、願い。様々な想いが物語を通して伝わり、読んでいて正直心がとても苦しくなりました。
それでも、私たちはこの事実に目を背けずに、今一度この過去を受け止めなければならないのかもしれません。同じ過ちを繰り返さないため…続きを読む - ★★★ Excellent!!!もしも「あの日の広島」にタイムスリップしたら──
第二次世界大戦を経験した人々が減っていき、戦争や原爆の恐ろしさが風化していく現代。
平和な広島の街で青春を謳歌する二人の少年少女が出会ったのは、原爆の閃光によりタイムスリップしてきた一人の少年でした。
彼との出会いが、音々と桃弥をタイムトラベルへ巻き込みます。
原爆投下直前の広島にタイムスリップした二人は、時正や彼の仲間と共に原爆の投下から市民の命を救おうと奮闘するのですが──
当時の社会情勢の中、現代から来た二人と戦時中を生きる人々との出会いと交流が切迫した状況の中で描かれています。
彼らの奮闘は市民に届くのか、そしてタイムスリップしてしまった二人は現代に戻ることができるのか。
「あ…続きを読む