あの日、あの時、あの場所に私たちがいたのなら。

 1945年 8月2日にタイムスリップした幼馴染同士の桃弥さんと音々さん。そこで目にしたのはーー。

 戦争、原爆の悲惨さを決して忘れてはいけない。風化させてはいけない。

 今の平和が有るのは過去の過ちが有るから。

 何度、警鐘しても繰り返されてしまう過ちは、何時になったらなくなるのでしょうか。そう、考えられずにはいられませんでした。

 消えることの無い心の深い傷痕に、悲鳴に、願い。様々な想いが物語を通して伝わり、読んでいて正直心がとても苦しくなりました。

 それでも、私たちはこの事実に目を背けずに、今一度この過去を受け止めなければならないのかもしれません。同じ過ちを繰り返さないためにも。

 家族の絆も愛も、その全てが涙無しでは読むことが出来ないくらい、とても深い内容で、中高生の方だけでなく、大人の方にこそ一度拝読して欲しいと思う物語でした。

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