紅ノ雪(KURENAI NO YUKI) ~赤鬼と黒い蝶~

作者 ayane

73

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★★★ Excellent!!!

戦国時代に現代人が転移し、歴史改変を目指して大活躍!!
……と一言で表してしまうと安っぽくなってしまうので避けますが(言っちゃったけど)、主人公の苦心と苦悩が耐えないハードな読み応えになっています。

決して現代知識でチートなんかしません。転移したのはヤンキー女子高生で、戦国時代では人並み以上の腕力を身に付けていますが、それだけです。等身大の女の子です。
織田信長に取り入って立身出世を目指しつつ、信長といつしか恋が芽生え、本能寺の変で死ぬ運命を改変しようと奮闘します。

また、一緒に転移した主人公の姉も、なかなかの曲者です。
信長の正室に迎えられる「濃姫」になりすまし、政略と策略の渦中に巻き込まれつつも、彼女は明智光秀と恋仲になり、光秀を生かすべく歴史改変に勤しむわけです。

読者は学校の授業で信長と光秀の結末を知っているからこそ、手に汗を握ることが出来ます。
いかにして悲劇を回避するのか。信長と光秀の軋轢(なぜ対立したのか)は史実でも謎が多いのですが、本作ではそこにきちんとスポットを当て、両雄の確執を見事に書ききっていました。

主人公姉妹を歴史の空白にうまく嵌め込んで、説得力のある物語に昇華しています。
そこに一番感心させられました。お見事です。

……無論、ファンタジーとはいえ賛否の分かれる箇所もあるとは思います。
例えばタイムスリップの恩恵で人並み外れた膂力と肉体を手に入れたものの、歴戦の武将と渡り合う主人公はさすがに強すぎないか?
まぁそれを言ったらそもそもタイムスリップ自体が無理ある展開なわけで、そこは「そういう設定」として飲み込んで問題ないと僕は判断しました。

本能寺の変を迎えるまでの周到な人間模様の変遷が面白く、そして本能寺の変が起きたあとの、信長たちの結末も衝撃的です。
現代と戦国時代を結び付ける意外なオチにも注目です。大変興味深く拝読しました。

★★★ Excellent!!!

織田信長、明智光秀、それを取り巻く戦国武将と女たち。こう言ってしまえば歴史書通りの流れで終わってしまうが、多くの謎に包まれた人物がクローズアップされる事で、新たな見解や期待が出てくるものです。

タイムスリップは、歴史モノを扱う上で欠かせない動きの一つですが、女性陣が過去の歴史に入り込んでいくのは珍しいかなと。しかも、一人は暴走族だったり……作者様のキャラクター設定には脱帽です。暴走族の世界にありがちな暴力的な描写、女たちが心の奥底に持っている純愛の心、殿方を救うために奔走する強さ、上っ面だけの異色歴史奇譚と片付けられない構成と描写に、ついついページが進んでしまいます。

現代に戻ってきた後も、落ち着いたストーリー展開で読み手を納得させてくれます。ここが凄いと思います! 歴史を知るだけでなく、深い深い愛情を読み解く小説だなと感じました☆

★★★ Excellent!!!

 暴走族として荒れた日々を過ごす斎藤紗紅さんと、真面目に堅実な日々を過ごしながら、荒れている妹の紗紅さんのことを心痛している姉の美濃さん。

 二人は、とある事件に巻き込まれ戦国の世にタイムスリップしてしまう。

 そしてタイムスリップをした、その先で目にした者は、戦乱の世を生きる逞しき男達──。

 戦の鬼と呼ばれた、織田信長だった。


 戦国時代を舞台とした壮大な純愛物語は、斎藤姉妹のそれぞれの愛のかたちが、悩ましい思いが、幾度も交差していて拝読していて私自身も込み上げる思いがありました。

『愛する人のためなら、私は鬼にだってなってみせる』

 二人の揺るぎない覚悟を、貫き通す信念を目にしたとき、愛という感情はここまで人を強くし、行動する力を与えてくれるものなのだと、改めて強く感じ感動しました。

 本当に愛のちからは偉大ですね。


 定められた運命に抗うというのは、並大抵な気持ちでは出来ない。

 それでも、私は貴方と生きてゆきたい──。

 儚く切なく、そして、美しき純愛と感動の物語を貴方も是非、一度読んでみてはいかがでしょうか。

★★★ Excellent!!!

この小説を一言で表現することは難しいです。
歴史要素は大いに入っていますが、それにはとどまらない。
ファンタジー要素は入っていますが、異世界ではない。
恋愛小説でもありますが、その構成は非常に奇抜。
戦国の世にタイムスリップしますが、その構造は単純ではなく、何気なく読んでいた前半部分に巧みに伏線が張り巡らされており、後半に涙の結末をもたらします。

戦国時代に生きることを決意した姉妹は、乱世に揉まれます。史実に忠実に沿ったまま、無情に時は流れていきますが、姉妹はそれぞれ歴史を変えようと奮闘します!

それが斬新なんですが、最期がこれまたすごいんです。

ネタバレになってしまうので言えないのがもどかしいのですが、とにかく発想力、構成力、描写力、美しさどれをとっても、圧巻の一言で、思わず嫉妬を感じてしまうくらいの素晴らしい作品です。

とにかく読んでみてください。
のめり込みます!

★★★ Excellent!!!

今までの異世界転生とはちょっと違う骨太な作品です。

何より史実をかなり忠実に再現している所が読み応えがあります。

大人気の武将がたくさん、独特の切り口で登場するのも楽しいです。

そしてやはり信長様ですね。

一味違う信長様と、一味違う結末を堪能してみて下さい。

面白いです!

★★★ Excellent!!!

戦国時代にタイムスリップした女子高生の姉妹が、それぞれに人を愛し懸命に生きる物語です。

暴走族を率いる紗紅は、優秀で真面目な姉・美濃に反発していますが、心の奥では大切に思っています。
美濃にとっても、紗紅はかけがえのない存在。
飛ばされた先の戦国時代で、異なる立場や複雑な状況のもと、お互いを気遣って過ごす様子がとても切ないのです。
そして彼女たちが恋をする武将、気性の激しい信長と、冷静な光秀。
緊張感に満ちた日々の中、考え方や行動など、この二人の対比も丁寧に描かれています。

長編ですが、各話は短めでテンポよく読むことができました。
重厚さと華やかさをあわせ持つ魅力的な作品です。
現代と戦国時代を繋ぐ姉妹の絆、そして運命の恋を描いた物語。
ぜひ読んでみてくださいね。

★★★ Excellent!!!

絵に描いたような非行少女、紗紅はレディースの抗争がらみの乱闘事件の只中で、突然タイムスリップに巻き込まれる。
飛ばされた先はなんと戦国時代。
しかも捕えられた先にいたのはあの信長だった──

信長とタイムスリップはやはり相性がいいですね。
誰もが知る彼の激烈な人生、謎に包まれた最期が想像力をかきたてられ、魅力に満ちているからなのでしょう。
この物語の個性は、紗紅の姉である美濃もまた同時にタイムスリップしていたということです。
お互い同じ時代に飛ばされたとは気づかないまま、姉妹は何とか戦国の世で生きながらえようとします。
そんな激動の中で、二人はそれぞれに愛する人に出会い、彼らの運命に悩み、歴史の潮流になんとか抗おうとしていきます。

彼女達は歴史を変えることができるのか。
愛する人と添い遂げることができるのか。
離れ離れとなった姉妹は再び出会うことができるのか。

とても濃密な戦国ファンタジーをどうぞご堪能ください(^^)

★★★ Excellent!!!

家族とそりが合わずに暴走族に走る咲紅は、ある日敵対するチームとの争いの中起きた陥没事故によって、その場に居合わせた姉の美濃とともに戦国時代に飛ばされてしまった。

タイムスリップのお話の難しいところは現存の歴史とどう噛み合わせて行くか、そして辻褄を合わせて行くかだと思う。この作品は歴史の事実や、こうだったかもしれないと言うその他の諸説をうまく絡ませていて巧みに読者を納得させてくれる。

そして、ただ過去に行って戻ってくるだけではないのがこの作品の巧妙なところ。現代と過去が密接に絡み合い、人々の情も複雑に重なり合って、そこからまた新たなドラマが生まれていく。そんな素敵な歴史絵巻がここにあります。

★★ Very Good!!

2017/622 76話時点でのレビュー
 まだ完結していない……
 話数は多いですが、物語的には中盤に入った頃、という時点でのレビューです。

 内容的には現代から戦国時代へのタイムスリップものとなります。
 設定的には決して珍しいものではありません。
 ただ、この作品を読ませる力はどこにあるのか……
 それは、あらゆる描写が丁寧に描かれている点でしょう。心情、環境、そのキャラがどのような感情のすえにその選択を選び進んだのか。
 ともすれば勢いや設定だけで突き進みがちな作品が多い中、ここら辺がとても丁寧に描写されていて好感です。
 あと、設定的には男性向きですが、内容は女性読者にこそ惹かれる、あるいは魅せられる設定だと思います。
 ただ、丁寧な分……人によっては序盤が辛いと感じる方もいるかもしれません。

 が、この物語が盛り上がるのは戦国最強の『うつけ』との絡みでしょう。どのように心惹かれるのか、あるいは絆は引き裂かれるのか……非常に気になります。

 さて、長く書きましたが、今後はどのように展開していくのか、続きを楽しみに待たせて頂きます。
 更新・完結後に星をまた送らせて頂ければと思います。

★★★ Excellent!!!

57話まで読了でのレビューです。

現代から戦国時代にタイムスリップしてしまう物語ですが、登場人物達の繊細で壊れてしまいそうな、それでも生きて前に進もうとする心の描写が、次はどうなるのだろう?とドキドキする展開と同時に描かれています。

現代のエピソードの丁寧な描写により、タイムスリップした主人公紗紅と彼女の姉が、波乱の戦国時代でどうなってしまうのかを見届けずにはいられなくなってしまう物語です。