Wake me up before you go go.
配られた携帯でいつもより早く起こされ、ボロボロの公務員宿舎から飯も食わず、昨晩買ったコンビニのペットボトルの烏龍茶を飲むだけで、鴨川署へ直行。徒歩10分。
鴨川署は、近々、繁華街に近い、二条署に吸収合併される形で廃止になる。府警内の予算の事情。もしくは、知事、府議会の都合。飾磨に関わり一切なし。
大きな事件らしい。 署への刑事の集まる人数でわかる。
機動鑑識班はもう臨場してていて、鋭意証拠採取中。
署内で一番大きな会議室には、ホワイトボード。大量の机、大量のパイプ椅子。大量のポッド。大量の粉末コーヒー。大量の宇治茶のティーバッグ。どちらも量販店の激安特価品。そして人ではなく物としての大量の刑事。
捜査の指揮をとるのは、府警本部捜査一課の
会議室の中にコーヒーとお茶と成人男性の悪習が立ち込める。シェーブローションに男性用コロン。安シャンプー。車の芳香剤。みんな同じ給料、みんな同じ匂い。全てにうんざり。
「捜査は、ごく初期の聞き込みが全てだ、全員その点に留意して取り組んで欲しい」
捜査は、初動がほぼすべて。これ鉄則。だれも二週間前の水曜日ことなど覚えていない。先週の水曜日ですら怪しい。人の記憶など一昨日の夜ぐらいが精一杯。みんな自分のことで精一杯。飾磨も同じ。高崎管理官ですら同じ
「これより、聞き込みの担当の割当を発表する、、、」
ようやく、おっとり刀で鴨川署の署長、
しかし、それにしても大園の到着は遅い。捜査の事実上の指揮は高崎管理官が取るが、建前は、大園署長が捜査本部長となる。
なぜなら、偉いから。長たるもの、どこの世界でも偉い人間が担当しなければならない。 しかし、名義貸しだけで、なにもしない。記者発表の時、重しとして座っているだけ。
「以上、それでは、各自取りかかって欲しい」
「おう」とも、無言のため息ともとれる返答で、云十人の刑事たちが立ち上がり、会議室をおっさん臭とともに入って来た時と同じように出て行く。
飾磨のパートナーは
「飾磨さん、いきましょか」
言われなくても飾磨は行く。
Just go fo' broke.
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