概要
コンピュータとは一体? 管理された社会とは?
ディストピア世界の純愛物語。
ボーイミーツガールは本当ですが、それだけではない。最終話で明かされる事実をご賞味あれ。
この小説は、paranoiaとbrave new worldをオマージュしております。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!深い!深いですよ!未来の世界で「幸福」とは?!
SF恋愛小説……といっては語弊があるかもしれません。
う~ん。SF青春小説でしょうか。
未来のお話です。テクノロジーは私達の知っているものを少し残した程度で文化や習慣はかけ離れています。マクロな世界観の中でミクロな個人的感情を表現された作品でした。
コンピューターが管理する平和な世界。
争いもなく、人々は平和に生きることが出来る世界。
幸せとは? 幸福とはなんだろうか?
読み手を刺激するフレーズの数々を優しく面白く表現しており、ストレスなく読み進めることが出来るでしょう。決して説教臭くなく、訴え掛ける作者さまの巧みな構成と文章。楽しい会話の中に潜む怪しい雰囲気。少ない登場人物から…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これは名作ですか、読者? はい、名作です。親愛なるコンピュータ様
もちろん善良なる読者である私に言わせれば、完璧な小説投稿サイトであるカクヨムには名作しか存在しないわけなのですが。
その中でもこの作品は、ライトノベル版ディストピアとしては教科書にしたい作品だと思います。
paranoiaとbrave new worldをオマージュしているという情報が出ている以上、読む側としては十分覚悟して読んでいるはずなので、人によっては話自体に虚を突かれるほどではないでしょう。
それでもこの作品のライトノベルとしての完成度。つまりディストピア世界観をライトノベル的に咀嚼し、そこでボーイミーツガールをしてオチまで持っていくストーリーラインの組み立て。その料理の巧みさ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「ディストピアのおける幸福」の追求
管理社会に生きる人間が外乱の影響で現状に違和感を持ち始める。話自体はディストピア小説の王道展開です。そしてこれまたディストピア小説の王道として、その過程には言い知れぬ不安感がつきまといます。このままで終わるわけがない。必ず何かあるはず。その予感は最後、的中します。
しかしこの小説が独特なのはここから。不安は的中するのですが、その結末は解釈の難しいものになります。作中で何度もコンピューターが問いかけてくるように「幸福」と言ってよいものなのか、あるいはそうではないのか。ディストピア小説は「人間にとって幸福とは何か」というテーマを本質的に絶対避けられないのですが、本作は「ディストピアにとって…続きを読む