概要
幼い井伊直虎は亀之丞と呼ばれる少年と婚約していた。井伊家を守るための政略結婚だった。しかし、当人たちは親が決めた結婚にも関わらず、本気の恋をしていた。
そんな幼い直虎と亀之丞に次々と悲劇が襲い掛かる。
赤鬼と呼ばれた井伊直政の養母である井伊直虎の生涯を描いた大河小説。
大河ドラマの予習・復習にどうぞ!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!大河ドラマを見損なった方には勧めたい。かの有名な女城主の物語。
NHKの大河ドラマは視聴していないので比較しようが有りませんが、井伊直虎の粗筋を理解するには分かり易い作品です。
歴史には不案内ですが、桜田門外の変で殺された井伊直弼の先祖の話なんですよね、きっと。不案内だけど、歴史小説ジャンルは好きで、カクヨムの投稿作品を幾つも楽しんでます。
本作品では、史実の流れの説明に重点を置いたみたいで、文字数も少な目。その分、人間ドラマには深入りしていません。だから、此れは此れとして、ギトギトした人間ドラマの展開する井伊直虎伝を描いてもらう事を期待します。
作者なら出来るはず。作者の別作「鬼隠し」を拝読したことが有ります。意表を突く発想を表現したタイトルに感心した…続きを読む - ★★★ Excellent!!!井伊家の受難が直虎を産んだ
円姫(後の直虎)と亀之丞(後の井伊直親)との淡い交流関係から端を発し、幼いころからの、小野但馬守との長きに渡る因縁を断ち切るまでのお話である。
昼食をとる、という京文化が歴史の分岐点であったかもしれない、
などと、綿密に調査されたと感じられる、時代の習俗が丁寧な筆致で描かれており、また、織田、今川、徳川の勢力争いが歴史絵巻として本筋に花を添えており、飽くことない。
井伊家の男子が誅殺され、戦で討ち死にしていくたびに、あと何人男子がいるんだ? あれ、もういないんじゃとハラハラ。
井伊家のほぼ滅亡からの再生にいたるカタルシス、ぜひ味わっていただきたい。
読みやすくかみ砕かれており、歴史小説に普段…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美しき故郷を守るために戦った井伊家の人々のドラマ!
本作は来年の大河ドラマの主人公で戦国の女領主・井伊直虎を題材にした小説ですが、この物語の主役は直虎だけではなく、井伊家を守るために戦った人々全員が主役なのではないかなと個人的に思います。
戦国の人々の使命とは、先祖代々暮らしてきた愛すべき故郷を守ること。そして、故郷を守る一族の血を絶やさないように生き抜くこと。
井伊家は疑い深い今川家の傘下にあり、家中には陰謀をめぐらす小野家という獅子身中の虫もいて、たびたび存亡の危機に襲われます。
危機が訪れるたびに、主人公の直虎をはじめとして、父の直盛、かつて愛し合った亀之丞(直親)、直虎を教え導く南渓和尚、曽祖父の直平など……井伊谷の美しき故郷を…続きを読む