匣

「絶対に開けないでくださいね」
男はそう言って匣を置いたまま中座した。
その匣の中からは美しい女の声がして……

不思議な匣を巡る鬼と鬼狩りの物語。

鬼狩りの了架は刀を手に放浪する少年、陣との出会いによって鬼を狩る理由に疑問を抱くようになる。
鬼の血を半分引く火嶺は鬼になりかけた少女、香瑠を拾ったことで鬼狩りの家系に疑問を抱くようになる。

そんな折、了架は瀕死の鬼から匣の存在を知る。
人を閉じ込め、鬼に変えてしまうという不思議な匣は火嶺が持っていると聞き、了架は混乱しつつも火嶺を調べ始めた。


※ 平安から明治初期辺りまでのなんやかんやを詰め込んだ和風ファンタジーです。
　 特に何時代とかいつ頃とかはないのでその辺りはふわっとしております。