空海名鑑

※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・空海とは関係ありません。

※Twitter最新話までのネタバレを含みます。


モデル・クーカイ

 空海を理論モデルとして遺伝子改造を施されたデザインベイビー達。徳エネルギーを生身で扱い、物理的な干渉を齎す言うなれば『奇跡』を行使する力を持つ。遺伝的に空海と同一人物というわけでは必ずしもなく、行使する奇跡にもそれなりの幅がある。

 一定の品質に達した者はナンバーを与えられ、その数はアフター徳カリプス15年現在では48人。徳カリプスによって研究施設が崩壊、その際に凍結中であった者を含め十数名が行方不明となる。

 余談だが、『奇跡』は徳エネルギーによって物理干渉を発生させる技能であるため、場合によっては一般的に非殺傷の徳エネルギーを攻性転用することが可能である。


・奥羽岩窟寺院都市所属

(前期型モデル・クーカイ)


壱参空海(No.13)

 モデル・クーカイの初期ナンバー。比較的大柄であり、妙な喋り方をする。徳エネルギー操作能力は説法を媒介にした攻性転用であり、鞭型に収束したものを好んで使う。

 説法を媒介とした能力の起動は暴走を抑え徳枯渇死を防ぐためのいわばリミッタであり、いろは唄をトリガとして真の力を解放する。開放状態では『諸行無常』『諸法無我』『涅槃寂静』の三種の奇跡を持つが、根本的にはこの3つは同種であり、空間に浸透した徳エネルギーの制御によって世界を変質させる能力である。変質した寂滅の世界の中では、万物が滅びへと向かう。

 初期型モデル・クーカイは後期型とはコンセプトや能力の性質・発現法そのものが異なる。

 防御能力を持つ肆捌空海とペアを組んで得度兵器を撃退することが多かった。


攻撃力:中(高)

防御力:低(高)

感知力:高

持続力:中(超低)

成長性:低

※()内は本来の能力値


弐陸空海(No.26)

 初期型モデル・クーカイ。女性型である。計画前期の中では『最も完成に近い』と言われている。初期モデル・クーカイの目的はオリジナル・クーカイの完全なる再現と即身成仏の達成であり、彼女は後者の目的について一応の完成を見ると同時に限界をも見せた。

 能力の性質については、発動機会が少ないことから詳細不明。徳エネルギーの吸収能力が確認されているが、これは『その場に居るだけで発動する』類のものであり、彼女の真価ではない。


攻撃力:?

防御力:?

感知力:?

持続力:?

成長性:?


(後期型モデル・クーカイ)

 後期型モデル・クーカイは前期型モデル・クーカイの研究によって特定された弘法因子コウボウ・ファクターを部分的に導入し、純粋に能力者として作られた存在である。


参壱空海(No.31)

 本来、失敗作として廃棄される筈であったモデル・クーカイに能力が与えられたもの。長らくの間凍結されていたため、他の空海に比べて幼い身体を持つ。

 攻性の奇跡以外に、徳エネルギーを媒介にして情報の『中身』を読み取る、というテレパシーじみた高次元の徳エネルギー感覚を持つが、その影響であるのか意志の疎通が困難。

 どうやら世界の認識が徳エネルギー感覚側に寄っているらしく、強力な徳エネルギーを行使するモデル・クーカイでどうにか会話が時々成立する、という有様である。

 攻性能力については詳細不明だが、戦闘用得度兵器を一人で破壊可能な能力を持つ。

 参伍空海に比較的懐いているが、頻繁に彼にじょうろで水をやろうとする奇行に走る。また弐陸空海とは相性が悪く、彼女と出会うと「眩しい」と言って逃げる。

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 攻性の奇跡は、墨を媒介とした流体操作能力である。墨の龍というかたちで顕現することが多く、荒ぶる濁流の如く対象を呑み、侵食する。

 また、高次元の徳エネルギー視界は、世界の覗くものである。その眼は物理的距離と関わりなく果てを見渡し、浄土の入り口にまで届く。其処で聞いた『彼女』の声を、彼は手が届かないからこそ、この上なく美しいと感じていた。


攻撃力:高

防御力:低

感知力:高?

持続力:低

成長性:低


参参空海(No.33)

 徳エネルギー感知能力特化型。km単位の感知圏を持ち、その範囲内の徳エネルギーの挙動を感知できる。また、水源探知能力を併せ持つ。但し、参壱空海とは違い受信による位置観測専門であり、本人の戦闘能力も高くない。

 彼は奥羽岩窟寺院都市の『眼』として、日夜瞑想を続けている。

 弐陸空海には懐かれており、現在の所属空海に参拾番台が多いことから「さんちゃん」と呼ばれている。


攻撃力:無

防御力:低

感知力:超高

持続力:高

成長性:中


参伍空海(No.35)

 寡黙な空海。能力は植物の制御。だが、その内実は殆ど命を生み出す行為に近く、原理的に不明な部分を抱えている。

 その代償であるのか肉体の一部が木質化・植物化しており、腕から顎下あたりまでが木仏のように硬質化している。寡黙であるのは物理的に喋るのが億劫であるかららしい。

 その能力を活かし、奥羽岩窟寺院都市の食料生産の役にも立っている。変質した肉体に奇跡の残滓を感じるのか、参壱空海に一方的に懐かれている。


攻撃力:中

防御力:高

感知力:低

持続力:高

成長性:低



肆壱空海(No.41)

 空海部隊の総指揮官とも言うべき人物である。眼鏡をかけている。肆捌空海の出奔後は前線にも頻繁に出るようになった。

 三鈷杵型の弾丸を飛ばす程度の能力しか持たないため、あまり戦闘の役には立たない。

 肆拾番代は能力性能を捨てて、より安定性を高めたものであるらしい。


攻撃力:低

防御力:中

感知力:中

持続力:高

成長性:中



肆捌空海(No.48)

 後期型モデル・クーカイ。最晩期に製造されたこともあり、最も安定した固体の一つ。徳エネルギー操作能力は防御力場の形成と温泉探知。都市の中では事実上の前線指揮官を務めている。

 能力的な伸び代が大きいらしく、後に不完全ながら見様見真似で攻撃型の能力も習得している。


攻撃力:低→中

防御力:高

感知力:中

持続力:中

成長性:高



採掘屋達の街所属


クーカイ

 モデル・クーカイの失敗作の一人。能力の構築式に欠陥が存在し、力を制御することができても、現象として組み立てることができない。

 その部分を意識的に補えば、似たようなことは出来るがひどく効率が悪い。


外伝にて登場


零零空海(仮称)

 始まりの一人。『聖者の行軍』を率いた、在ってはならない人造聖人。

 ごく初期におけるモデル・クーカイの成功例の一人ではあるが、その能力は謎に包まれている。

 あまりにも多くのものを率いたため、あくまで仮説としてではあるが、彼の力は生命操作の類ではないかとも言われている。

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