前途多難 二
市川駅前 飲み屋街 表通り
「ごちそうさん」
ラーメンを食べて一息ついた
暖簾を潜ると、向こうの店の壁際に『黒い影』が立っていた。
その存在は
片桐はその黒い影の存在を確認したが目もくれず、人通りが多い表通りを歩き始める。
先程一新亭に置いてあった爪楊枝で歯の隙間を綺麗にしながら、片桐は本来の目的地へと向かって行く。
片桐が歩を進めると、壁際に立っていた『黒い影』がそれを追うようについて行く。
黒い影は50メートル程の距離を保ちながら、筋肉質な片桐の背中を追っていく。
片桐は背後の存在が自分を付けて来ていることに気づくも、決して距離を取ることもせず、同じペースで歩き続ける。
片桐にとってこの黒い影は今の自分からしてらどうでもいい存在だった。
――歯に挟まったの全然取れねーな。
片桐からすれば、黒い影の存在は二の次であり、今最も優先すべきものは、爪楊枝で歯の隙間に挟まった物を取り除くことだった。
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