ごく当たり前な日常 十四
市川駅前 飲み屋街 表通り
彼女は歩き続ける。
この異常な光景を目の前にしても。
彼女は辺りを見回す。
そこには人、また人、そしてまた人。
時刻は午前1時。
彼女にとって、この場所は既に見慣れている光景に過ぎなかった。
彼女にとって、この場所は『天国』でもあり、『地獄』の場所でもあった。
そして彼女にとって、この場所はもう自分の一部なのだと。
彼女はこの場所を愛している。しかし憎んでもいる。
表では明るくても、裏では暗く、暗い暗いこの場所を。
彼女にもこの場所のように表と裏の顔が存在する。
To Heavenのキャバ嬢
彼女はこう思っている。
今の自分があるのは、この場所があったからだ。
けどこの場所に訪れることがなかったら、また新たな形で人生を楽しんでいるのではないかと。
そして、自分に『心理学』を教えてくれた、あの男との出会いがなかったらどうなっていたのかを。
現在麗華の時とは正反対な地味な格好の清水花蓮は、今目の前にある『欲望』を満たす為、市川駅南口前 ペデストリアンデッキ 3階へと
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