銃を撃ったらどんな痕跡が残る?

推理小説で起こる殺人事件などでは銃が凶器としてしばしば用いられます。

銃を使うと以下のような証拠が残るのです。

・弾頭

・薬莢

・発射残渣

・音

・マズルフラッシュ(発火炎)

・弾痕


弾頭は、弾薬のうち発射される部分です。撃ったならこれが残るのは(空砲を撃ったので無ければ)当たり前と言ってもいいでしょう。

発射された弾頭にはライフルマーク(日本語で施条痕など)と呼ばれる、ライフリングを通った跡が残ります。これは使用された銃によって微妙に違うので、人間の指紋と同様に、弾を発射した銃の種類だけでなく個々の銃まで特定することができ、犯罪捜査に利用できます。 しかし近年ではコールドハンマー法と呼ばれる方法でライフリングが刻まれるので、同じライフルマークを残す銃が理論上いくつか存在することになりますが、それでも微妙に異なるので判別は可能とされています。


薬莢は、弾薬のうち火薬を入れる容器のことです。旧世紀の銃でなければ、ほとんど金属製です。

オートマチックなら撃った直後、手動式なら排莢操作をしたときに排出され、排出された薬莢が硬いものに当たればチャリンと音を立てます。

用心深い射手なら必ず回収することでしょう。


発射残渣は、銃を撃った際に出る硝煙が物に付着したものです。射手の手など、発砲した銃のまわりに付着します。

ジフェニルアミンという化学物質により青紫色に変色するので、これが犯罪捜査に利用されます。これによって出た反応を「硝煙反応」といいます。ドラマなどで聞いたことの有る人も居るのでは。


銃を撃ったときに音が出る原因は三つほどあります。一つ目は火薬が燃焼するときに出る「バン」という音、二つ目は銃が動作する「カチャ」という音、三つ目は銃弾が音速を超えるときに発生する「ビュン」というソニックウウエーブと呼ばれる音です。

サプレッサーなどで軽減できますが、あくまで「軽減」です。

9mmパラベラムを使用する短機関銃の発砲音は軽減しても60~70デシベルと、電話のベル並みの音が発生します。ただし.45ACPなどの亜音速弾(音速を超えない弾)はサプレッサーで動作音だけになるので大きな減音効果が望めます。

リボルバーはシリンダーの隙間から音が漏れるので消音はほぼ不可能です。

自動拳銃はリボルバーほどではありませんが排莢口から音が漏れることがあります。これを解決するために後退しないようにスライドをロックする機構が追加されたものもあります。


マズルフラッシュは、銃身長の短い銃や装薬量の多い弾薬を使ったときに出る閃光です。射手の視界を妨げて照準しにくくなるほか、相手に発射位置がバレやすくなってしまいます。

フラッシュサプレッサーなどで軽減できます。

ちなみに、銃弾が当たらなくてもこれで火傷を負うことがあります。


弾痕は、弾が物に当たった跡です。

ほとんどの場合、銃弾は貫通力があるので壁に当たった銃弾は壁に埋め込まれるでしょう。ホローポイント弾などの場合は広範囲に亀裂が入るでしょう。



銃を使用した痕跡を完全になくすことは不可能です。

これらの性質をあなたの作品にうまく役立ててください。

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