スナイパーライフルとは

スナイパーライフル、日本語で狙撃銃。


スナイパーライフルとは、遠くの目標を狙撃することが目的の小銃のことです。

狙撃銃用の弾薬として一般的な「7.62mmx51mmNATO弾」を使用するものならば、有効射程は約800mと言われています。


かつては、一般の小銃の中で特に命中精度の高いものが狙撃用に改造されて作られていましたが、現代においては最初から狙撃用として作られます。

具体的には、狙撃用のテレスコピックサイトはもちろんのこと、接地することで安定して狙うためのバイポッド、スコープを覗き易くするためのチークパッド、支持による歪みや反動による振動が伝わらないフリーフローティングバレル、引き金を引く力が少なくて済むフェザータッチトリガー、温度変化で体積が変化しない合成樹脂などから作られたストックなどを搭載します。

すべては正確に狙うための工夫です。



狙撃銃の動作方式には大きく分けて「ボルトアクション(手動)」と「オートマチック(自動)」の二種類が存在します。


ボルトアクションは主に警察や競技用など、精度が重視される所で使用されます。

弾薬の装填などを一発一発手動で行うため連射が遅くなりますが、構造が簡単で信頼性があり、高い精度を出しやすく安価です。

手動ということは、ただ連射が遅くなるだけでなく、発砲するたびに目を離して操作しなければならないためいちいち照準し直さなければなりません。

狙いを外して隙を作ろうものなら大変なことになってしまいます。


オートマチックは主に軍用で使用されます。

弾薬が自動で装填されるので連射が速く、ボルトアクションと異なり連続して目標を狙うことが出来ます。狙いを外したときのフォローも比較的容易です。しかし、絶対的な射撃精度ではボルトアクションに劣ってしまいます。

というのも、オートマチックは機関部にゆとりを作らないといけないもので、このゆとりが命中精度を下げてしまいます。

狙撃銃としての命中精度を求めるならばゆとりを最小限に抑える必要がありますが、それをするには高度な製造技術が求められ、コストも高くなってしまいます。

「有名な銃の例:スナイパーライフル」の項にもある「PSG-1」は、7,000ドルもの高値がつくのでドイツ連邦軍には採用されませんでした。(廉価版のMSG-90が採用されています)


ボルトアクションの操作方法は

・(クリップ給弾の場合)ボルトを開き弾薬を装填した後ボルトを閉じる

 (マガジン式の場合)マガジンを装填しコッキングする

・狙いを定めて引き金を引く

・ボルトハンドルを操作して次弾を装填

という手順です。

オートマチックはアサルトライフルとほぼ同じです。



スナイパーライフルの扱いには高度な技術が必要です。

重力や風、コリオリ力(地球の自転による影響)による弾道への影響を考慮し、手振れや心臓の鼓動による振動などを極力押さえて狙いを定める必要があります。

また特殊部隊の狙撃手ならば、敵地のど真ん中で狙撃を行う場合が多いので、狙撃場所の選定、狙撃地点までへの隠密行動、周囲の警戒、逃走ルートの確保もこなす必要があります。

「狙撃手は神経質」というイメージが強いですが、うなずける話です。

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