全自動賞賛機

作者 太刀川るい

669

271人が評価しました

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★★ Very Good!!

書き手の方には凄く受けると思います。必ずニヤリとするはず。
でも、書き手の悩みを実感しない読み専の方には面白さが伝わらないかもしれない。
星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
私は「おやすみ、おちんぽ」の方が好きだな。あの作品は少ない文字数ながら、設定なり捻り、オチが弩ストライクです。

★★★ Excellent!!!

全自動賞賛機。そんな非科学的で倫理を欠くものはこの世界に存在していない。ある訳が無いと確信を持って言い切れるでしょうか?

科学が発展した現代という混迷の時代に合わせた確かなリアリティを持った作品です。
文字を追う中で自身の価値観が疑わしくなり、読後はそこから迫り出す恐怖や不安を綯い交ぜにした不思議な感覚に陥ることになりました。
そういった上手く言語化出来ない自意識の深い所に問い掛ける名SFであると思います。

なんて意味ありげな事を考え、レビューをした私は果たして人間なのか機械なのか…

★★ Very Good!!

近未来……等と言う様な、遠い未来では無い将来、現実に稼働していそうなマシーンですね。……いや、既にソフトとして稼働しているのかも……。
それでも自身の作品が称賛されれば、間違いなく喜ぶと思う所が怖いwww。

有りそうで、無さそうで、でも有りそうなストーリーが非常に面白かったです。技術的な複雑性を全面に押し出すのではなく、それを使う、または使われる人間のメンタリティーにスポットを当てている所も、想像が容易で非常に入り込みやすかったです。
そして、既にその様なマシーンが稼働していても、恐らく気付かないだろうと考えて……少し悲しかったですね。素晴らしい作品でした。

★★★ Excellent!!!

 ――評価とは無縁の、本当の芸術ってものが世の中にあると思っているのだったら誰にも見せずにタンスの中にでも閉まっておけばいい。非現実の王国のようにな。
(本文より抜粋)

『非現実の王国で』を執筆したヘンリー・ダーガーにとっては、狭い部屋の中、独りきりで綴っていた物語こそが自分の世界だったのかもしれない。

 けれど、私は現実の世界を生きている。
 疑うべくもない事実だ。そうでなければ他人からの評価など求めない。欲しがらない。

 人間は社会的動物である、と誰かが言った。
 社会を構築し、その中で他者と触れ合い、役割を負うことで生きるものだ、と。
 だからこそ私は他人にどう思われているかを、どうやっても頭の隅から追い払えないのだろう。

 そういったたくさんの言葉が、この物語を読み終えるまでのひとときの間、泡のように生まれ、生まれ、生まれ続けて今でも残っている。
 読んでいる間も、読み終わった後も、その中に書かれていた『何か』について考える――それこそが、優れたSFの持つ力ではないだろうか。

★★ Very Good!!

 機械のオダテに乗せられる、機械をもった人達のオダテに乗せられる……というと、なんだか虚しい気がします。
 しかし、大勢の人々に希望ややる気を与えるのは悪いことなのか? そうした人々に支えられ、あるいはそうした人々の中から、賞賛機の導入による社会的コスト以上の価値をもつ娯楽や発想を生み出し、普及させることができたなら、それは良いことなのではないか?
 ただし、それには人々自身の向上も必要であり、さもないと小説の評価どころか執筆、ひいては文明活動全てが機械に取って代わられてしまうのではないか?
 ……などと考えてしまいました。

★★ Very Good!!

タイトルが個性的だと思い、読ませていただきました。
そういう考え方もあるんだなーと思いました。
でも、私個人としてはやっぱり褒めてもらえるなら自分と同じ本当の人間がいいなーとか思ったり。
でもネットも現実と同じく弱肉強食の世界。
全自動賞賛機。現実にあったら面白そうだけどそれって本当に喜ぶべき賞賛の声?考えさせられました。

★★ Very Good!!

タイトルに惹かれて読み始めたのですが、テーマや文体がとても気に入りました。
内容も大変興味深く、「そういう発想もあるのか」と感心させられました。
次回作も楽しみに待っています。



 全自動賞賛機、こんな感じの最大公約数的な感想が生成されるんでしょうかね?
 なるほど、薄っぺらいレビューをたまに見かけると思ったけど、あれは全自動賞賛機だったのか!

★★★ Excellent!!!

タイトルでもう感想をいい尽くしてしまったので、少し追記したいと思います。SFの界隈でしきりと話題になっているのはシンギュラリティについてです。人間を超える人工知能がこれからの社会でどんな活躍をしていくのか興味は尽きません。

全自動賞賛機のような機能であればまだまだかわいいものです。実際に、どこかの賞で、人工知能が書いた作品が一次選考を突破したという話も聞きましたし、僕が思うに、人工知能に下読みをやらせることで、カクヨムのようなサイトが潜在的に抱えている諸問題を合理的に解決できるかもしれません。

それにしても、確かに表現者が賞賛を求めているという要素はそれがすべてではないにせよあると思います。さながらマッサージチェアのように、機械による賞賛が我々を満足させる、そんな未来がもしあったとしたら、それはひとつの皮肉的なディストピアとも、合理的なユートピアとも考えられます。しかし、やはり僕は、小説を書いたのが人工知能であれば、それに心から感動はできないでしょうし、小説を賞賛してくれるのが人工知能であれば、あまり喜ばしくないとは思います。創作とは対人間のコミュニケーションでもあると思うからです。唯一、新人賞の下読みのような場面で、機械的な足切りに使われるくらいであれば、二次選考に人間が控えているのであれば、辛うじて納得できます。

しかしそうした感慨も、オーガニックな要素が欠片も存在しないある意味で悪夢のような、ディストピアであるとさえいえる現代社会において生きる我々からすれば、機械が作った衣食住に支えられて生きる機械のような存在に成り下がった我々からすれば、ノスタルジックなものなのでしょうか。

これからの時代に本格化するのは、まさに横浜駅SFで書かれていたような、人工知能が我々を超える上位の存在として世界に君臨し、すべてを変えていく未来になるのかもしれません。そうした派手なシ… 続きを読む

★★ Very Good!!

ほめるとのびるもん☆
とかほざく奴は、大概自助努力ができない愚か者に分類されます。
かくいう私もその一人でね。ほめられたら、調子に乗らず自戒するようにしています。
むしろ、罵られる方が信憑性もあるかもしれないですね。
想像してみてください。
泉鏡花を愛読する女子高生が、あなたの自信作を酷評するとしましょう。
「何これ? てにをはの使い方間違ってる。あんた、ほんとに大和魂持ってんの?」
こんな感じで。たとえですがね。萌えません? いかにもサブカルに理解のありそう女。カープ女子みたいでしょ。
望ましい賞賛なんて人それぞれ。
でも手塩にかけた作品は多くの人に読まれ、褒められたい。
そういう安易な期待をさせてしまうのが、ネット小説の本当の怖さかもしれません。

★★ Very Good!!

アイデアが秀逸なSF短編でした。笑ってしまう一方で、ひんやりさせるものがあります。人間が人間ではないかもしれないという問題提起は、「カクヨム」版『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』と言えるのかもしれません。本サイトが稼働し始めたこの時期ならではという作品で、読者が何を求めているかを作者さまはよく考えられているのだと思います。ぜひ私も見習いたいです。

★★★ Excellent!!!

まるで現実との境界線が侵食されるかのように、もしかしたら明日これが起こるんじゃないか。もしかしたら既に起こってるんじゃないかとゾクリとさせられるSFがあるけど、この全自動称賛機もそういった怖さを味合わせてくれる切れ味の鋭い短編だった。
小説投稿サイトに投稿される作品であるということも含めた設定とか毒の利き方には思わずにやりとさせられる秀逸さがある。

★★ Very Good!!

ネット版『夢を売る男』。

星新一賞の選考を通る小説を書くAIや、ヒトラーを称賛して嘴にガムテープを貼られたりするAIが居る今日、世間の目をくらますだけなら人間の手を動かす必要はありませんよ、というお話。
国民の5割がディープラーニングの脅威に脅かされつつある現代、虚構と言い捨てきれないイヤなアイデアがある程度の説得力で頭にすり込まれてしまう。

良質なコンテンツよりもアクティブなユーザー数の方がサイトの広告収入にとって本当に重要であるのかどうか不勉強にして分からないが、書店の本の腰巻きに書くことが「X万部突破」とか「X万PVを記録」なんていうことしかないような現状では、やっぱり「数」がなによりも先ず力なのかしらんと項垂れざるを得ない。(何しろこの作品が私の目にとまったのもやっぱり数の力だし)

ただし、滞在時間と評価数が相関するのか、とか、無料で10万字以上小説を書くような人間が「認めて欲しい」なんていう可憐な理由だけで小説をUPしたりするかしらん。物書きはもっと悪質で傲慢なものだと思うけど…なーんて言ってるもちろん僕も人間とは限りませんけどね。

冒頭『夢を売る男』同様、物を書くとは自分にとって何かを再考するには良いビタミン剤。

★★ Very Good!!

% 全ページにPVをつける(一定の滞在時間を経て)処理を実行後、このレビュー処理を起動すること。
% PV_scriptで最終ページからこのscriptを実行する手順が望ましい。

% 読んだことを証明するために、あらすじを出力する。
この作品は、「ここに作品中に頻出する単語を挿入する」に関する物語です。

% 作品ジャンルがSFに該当するとき⇒
「ここに作品番号をシードにして乱数を生成し、その乱数に該当する賞賛を意味する形容詞を挿入する」視点であり、まるで「以下からランダムに選択/近い未来我々にそれが訪れるのが、目に見えるかのようです/現在の社会に対する警鐘のように思えます/映画を見ているかのようでした」。

% 文章力についての試案

また、「ここに一文を引用し、挿入する。その文章のみの段落が存在するとき、それを最優先に選択せよ」という文章は、私「以下からランダムに選択/の心を打ちました/に息を呑ませました/には到底思いつかないと思いました」。文章力も確かです。

% キャラクターを褒めるのは特に有効と思われる
「ここに文中の人名を選択し、挿入する」
% 人名検出処理はname_scriptによって行い、出現数によって順位づけする。
% 中央値を取るキャラクター名を選択すると現実感がある? 要検討
はとても良いキャラクターだと思います。
「以下からランダムに選択/私もお友達になりたい!/ちょっと友達にはなりたくないですが。/もしかして、作者様の一面だったり?/」

% 連載中の場合のみ
 先が楽しみです!

★★★ Excellent!!!

人が機械を動かしているのか、人を機械が動かしているのか。

事実だ言われても疑うことも、信じることも、判断することも難しくなる時代はすぐそこまできているのかもしれない。
もしかしたらすでに実装されているのかもしれない。
そんな全自動賞賛機のすばらしさについて書かれたこの作品はとてもよいものでした。
これからもこのサイトを巡回しいろいろな小説を賞賛をしていこう思います。