第6話

四月十三日


春雷に突風に鈍にび色いろのどんよりと曇った雲体。そこはかとなく肌寒い陽気です。

本日も買出しに雑用仕事で眼の回る忙しさ。ブリッツエン兄さんと買出し道中、半纏股引姿でやせ我慢をいきとする江戸っ子は威勢で気前の好い鳶の長次郎さんに出会いました。手を振り笑いながら近寄り、ブリッツエンの金的をむんずうと掴み、相変わらずてえしたでかさだ。これならおめえさんに俺の孫娘をくれてやらあ。と言い残しポチ袋を僕の手に渡し、これから将門様にちっくらあお参りしてくらあ。と言い残し居なくなりました。

もう困っちゃう! 皆僕を子ども(チャン)扱いして!

憤慨しましたが所詮僕はお子ちゃまです。貰ったお金で虹色戦隊戦場の思春期! のカードを買いました。レアカードの出現です。神田明神の方角に向かい拍手を打ちました。

――今日は何か起こりそうだ。

期待感に胸が膨らみましたが恙無く平時どおりでした。日常が一番。

一ノ宮大己(大)貴(黒)命(様)。二ノ宮小名彦(恵比)命(寿)様(様)。三ノ宮平将門様。土地神様に感謝です。

――コメット

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る